一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ルワンダの中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、財政と国際収支の恒常的赤字であった―。
本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。
今回、九四年のルワンダ動乱をめぐる一文を増補し、著者の業績をその後のアフリカ経済の推移のなかに位置づける。
服部正也著『ルワンダ中央銀行総裁日記 増補版』の重版が決定。12刷です。46歳にして遠きアフリカの地で中央銀行総裁に任命された日銀マンが、悪戦苦闘の日々を流麗な文章で綴っています。第26回毎日出版文化賞を受賞した、異色のビジネス冒険譚。話題の今、ぜひお手に取ってみてください! pic.twitter.com/natH49kgJt
— 中公新書 (@chukoshinsho) April 1, 2021
「タイトル通り、日銀の偉い人がルワンダ銀行に出向して立て直すような話。エンタメ小説のようなやらせ臭い筋書きはなく、落ち着いた語り口調で現地の人の営みなども感じながら読み進められる名著。」
「日本がオリンピックを初めて開催した次の年に、著者はルワンダに行って経済改革に取り組みました。あの時代の日本のサラリーマンの実直な働きぶりが、そんな遠い国でも展開していたことに感動しました。今でこそネットで世界の情報が拾えますが、あの頃の、情報が少なくてしかもその情報がマイナスばかりのアフリカに赴任して、建設的に、理念をもって、現地の人の暮らしにてらして改革を遂行したことは、ルワンダに対してのみならず、後に続く途上国の援助をする人達の道しるべにもなったのではないかと思います。」
「中公新書でこんな熱い気持ちになれるとは思っていませんでした(失礼)。いや、語弊がありますね。もちろん中公らしい硬派なノンフィクションなのですが、ルワンダという舞台で繰り広げられる出来事、人間模様がドラマティック過ぎて素晴らしいエンターテイメントになっている。」
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