正欲 朝井リョウ (著) 新潮社 (2021/3/26)

あってはならない感情なんて、この世にない。

それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。

息子が不登校になった検事・啓喜。

初めての恋に気づいた女子大生・八重子。

ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。

ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、”多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった――。

「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」

これは共感を呼ぶ傑作か?

目を背けたくなる問題作か?

作家生活10周年記念作品・黒版。

あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。

「とても小さな世界しか見てない中で、多様性という言葉を頻繁に使っていた自分への嫌悪感に、良い意味で襲われました。どんな人にも繋がりは大事だと感じ、自分にも真にそう思える人ができれば良いなと思わせていただきました」

「色々考えさせられるんだが、なんだかんだで一番印象に残ってるのは「なんか人間って、ずっとセックスの話してるよね」という文章。そして、食欲とかはいろんな楽しみ方、多様性が認められているのに、性欲だけが制限されているという事実。今回も面白かったです。」

「性欲に限らず、自分には感じられない苦しみを持っている人がいるのだろうことを、自然に想像できる。それは、ルッキズムについて声を大にして語られるよりも、ずっと腑に落ちる。あるいは、肥満についてもそうかもしれない。多くの肥満は怠慢かもしれないが、生理的にコントロール不能なレベルで食欲を与えられてしまう人や時期もあるのだろうと思う。コントロールできたり、選べるものなら、抑えた方が健康にも社会にも多くの場合いいんだろう。ただ、そうでないものはどうしたらいいのか。そういうことを考えたり、語りたくなってしまう。傑作だと思う。」


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