宿命 國松警察庁長官を狙撃した男・捜査完結 原雄一 (著) 講談社 (2021/3/12)

警察庁長官狙撃事件は、なぜ解決できずに時効を迎えなければならなかったのか。

濃厚な容疑を持つ人物が浮上していながら、なぜ、オウム真理教団の犯行に固執しなければならなかったのか。

日本警察の宿命を説く第一線捜査官による衝撃の手記。

文庫版で「第九章 エージェントD」を加筆!

単行本刊行後、「協力者」から手紙が届いた。

「元刑事」となった著者は、協力者との接触を図る。本当の意味での「捜査完結」に向け、緊迫の場面に臨む――。

1995年3月30日朝、東京・荒川区において、國松孝次警察庁長官が何者かに狙撃された。

警視庁は、当時の社会情勢等から、オウム真理教団による組織的テロと見て、警察の威信をかけた大捜査を展開、2004年に至り、オウム真理教関係者の逮捕にこぎつける。

しかし、被疑者らが起訴されることはなく捜査は迷走し、2010年3月、多くの謎を残したまま事件は時効を迎えてしまった。

実は、この捜査の陰で、濃厚な容疑を持つ人物が浮上していた。

その人物は民兵組織の結成を目指した「中村泰」。

中村の内偵を進めた原氏は、徹底抗戦する中村の取調べを継続し、ついに中村から、警察庁長官を狙撃した自供を引き出す。

そして、その供述は、現場の状況に合致して迫真に富み、犯人しか知り得ない内容に満ちていた。

原氏が率いる捜査班は、幾多の困難を克服しながら中村の捜査を推し進め、多くの証拠を蓄積していくが、中村が立件されることはなかった。

なぜ、中村の捜査は封印されたのか。警視庁幹部、警察組織、現場捜査員、被疑者、社会情勢等、様々な「宿命」が絡み合い、葬り去られた事件の真相に迫る。


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