国商 最後のフィクサー葛西敬之 森功 (著) 講談社 (2022/12/14) 1,980円

安倍晋三射殺で「パンドラの箱」が開き、一気に噴出した日本政財界の闇――

その中心にいたのは、この男だった。

政界、財界、霞が関、マスメディア、鉄道業界etcすべて騒然!

日本最大級の広告主ゆえに新聞テレビはもちろん週刊誌ですら触れられなかった「アンタッチャブルの男」にはじめて迫る

禁断の「革マル取り込み」で魑魅魍魎の労働組合を屈服させ、30年以上にわたりJR東海に君臨。

強大なマスメディアを手懐け

政官界の人事を自在に操り

安倍晋三最大の後見人となった。

国を憂い、国を導くその一方で、国益をビジネスに結びつける「国商」と呼ぶべきフィクサーだった。

昭和の終わりに……国鉄解体という戦後最大の難事に身を捧げた改革の闘士は平成・令和の「怪物的黒幕」へといかにして変貌したのか!

(目次より抜粋)
・政策は小料理屋で動く
・靖国神社総代と日本会議中央委員という役割
・国鉄改革三人組それぞれの闘い
・「革マル」松崎明との蜜月時代
・覆された新会社のトップ人事
・鉄パイプ全身殴打事件
・ばら撒かれた「不倫写真」
・頼った警察・検察とのパイプ
・品川駅開業の舞台裏
・名古屋の葛西では満足できない
・安倍総理実現を目指した「四季の会」
・メディアの左傾化を忌み嫌う理由
・傀儡をNHKトップに据えた
・「菅さまのNHK」
・安倍政権に送り込んだ「官邸官僚」たち
・池の平温泉スキー場の「秘密謀議」
・杉田官房副長官誕生の裏事情
・政治問題化したリニア建設計画
・JR東日本とJR東海の覇権争い
・安倍と葛西で決めた「3兆円財政投融資」
・品川本社に財務省のエースが日参
・「最後の夢」リニア計画に垂れ込める暗雲
・JR東海の態度に地元住民が激怒
・「リニア研究会」という名の利権
・安倍晋三への遺言
・大間違いだった分割民営化
・国士か政商か
・覚悟の死

「権力者には宿命的な不安と恐怖が生まれる。
夢のためには権力を手放してはならない……」
(本書「おわりに」より)

「つくづく葛西氏は国鉄改革が生んだ怪物なのだと思う。戦略家経営者にして、ときの政治権力の後ろに控えて絶大な力を振るう最後のフィクサー。筆者は、そんな葛西氏を「国商」と評する。政権と一体化した保守思想の策士と言ったところか。」

「講談社、やるじゃん!というのが率直な感想。JR東海の葛西氏といえば、政治と結びついためちゃくちゃな権力者なのに、一般の人にはほとんど知られてなかった。だからこそ、好き放題できたという側面もある。そんな葛西氏のやってきたことを、洗いざらいぶちまけているのが、この本。森功という作家は、日本に存在する数少ない本物のジャーナリストだと思う。」

「テレビや新聞のニュースでは知らされない実態が描かれている。細切れに知る政界や財界、官僚人事などのニュースが、実はどれもつながっていて、しかも、それはごく少数が属するコミュニティーが起こしていることが分かる。テレビを見たり、新聞購読するお金と時間があるのなら、その分でこの本を読む方が、日本の本当の姿、実際には何が起きているのか?を、知ることができるだろう。」


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