一行を読み逃せば、謎の迷宮から出られない。
奇想の歌野ワールド、珠玉の作品集
新しい価値観のゆらぎが生み出す7つの悲劇
ボーナス・トラック 青春ショートショート「花火大会」
著者の企みに舌を巻く!哀しみと可笑しみの令和ミステリー
歌野晶午『それは令和のことでした、』祥伝社を著者よりご恵贈いただき読む。歌野作品らしい今日的な題材と、それを活かした企みに満ちた好短篇集。ベストは「彼の名は」で、作中の「なぜ」がラストで判明すると同時に、テーマがより鮮明に浮かび上がるアイデアが見事である。 pic.twitter.com/c02H3C6Gd9
— 三津田信三 (@shinsangenya) April 5, 2024
小学生のときは女男と指をさされ、母親からはあなたの代わりは誰にもつとまらない、胸を張れと言われる。
平穏を求めて入学資格に性別条項のない私立の中高一貫校に入るが、いじめはさらにエスカレートし、みじめな姿がSNSで世界中にさらされていく。
それは僕の名前が太郎だから――(「彼の名は」)
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