礫投げが得意な若者・弥七は陰(ほと)と呼ばれる貧しい集落で、夢も希望もなく、地を這うように生きてきた。
あるとき、図らずも自らの礫で他人の命を奪ってしまったことで、元盗賊のねずみという男とともに外の世界へ飛び出す。
やがて二人は、作事集団の黒鍬衆(くろくわしゅう)の一員として、尾張国の砦造りに関わるようになる。
それは弥七にとって、人生で初めての充実した時間だった。
だが、尾張を狙う今川義元が領主・織田信長に戦を仕掛けたことで、そんな日々は終わりを告げる。
弥七のいた織田領の丸根砦に、大軍が攻めてきたのだ。
弥七は織田の兵とともに、戦うことを決意する。
しかし、その大軍を率いるのは松平元康、のちの天下人・徳川家康で――。
桶狭間の合戦前夜、名もなき青年が戦国の世を駆け抜ける!
早川隆さんから、デビュー作『敵は家康』を御恵贈いただきました。第6回アルファポリス歴史・時代小説大賞特別賞受賞作とのこと。礫投げが得意な名もなき青年が、尾張の砦造りにかかわり、そこへ松平元康(のちの徳川家康)が攻め寄せてくるという戦国歴史小説です。読むのが楽しみです。 pic.twitter.com/4WKy2zOuof
— 杉山大二郎『信長の血涙』幻冬舎時代小説文庫12月9日発売 (@daijiro0405) March 1, 2022
|