父のビスコ 平松洋子 (著) 小学館 (2021/10/26) 1,870円

三世代の記憶を紡ぐ初の自伝的エッセイ集

『本の窓』人気連載を元に、昭和、平成、令和 にまたがる三世代の記憶を紡いだ、著者初めての自伝的エッセイ集。

-目次より-
「父のどんぐり 」
「母の金平糖 」
「風呂とみかん」
「ばらばらのすし」
「やっぱり牡蠣めし」
「悲しくてやりきれない」
「饅頭の夢」
「おじいさんのコッペパン」
「眠狂四郎とコロッケ」
「インスタント時代」
「ショーケン一九七一」
「『旅館くらしき』のこと」
「流れない川」
「民芸ととんかつ」
「祖父の水筒」
「場所」
「父のビスコ」ほか。

「金平糖が海を渡り、四人きょうだいが赤い金平糖の取り合いっこをする日が来ていなければ、いまの自分は存在していない。もし、祖父が帰還できなかったら。もし、岡山大空襲の朝、祖母ときょうだいたちがはぐれたままだったら。もし、父の目前に落ちた射撃弾の位置がずれていたら。『もし』の連打が、私という一個の人間の存在を激しく揺さぶってくる」(「母の金平糖」より)。

『旅館くらしき』創業者による名随筆を同時収録。

「記憶に拘泥することもなく、身内についての語りに偏ることもなく、市井の人々のそばを記憶の中で歩きながら見つめたような本。祖父母が詠んだ俳句や、『旅館くらしき』創業者による名随筆も収録されており、「自伝」とくくるよりも、日本のある場所に生きたあるひとびとの営みに向き合って書かれた一冊だとおもう。」

「その他にも倉敷のことなど、西荻のことなど、楽しく読みました。父が最後に食べたかったのがビスコというのも分かる気がいたします。真備の洪水の話も改めて酷さが分かりました。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事