江戸の町に、世の理不尽と戦う「情報屋」がいた!
その名は、藤岡屋由蔵――。
神田旅籠町の一角で、素麺箱に古本を並べ、商売をするこの男が、古本販売を隠れ蓑に売っていたのは、裏が取れた噂や風聞の類。
それを買いに来るのは、喉から手が出るほど“情報”がほしい各藩の留守居役や奉行所の役人だった。
由蔵が己の仕事として心に刻み込んでいたのは、真実を見極め、記すこと。
筆一本で戦う由蔵のもとに、ある日、幕府天文方の役人が逃げ込んで来る。その役人は、日の本を震撼させたシーボルト事件に絡んでいた。しかしその騒動のとばっちりで、由蔵の手下が命を落としてしまう。
手下の理不尽な死を許すことができない由蔵は、真実を暴くため、動き始めるのだが……。
天下を揺るがす陰謀に、“情報”で挑んだ男を活き活きと描く傑作歴史小説。
『噂を売る男 藤岡屋由蔵』(PHP研究所)
江戸・神田。藩留守居役や役人に裏が取れた噂と風聞を売る情報屋の男〈藤岡屋〉が幕府天文方役人とのいざこざで命を落とした手下の敵を筆一本で意趣返し。江戸の町で珍談・奇談を売った実在の藤岡屋由蔵と〈藤岡屋日記〉を種にした梶よう子さんの痛快時代小説。 pic.twitter.com/oEiwAt30uw— MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 【茶屋町】 (@mjumeda) August 8, 2021
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