なぜスピードスケート選手はフィニッシュ後すぐ脱ぐのか…スーツの謎
スピードスケートではフィニッシュラインを過ぎた後、タイムを見てすぐ、頭部のフードを外す選手を見たことがあるでしょう。
そのまま、レーシングスーツの上部を脱ぎ出す選手もいます。
暑いから…というのもあるでしょう。
一方でこれらは、スーツがもたらした動作とも言えるのです。
目次
スピードスケート スーツのトリビア
スピードスケートのスーツには、直立しようとすると、突っ張るほどの伸縮性があるのです。
スタート時の低い前傾姿勢を保ち、推進力を生み出すためです。
特に体幹部や太ももには、伸びにくい素材が使われており、レース後に胸元のチャックを下げる選手が多いのはこのためなのです。
清水宏保が男子500メートルで金メダルに輝いた1998年長野五輪のころまでは主に、動きやすさと空気抵抗の軽減が求められました。
スピードスケート観てましたーーーーーーー!!!!!!日本のユニフォームがブラック&ゴールドスーツでカッコよ。 pic.twitter.com/gRWpUVTs2w
— てーたろう (@slashbow) February 13, 2022
姿勢保持の機能
大きな変化があったのは、2002年ソルトレークシティー五輪のころ。
大手スポーツメーカーのナイキが伸縮性の違う素材を組み合わせ、滑走時の姿勢保持を助けるスーツを開発し、着用した米国やオランダの選手が好成績を収めました。
日本代表のスーツを作るミズノも、06年トリノ五輪から姿勢保持の機能を取り入れているのです。
スピードスケートの選手はゴール後すぐにフードとって、なんならスーツそこまで下げるか?!って言うくらい脱ぐ。
レース以外はタイツ姿は恥ずかしのかなーって思ったけど違うんだね。
前傾姿勢を保ち促進力を生み出すために直立すると突っ張るほど伸縮性があるスーツ??そりゃすぐ解放したいね。 pic.twitter.com/sODY6cp5V4
— 大榎良則 (@ohenoki323) February 14, 2022
安全面の配慮から素材が異なるスーツも
大勢の選手が一斉にスタートするマススタートや団体追い抜きでは、首やわきの下、ひざ裏などの動脈が通っているところに切れにくい素材が使われています。
スケート靴のブレード(刃)はナイフのように鋭いため、転倒して接触した場合の備えです。
ショートトラックのスーツにも同様の機能が備わっています。
スピードスケート
オランダのスーツは
オートバックス製品ではありません https://t.co/V9tHiAglSo pic.twitter.com/Sx7rMmKtdY— 新泉c (@araizumiC) February 13, 2022
ネットの声
「今はスポーツと化学は切っても切れない関係にあるんですね。厚底のランニングシューズや競泳用の水着など着用することで限界だと思われたタイムがさらに短縮される。競技者の限界を更に引き上げることは喜ばしいことだけど、用具のドーピングの様に思えるのは私だけだろうか?使用しているのと使用していないので結果が違うのであれば人間の能力とはまた少し違う気がするのですが。公平を考えるのであれば用具も同じ方が、、、。」
「なるほど!あのスーツは前傾姿勢を保つ事で選手の競技力向上に役立っていたんですね。道具の進化も興味深いですね。駅伝でもここ数年厚底のシューズが記録向上の成果をあげてますね。あ、と言う事はスケートシューズも厚底にすれば速くなるのでは?いや、瞬発力でなく持久力だから長距離向きかもしれませんね。スポーツメーカーさん、このアイディアいかがですか?」
「実際のスーツはかなり窮屈で、苦しい。そして、フイニッシュの判定はブレードの先になるので、ゴールの瞬間に足を動かすよりも足を伸ばした方がタイムがよくなる。理に適ってる行動としてみると、各スポーツの共通する動きを見るのもオリンピックの観戦の面白さだと思う。」