低収入で短命で…モテない男性の悲劇

モテない男性に追い打ちをかける「二重の苦しみ」…低収入のうえ、短命な傾向も

非モテ、という言葉がある。いわゆる、モテない人を指す言葉です。

長らく非モテは自己責任とされ、放置されてきました。

だが、本当に非モテは自分だけのせいなのでしょうか。

モテを左右する「清潔感」

たとえば、モテる条件には「清潔感」という概念があります。

清潔感がない人は、非モテになる。まあそうだろうと、誰もが納得するところでしょう。

この清潔感とはいったい何かを周囲の人にヒアリング調査したところ、以下のような答えが返ってきました。

・爪が短く整えられている
・メガネが曇っていない
・ワックスを使って調髪している
・服にアイロンをかけていてシワがない
・歯がクリーニングされている
・その日にシャワーを浴びたであろう香りがする
・定期的に服を買い替えて、ダルダルに伸びていない服を選ぶ

これを見て「自分には無理だ」と感じる人は少ないでしょう。

しかし、こういった状態に至るにはある程度の資金力が必要です。

年収で結婚できるかどうかが決まる

特に男性の場合は、モテと年収の関係が顕著です。

総務省の「就業構造基本調査」を見ると、男性の婚姻率は年収とはっきり比例します。

特に、清潔感を維持するのが難しいであろう年収200万円未満においては、未婚率が6割を超えています。

「ならば稼げばいいのでは?」というのは簡単ですが、このご時世でそれが難しいのはご存知でしょう。

そもそも、年収は能力よりも業界で決まる部分が非常に大きいのです。

日本一優秀な保育士であっても、平均的な商社パーソンより稼ぐことは難しいでしょう。

アパレル店員を選べば、年収1000万円を超えるのは難しいはずです。

上記はまだ「正規職」だった場合の比較であり、非正規雇用で考えればもっと悲惨です。

この世には、非正規雇用を選ばざるを得ない人も少なくありません。

とりわけ就職氷河期世代は、本人たちに何の責任もない中で、仕方なく非正規にならざるを得なかった人が多くいるのです。

それ以外にも、ヤングケアラーであったり、家庭の貧困で進学を諦めたケースだったりと、本人の意志や能力とは無関係に、正規雇用に届かなかった人は多数います。

問題は、これらの人がそのまま「恋愛する権利」までもうばわれてしまうことです。

恋愛する機会を奪われた40代男性

実際に、非正規雇用を選ばざるを得なかった40代の男性に話を聞きました。

「祖母がずっと認知症で、ついに徘徊するようになり、四六時中見張らないといけなくなっちゃったんです。それで、仕事を辞めて介護に専念しました。祖母が他界したときは、正直……ほっとしちゃいましたね。ただ、もうそのとき30代なかばで、恋愛どころじゃないまま気づいたらこの歳になっちゃって」

――婚活などは試されましたか?
「マッチングアプリは入れてみたんですけど、そもそも出会えないですよね。年収で切られちゃう。女性の気持ちもわかるんですよ。やっぱり年収が高い人と、お付き合いしたいじゃないですか。だからもう、諦めたいっていう気持ちと、でも一度くらい女性と付き合いたいっていう気持ちが、どっちもあります」

――モテないのは努力不足、という風潮がありますが、それについてどう思いますか。
「うーん。やっぱり自分のせいかなって思うところもあります。だって、僕と話していても、やっぱり面白いかっていうと、面白くないですよね。人生の半分くらい、介護で精一杯だったんで。趣味もないですし。でも、家事も介護もできるっていう意味では、そういうところを見てくれる女性がいれば嬉しかったな……と思います。

今って、どうしても年収があってグイグイ行ける、エスコートできる男性がモテるじゃないですか。穏やかさとか、誠実さってそんなにモテと関係ないといいますか。だから、そういういいところがあるのに、非モテの男性ってたくさんいると思うんですよ」

誠実さ、穏やかさ。

これらはいずれも、結婚相談所に登録するような女性から人気の属性です。

しかし、結婚相談所では年収制限があり、彼のようなワーキングプアは登録できないのです。

なにより、婚活女性は相手へ一定以上の年収を求める傾向があります。

なぜなら、女性は30代だと「正社員でも」平均年収が378万円しかなく、男性の437万円と大きな落差があるからです。

さらに非正規女性にもなれば、ワーキングプアの比率はぐっと上がるでしょう。

だから、女性も女性で「妥協はできない」のです。

したがって、非モテ男性は恋愛市場では「穏やかさ、誠実さ」が売りにならないから相手にされず、婚活市場では年収で切り落とされています。

未婚と既婚で寿命が15年も変わる

さらに政府の人口動態調査によれば、未婚男性の平均寿命の中央値は66歳ですが、既婚だと81歳になります。

女性にはこれほどの差がないので、男性は目立って未婚・既婚で寿命が変わりやすい。

誤解を恐れずに言えば「非モテ男性は、既婚男性とくらべて15年早く死ぬ」のです。

自身のせいではない理由で貧困においやられ、非婚化し、寿命まで短くなる傾向が強い非モテ男性。

これを単純に「自己責任」で片付けてよいのでしょうか。

非モテという言葉は軽く聞こえるかもしれませんが、これは国の非婚化、ひいては人口問題なのです。

ネットの声

「俺は清潔感と服装には金かけたな。本当に服って金かかる。以前は大体決まった服しかなくて、流行も追わず適当な格好してたけど、やっぱり自分の自信にも繋がるので良いものを着た方がいい。
あとお金は常に余裕あるようにしたい。デートでも金払いは良くして、かつ男性側が出しっぱなしにはしない。たまには女性から出してもらえたら遠慮なくごちそうになる。これは気遣いが出来る女性かどうかを推し量る為にするもの。」

「低収入はともかく、未婚男性が短命なのは自身の健康管理ができてないから。既婚男性の寿命が長いのは妻が面倒を見てくれてるから。もちろん収入がないから余裕がないというのもあるだろうが、生活保護者の放漫生活も問題になっていたりする。いかに男性の生活を立て直すかが課題。」

「「清潔感」についていろいろ項目が書かれているが肝心なことが抜けている。私はこれが最大の要因だと思っている。それは「顔立ち」です。イケメンという意味ではない。
それと体形もあると思う。この両者がよくないといくら努力しても清潔感は醸し出されない。」

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