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iPhoneをやっつけられない…バルミューダスマホに落胆したワケとは

iPhoneをやっつけられない…バルミューダスマホに落胆したワケとは

なぜ私たちはバルミューダスマホに落胆したのか…。

これじゃない感がハンパないのです。

バルミューダがついに「BALMUDA Phone」を発表しました。

しかし、ネット上には「これじゃない感」が漂っているのです。

かつて日本通信が「VAIO Phone」を出した時を思い出すほど…。

背中を押してくれる材料にとぼしい

バルミューダがトースターや扇風機などで人気を博したのは、あまり競争のない商品ジャンルで、シンプルでありながら、ユーザーに「心地よい体験」を与えたのが大きいといっていいでしょう。

トースターの「最高に美味しく焼ける」、扇風機の「心地よい風」の価値はユーザーが実感、評価するものであり、これらは「スペック」では語れないのです。

ユーザーが「これがいい」と感じれば、高価な値段にも納得して購入してくれます。

しかし、スマートフォンの世界は、まだまだスペック競争と価格競争のまっただ中にいます。

現在、Snapdragon 888であれば、10万円を超える値段であり、これがSnapdragon765となれば「5万円もしない」というのが相場なのです。

BALMUDA PhoneはSnapdragon765でありながら10万円を超える製品であり、高価に感じるの致し方ないところです。

ただ、最近ではSnapdragon 888でも、Galaxy Z Fold3 5GやGalaxy Z Flip3 5G、Leitz Phone 1、Xperia PRO?Iといった20万円クラスの製品が相次いでいるのです。

これらの製品は「折りたたみ」や「1インチセンサー」といった他にはない最先端の技術やスペックが盛り込まれています。

ユーザーとしてはそれなりの納得感を持って購入しているはず。

BALMUDA Phoneは、4.9インチの画面サイズ、直線が一切ない丸みを帯びたデザインなどの個性はあるのですが「10万円を出して購入してもいい」と思える、背中を押してくれる納得感がないような気がしてならないのです。

トースターも扇風機も、人生において、1回もしくは数回しか買わない製品ではないでしょうか。

一方のスマートフォンは、多い人なら年に1回（1年で何度も購入する人もいますが）、一般的には2～3年に1回、購入する製品です。

しかも、最近は総務省による割引規制が導入され、スマートフォンの価格とスペックのバランスに対してユーザーはシビアな目で見て、比較検討するようになりました。

スマートフォンに10万円を出すからには、何かしら自分を納得させられる要素が欲しくなるのです。

オリジナルアプリで差別化

BALMUDA Phoneでは、オリジナルアプリを差別化要素に置いています。

バルミューダとしてはここに価値を見いだしているのでしょう。

確かにスケジュールアプリは曜日の概念を取り払っていて使いやすそうですし、計算機アプリも億や万の単位で表記できるのは日本人が不便に感じていた点が解消されています。

ホーム画面も、斜めにスワイプすれば、特定のアプリを起動させられるなどの工夫が凝らされているのです。

過去を振り返ってみると、オリジナルアプリを強化したり、ホーム画面のユーザーインターフェースで差別化してきてメーカーはいくつもありました。

サムスンや中国メーカーなどは、こうしたソフトウェア面で個性を出しているのですが、日本メーカーなどはなかなか継続できずに、グーグルのオリジナルアプリに戻していたのです。

メーカー関係者に話を聞くと、Android OSがアップデートされると、その度に修正を余儀なくされるなど、結構なコストがかかるそう。

ホーム画面のユーザーインターフェースをオリジナル化しても、Android OS自体がガラリと変わると、とんでもない修正を余儀なくされるのです。

グーグルに振り回されるより、素直にグーグルアプリを載せておいた方がコストもかからないですし、ユーザーとしても他のスマートフォンから乗り換えても、すぐに使えるという安心感があるのです。

あのサムスン電子でさえ、先日、新しいランチャーを発表したばかり。

Android 12では「Material You」というデザインテイストに生まれ変わったことから、Galaxyでも同様のコンセプトに近いユーザーインターフェースに切り替えたと見られます。

BALMUDA Phoneでも、Android 12へのアップデートを明言しましたが、これまでのデザインを維持しつつ、Material Youと融合できるかが課題といえそうです。

バルミューダの挑戦は始まったばかり

バルミューダの寺尾玄社長は「今、世の中にあるスマートフォンは、画一的になってしまっている。人類が総出で使っている道具なのに、種類が用意されていない。何かを買おうとするときにいくつかの選択肢から選べるが、スマートフォンの世界にはそれがない」として、BALMUDA Phoneを作ったそう。

確かに、日本で半分の人が使っているiPhoneだけを見れば、画一的になった感があります。

しかし、Andoridに目を向ければ、それこそ1万円台から20万を超えるもの、小さな画面から大きな画面、折りたたみなど選択肢は豊富に存在するのです。

バルミューダは市場調査をせず、自分たちが作りたいものを作るという信念で、家電市場で存在感を発揮してきました。

確かに、いまのスマートフォンは「市場調査の塊（かたまり）」であり、ぱっと見はどれも一緒で面白くないものがほとんであることは間違いありません。

おそらく、アップルも、スティーブ・ジョブズ氏がCEOだったときは、市場調査などをせず、スティーブ・ジョブズ氏が作りたいものだけを作ってきたことでしょう。

しかし、いまのCEOであるティム・クック氏は、スティーブ・ジョブズ氏のようにものづくりの天才ではないと、CEO就任当初から自覚しており、アップル製品を「いかに多くの人に売れるものにするか」「いかに失敗しないか」という視点で、企業を成長させてきたのです。

ティム・クック氏がCEOになってから、アップルは面白みに欠けるのは事実ではあるのですが、確実に進化し、誰もが納得できる満足度の高い製品になっています。

2007年に発売されたiPhoneは世代を重ねるごとに、ユーザーの声を反映したことで、尖った要素はなくなり丸くなりつつありますが、確実に売れる製品になっているのは間違いありません。

iPhoneも2008年にソフトバンクが扱った当初は、ほとんど売れなかったと孫会長も語っていました。

しかし、絵文字やFeliCa、防水など、日本のユーザーが求める機能を盛り込んだことで、iPhoneは日本でも売れるようになったのです。

バルミューダは今後も、市場調査やメディアの反応などに一切、耳を貸さず、寺尾社長が世に出したいスマートフォンを作り続けていくのでしょうか。

それとも寺尾社長が作りたいスマートフォンと、ユーザーの声を受け入れたものとのバランスを取っていくのでしょうか。

BALMUDA Phoneの挑戦は始まったばかりです。

ネットの

声

「意識高い系の金持ちが買うんですかね。そんな人はiPhoneを使ってると思いますが。この性能でこの価格設定は明らかに間違ってる。日本のユーザーのほとんどは、iPhoneでもAndroidでもスマホにケースを付けて使いますから、本体の持ちやすさとか優先順位が低いですよ。電車の中で邪魔にならない着信音って、常識ある人はマナーモードにしてますし。プリインストールのアプリ性能なんか気にするわけないし。テレビも賛成意見だけじゃなく、ダメ出しの意見も流せよ。褒めるにも無理がありすぎるやろ。」

「コンパクトさと、5G対応、社長作曲の着信音が売りのようですね。Wi-Fi6未対応、デュアルSIM未対応、eSIM未対応。出来ればもっと防水に力を入れて欲しかったかな。水洗い不可なIPX4はちょっと残念な感じ。計算機アプリも自慢らしいが、mod計算ぐらいあるだろうと思ったが、見た感じ非対応。3桁カンマを4桁カンマに替えて「億」って単位が出せるとかにこだわってるのに、実用的な箇所がこだわれてないかな。不思議すぎる。」

「結果は明白だけど、誰が責任取るんだろうね。コロンブスがアメリカ目指したときは発見したからよかったけど、何も成果がなけりゃ誰かが責任取らないといけないでしょ。開発陣は頑張った。営業も頑張った。じゃあ誰が？」

バルミューダ社長がジョブズの真似をしてみたかった…というのが一番正しいところなのかも。



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