自動車を国産技術のみで生産できる国は意外と少ない

世界中で、自国の技術だけで「自動車」(ガソリンエンジン搭載の純粋な車。現状ではEV車は“自動車”とはカウント出来ない)を生産出来るのは、米国、ドイツ、日本だけだと言われています。

イギリス、イタリヤ、フランスも、一部部品に外国に頼る部分があるので「純国産」に届かないのですが、「準国産」としての「まともな自動車の生産が可能な国」です。

また、外国資本の傘下に入ったボルボやジャガーといったメーカー製の自動車は、過去蓄積した技術もあり、ぽっと出でまともな技術を持たない会社と比較すれば、れっきとした「自動車メーカー」であることは明白です。

技術が未熟な国の車

在日民数が非常に多い某国の製品も、本来愛国心があれば、たとえ性能的に劣っていても購入して貰える筈なのに、このメーカーは日本に進出したのですが彼等の同胞にも全く売れずに、撤退していきました。

「自動車」なんて簡単に作れるものでは無い。

昔、このH社と提携していた三菱がこの国から撤退する際に、本来なら日本に持ち帰るか廃棄処分するべき治具型具の類を、変な好意を示して残したせいで、「彼等が日本の技術に追いつくペースが10年以上縮まった」と、国内の他社の社長が激怒したとの話もあります。

あんな旧態然たるエンジンでも、彼等のレベルには垂涎の技術だったのです。

「自動車」技術は、簡単に会得出来るものではないということですね。

バイク百花繚乱の時代

バイク好きの、古い世代の人達なら、1960年代の2輪メーカー乱立の記憶があるでしょう。

現在2輪メーカーは、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキしか生き残っていないのですが、当時は三菱も「シルバーピジョン」、スバルも「ラビット」を作っていました。

また、ダンプやパッカー等の特装車や飛行艇の新明和工業も「ポインター」を作っていたのです。

タイヤのブリヂストンも「チャンピオン」を作っていました。

もちろん、町工場規模のメーカーも参入。

当時、日本には283社ものメーカーが存在したそうです。

技術があっても

三菱重工、中島飛行機、川西航空機、川崎航空機といった、戦時中の航空機産業を支えた優秀な技術を持ちながら、敗戦で「翼をもがれた」企業も多く2輪生産を手掛けていました。

しかし、この中で現在も継続して2輪を生産しているのは、カワサキしか残っていないのが事実です。

自動車やバイクは、生産技術と同時に、サービスネットワークを構築する必要があるからです。

家電製品とは異なることの認識を

例えば、B社のトースターは、2003年に東京で設立されたクリエイティブとテクノロジーの会社の製品ですが、すでに多くの家庭で見られます。

この様な家電製品等、特定分野の「1点突破」をすれば、市場で一定の評価を獲得して、成功を収めることができる製品と、自動車は大いに異なるのです。

開発現場のテストコースに設ける「悪路」ひとつを取っても、各社は相当な投資をして取り組んでいます。

そして、蓄積した技術やノウハウは、想像を超える質と量があります。

鴻海の創業者・郭台銘(テリー・ゴウ)氏が、社内会議で「わが社が電気自動車(EV)を作れないことがあるだろうか。EVはiPhoneに4つの車輪を付けたようなものじゃないか」と言い放ちました(2021年8月29日付日経)。

この、新参を目論む企業の著名な代表者の様な考えでは、まともな「自動車」を造ることは不可能でしょう。

アップルやソニーといった、その分野では最高レベルの技術を持った企業が、EV車に参入する意向を示していますが、人の命を預かる「自動車造り」はそんなに甘くはないので、覚悟して取り組むべきでしょう。

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