一時停止違反…止まったつもりでキップ切られた!?

“止まったつもり”になってない?「一時停止違反を取られない」マル秘テク、元教習員が教えます

違反したドライバーのほとんどが「止まったつもり」

街で最もよく見かける「一時停止」の標識。「一体何秒止まればいいの?」と疑問を感じたことはありませんか。

SNS上では、「止まったつもりなのに一時停止義務違反で捕まってしまった」といった声が多くあります。

一時停止が義務付けられている交差点で、違反したり事故を起こしたりしたドライバーのほとんどは「止まったつもりでした」と回答すると言われています。

教習所の元検定員によると、「速度が出ている状態から交差点に差しかかった際、強めのブレーキをかけていっきに減速すると速度変化が大きくなるため、タイヤが回転しているにも関わらず、確実に止まったかのような錯覚に陥ることがある」と言います。

つまり、ブレーキを踏んで止まったつもりでも、実際には動いていたということはよくあることなのです。

さらに、速度が出ている状態だと、停止線の手前で止まることが難しくなることもあります。

仮に、確実に停止したとしても、停止線を大きくはみ出して止まれば違反とみなされてしまうわけです。

バンパーが停止線からはみ出さないように止まるべし

一時停止違反(指定場所一時不停止等)で捕まった場合、反則金7,000円の支払いと、違反点数2点(いずれも普通車)が加算されます。

しかし、道路交通法第43条には、「交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合は、交差点の直前)で、一時停止しなければならない。」という旨のみが記載されています。

つまり法律上は、何秒止まってくださいという具体的な指示はないのです。

警視庁 交通相談センターの担当者に一時停止の標識がある場所ではどのくらい止まればいいのか、また何秒止まればいいのか、聞いてみました。

「道路交通法では、何秒止まってくださいという具体的な指示はありません。

しかし、厳格に言えば、車の先端部分(フロントバンパー)が停止線からはみ出さないようにしつつ、タイヤの回転を確実に停止させることがドライバーには求められています。

とはいえ、フロントバンパーがどのくらい停止線からはみ出したのか計測しているわけではありませんし、タイヤの回転具合を正確に計測しているわけでもありません。

そのため、停止線から大きくはみ出したことが誰が見ても明らかな場合や、一時停止標識の停止線付近でまったく減速せずに通行した場合は、違反とみなされます。」

一時停止は「3秒ルール」で確実に止まろう!

では、一時停止の標識を見かけたらどのように対処すればいいのでしょうか。

かつて教習所では、「3秒ルール」を設けて指導していました。

3秒ルールとは、一時停止標識のある交差点などでは停止線の手前で、止まってから3秒数えるというルールです。

多くの教習生に試してもらったところ、3秒を数えればほぼ確実にタイヤの回転は止まることがわかりました。

もちろん正確な「3秒」でなくても問題ありません。

多少早く数えて2秒だったとしても、停止後に数字を数えればほぼすべてのドライバーは、タイヤの回転が止められるのです。

この3秒というのは、左右の確認を行うための時間でもあります。

つまり、左右の安全確認を確実に行えば、最低でも3秒はかかる時間なのです。

絶対に3秒数えなくてはいけないという法的なルールはありませんが、このことを意識しておけば、一時停止義務違反で捕まることはなくなるでしょう。

サイドミラーも活用すればさらに安心

停止線をはみ出して停止しないようにするためにはどうすればいいのか、前述の元検定員は次のように話します。

「一般的な乗用車(右ハンドル)であれば、運転席側のサイドミラーのすぐ下に停止線がわずかに見えるような位置で停止すれば、フロントバンパーが停止線を超えることがほぼありません。
もちろん車種によっても違いますし、トラックやバス、ミニバンなど、ボンネットの形状によって異なります。
しかし、目安としてサイドミラーからの停止線の見える位置を覚えておけば、停止線をはみ出してしまうことはかなり少なくなると思います。」

一時停止の標識は道路のいたるところに設置されています。

「何秒止まってください」といった具体的な決まりはないものの、タイヤが完全に停止することが必要です。

一時停止標識や停止線は運転席からよく見えるように設置されています。

見過ごさないように注意しつつ、確実な一時停止で安全に通行することを心がけてください。



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