長距離高速バスはいつ給油してる? バスの燃費と燃料タンクの話
バスを走らせるには燃料が必要です。
燃料電池車ならば水素ですが、電気車でも充電は必要ですし、内燃機関で走るディーゼルバスには軽油が必要です。
日本の多くのバスでディーゼルエンジンが主流ですが、長距離バスではどれくらいの燃料を消費するのでしょうか。
目次
エンジンはディーゼル!
バスのエンジンはディーゼルです。
ガソリンエンジンと違いスパークプラグはありません。
空気の圧縮だけで高温を作り出し、そこに燃料を噴射することにより爆発させるのです。
ディーゼルエンジンの強烈なトルクが重いバスの車体を動かします。
燃費はエンジンにより、または用途により著しく異なりますが、ざっくり2-4km/lといったところです。
街中を走る路線バスタイプのバスでも、高速道路を100km/hで巡行しようと思えばできます。
しかし元の用途が街中の路線用なので高速ギアを装備しておらず、低速ギアで高速道路を走れば当然ながら燃費は悪くなるのです。
逆に高速道路を巡行する用途の高速車が、街中で一般路線車のような走行をしていてはやはり燃費は悪くなります。
要するにバスは用途により最適なセッティングにされているということです。
今日の日付ネタ。両備バスの9812(岡山200あ214)です。ローザの高速バスは強烈に印象に残っています。2009年8月撮影。 pic.twitter.com/EV3yrcoguV
— ちちあなえき (@chichianaeki) February 14, 2022
燃料タンクは?
ディーゼルエンジンの燃料は軽油です。
バスの燃料タンクも用途に応じて積まれているので一概には言えませんが200~400リットルといったところでしょう。
これに燃費を掛け合わせると航続距離は高速車で1000km弱といったところです。
路線車は何度も営業所に入庫するので、その都度給油しようと思えばできます。
しかし長距離の高速車ではどうしているのでしょうか。
短距離の都市間高速バスでは50~100km程度、中距離でも200~300km程度なので出発時に満タンにしておけば、到着先の営業所で給油することができ、何の問題もありません。
長距離でも500kmで燃料が底をつくことはないので、これも大丈夫。
しかし1000kmとなるとバスを選んでしまいます。
燃料タンクが複数または大型のものを積める車種でないと巡行距離が足らないことは起こりうるのです。
あまり話題にならない西讃観光のハイエースな高速バス、
更にスマートICから高速に乗るというおまけつき pic.twitter.com/Yslfk2wzFz— FUSOきゃろる (@fus0car0l) February 14, 2022
はかた号は営業中に給油していた!
東京・新宿と北九州・福岡を結ぶ西日本鉄道の「はかた号」は、以前は営業運転中に途中のサービスエリアで給油していました。
現在では大型の燃料タンクを積むことができるバスで、燃費も改善したことで無給油で走ることができますが、1000kmとなると途中給油は不可欠だったのです。
乗客が寝ている時間帯に途中のサービスエリアで運転士の交代と休息、車両点検を行った後にガソリンスタンドに入り給油していました。
ガソリン代が高騰している今こそ、
高速バスがおトク! pic.twitter.com/kCpIgv07RX— ヤマコ (@MD11Jbird) February 12, 2022
燃料と高速だけで推定7万円?
軽油はガソリンよりも安いですが使用量がハンパでないので、たとえば「はかた号」のような高速車で燃費が3.5km/lだとすると、約285リットルの燃料を消費することになります。
軽油の値段を135円/lだと仮定すると3万8500円くらいが燃料費です。
高速料金が初台南(首都高速)から北九州市の冨野(北九州高速)まで走って、大型車ETC割引で2万5910円。
さらにあと2回の北九州高速と、九州自動車道に福岡高速の通行料金がかかります。
これだけの経費ですでに7万円程度になるのです。
運転士2名の人件費や車両の償却、さまざま諸経費を加えると、個室を合わせた座席数22で3列シートの最安運賃9000円、個室の最高運賃23000円は決して高いとはいえません。
燃費が運行効率にストレートに影響するのがイメージできるのではないでしょうか。
今やLCCが並行して飛ぶ区間では、最も早くて安い移動手段が航空機になっているので、そういう区間では選択はしにくいかもしれませんが、目的地や運行ダイヤによっては高速バスが便利なこともあるので検討してみてはいかがでしょうか。
昔の国鉄バス、今はジェイアールバス、茨城県内の一般路線は土浦周辺と古河周辺だけで、他に高速バスがある。以前は水戸市内にも路線があった。昭和33年頃は盛業で営業所はあちこちにあった。この3枚の写真はその頃のもの。高萩、羽鳥にも営業所の支所があった。ボンネットバスばかりで懐かしい。 pic.twitter.com/B5OdIYnNbS
— とらや書店 (@toraya310) February 6, 2022
ネットの声
「自動運転技術が進化すれば恐らく高速バスに限らずトラックドライバーも職は無くなるだろう。複雑に交通状況が変わる一般道だけが人間が運転するシステムならばドライバーの人件費は要らない。休憩や運転手交代がなければ更に効率は上がる。特にトラックなら無駄にPAでアイドリングしながら睡眠も要らないから燃費は上がり、環境にも優しい。」
「路線バスは生活路線のため国土交通省の認定がなければ運賃を上げることはできない。そのため軽油が高騰した場合は運行本数を減らして調節したりしている。大都市圏はバスの利用者が多いから利益が出やすいけど、地方の路線バスは国からの補助金がないと赤字になり廃線になりそう。」
「燃料の高騰と有料道路の高額な利用料金は人の流れもモノの流れも阻害します。そのようなことが地方発展の足枷になっているのは確かです。地方でいくら良いものを作っても、大量消費地に遠い地域は運賃の壁が立ちはだかっています。これからの日本の発展のためには絶対に改善しなければならない事案のひとつです。」