警視庁科学捜査官 難事件に科学で挑んだ男の極秘ファイル 服藤恵三 (著) 文藝春秋 (2021/3/25)

解明せよ! その毒物は何なのか? 黒煙はどう流れ被害者たちを襲ったのか?

閉じ込められた幼児はいつ窒息したのか?

科学捜査官第一号となり、日本の科学捜査の基礎を築いた著者が初めて明かした戦いの軌跡。

警視庁科学捜査官第1号となった著者は、全国の数々の難事件を背後から支えてきた。

地下鉄サリン事件では最初にサリンを同定、サリンを生成したオウムの土谷正実と科学者として対峙し自供を引き出した。

和歌山カレー事件では思わぬ場所からヒ素を発見、ルーシー・ブラックマン事件では暴行ビデオの解析から使用薬物を特定した。

44人の死者を出した歌舞伎町ビル火災では、煙の流れを検証し、防火扉が閉まっていれば全ての命が助かったと結論、管理者の業務上過失致死傷罪立証に寄与した。

知られざる科学捜査の真実が明かされる、まさに一気読み必至のドキュメントだ。

本書に登場する主な事件

  • 地下鉄サリン事件 東電OL殺人事件
  • イラン人トランク詰め殺人事件
  • 警視庁清和寮爆破事件
  • 和歌山カレー事件
  • 長崎・佐賀連続保険金殺人事件
  • 国立療養所アジ化ナトリウム混入事件
  • 奈良硫酸サルブタモール殺人未遂事件
  • ルーシー・ブラックマン事件
  • 北陵クリニック薬物使用連続殺人・殺人未遂事件
  • 世田谷一家4人殺害事件 新宿歌舞伎町ビル火災
  • 川崎協同病院安楽死事件
  • 東京駅コンビニ店長刺殺事件
  • 福山市保険金目的放火・殺人事件
  • パロマガス湯沸器事故
  • 大阪幼児死体遺棄・殺人事件
  • 名張毒ぶどう酒再審請求

目次

  • 第1章 オウムの科学を解明せよ ~地下鉄サリン事件
  • 第2章 憧れの科学捜査研究所へ
  • 第3章 真の科学捜査とは何か ~和歌山カレー事件
  • 第4章 続発する薬物犯罪 ~ルーシー・ブラックマン事件
  • 第5章 現場の捜査に科学を生かす ~歌舞伎町ビル火災
  • 第6章 犯罪捜査支援室の初代室長となる ~東京駅コンビニ店長刺殺事件
  • 第7章 警察庁出向から副署長へ ~大阪幼児死体遺棄・殺人事件
  • 第8章 生きがいを求めて ~名張毒ぶどう酒事件再審請求
  • あとがき

「オウムの科学捜査は圧巻です。この部分だけでも読む価値がある。警察組織の人間関係の後半は ちょっと切ない」

「NHKで服藤さんのインタビューを見て購入。最初はオウムの容疑者と科学者として対話し、自供に導いた話に驚いていたが、それ以外にも数々の事件に関わり、捜査の科学的な手法の開発、データ化などに多大な功績があったことを知る。その一方で、警察や警視庁の組織、人事の複雑さやその中でのポジションに悩む著者の姿も垣間見られ、読み終わったあと、複雑な想いにもかられた。いい本だった。」


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