女たちのシベリア抑留 小柳ちひろ (著) 文藝春秋 (2022/9/1) 880円

女性が戦争に巻き込まれるということは、こういうことだ。

長い沈黙を破り、女たちは語り始めた──。

NHK BSスペシャルの話題作がついに文庫化。

数々の新聞や雑誌の書評で取り上げられた、「戦争と女性」に迫る傑作ノンフィクション。

終戦直後、満洲や樺太などにいた60万人近くの日本人がソ連によって連行された「シベリア抑留」。

その中に女性捕虜が存在したことは、長く歴史の陰に埋もれていた。

関東軍の陸軍病院で勤務していた従軍看護婦や軍属として働いていたタイピスト、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者たちが、極北の地シベリアに送られていたのである。

その中には「女囚」として10年を超える抑留生活を送った女性や、日本に帰る場所もなく異国の地で人生を全うした者もいれば、

収容所で出産した女性、ソ連兵にさらわれた少女もいた。

また、帰国を果たした女性たちにとっても、故国の人々のまなざしは決して温かいものではなかった。

戦後70年以上、長く沈黙を守ってきた女性たちをインタビューすることに成功し、

2014年にNHK・BS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「女たちのシベリア抑留」は、

文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞奨励賞、ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、NHK放送総局長特賞など、その年のドキュメンタリー部門の賞を総なめにした。

その番組を担当した女性ディレクターが綴る本格ノンフィクション。

強者による「正史」に抗い、シベリア抑留の真の姿を伝える女性たちの勇気ある証言に今こそ耳を傾けたい。

「読んでみて、当然こんなこともあったのだろうと知らされました。戦争を知らない私たちの年代も一読を勧めたい。」

「シベリア抑留者に女性がいたことを知らなかった。余りに過酷な体験を帰国後語れなかった彼女達の心情に戦争という魔物の大きさを改めて感じ大きなショックを覚える。そこを取材して執筆した著者に脱帽。戦争は今すぐやめるべきだ。なんとしても。」

「丁寧な取材に基づいて詳細に書かれていました。シベリア抑留者にこんなにたくさんの女性がいたことに驚かされました。皆さん高齢となられるなかで、貴重な資料になるものと思います。」


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