ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒 (著) 集英社 (2022/5/2) 1,760円

武器はチェロ。

潜入先は音楽教室。

傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。

『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。

ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。

目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。

橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。

師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

深く潜れば潜るほど、主人公と自分を重ね、浅葉先生に救われ、突き刺される。
暗い深海で一筋の光にすがるように、どうか壊れてしまわないでと願いながら、一気に読み終えました。
限られた文字数では、語りきることなどできません。
この物語はこう紡がれ、奏でられるしかなかったのだと、心から感じました。
まだずっと、余韻が残響のように、自分の中で鳴り続けています。
――斉藤壮馬さん(声優)

その人は尊敬すべき師であると同時に、得がたい友人になった。
内向的な青年の冷めた視線に映し出された世界が、次第にみずみずしく光に満ちた世界に変わっていく。
たとえその前提が裏切り行為であったにしても。
――篠田節子さん(作家)

優れた演奏を聴き終えたかのような感動が胸に満ちてくる。
嘘を重ねる主人公にこうまで味方したくなるのは、
書き手の筆に嘘がないからだろう。
〈音楽の力〉によって結びつき回復してゆく人々を、
〈言葉の力〉で描ききった希有な小説。
――村山由佳さん(作家)

【著者略歴】
安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。

「緻密に設計された、目の詰まった小説である。もう3回は読んだだろうか、エピローグから前に戻っていったり。半年ぶりに読み返しても味わいは益々深まり、飽きることがない。そして読み終わった後の印象がとても良く、幸せを感じる。大事に読みたい一冊である。」

「全符連と音楽教室との著作権の係わりが分かり、また音楽教師と生徒の信頼関係の大切さを学んだ。私も弦楽器の音楽教室に通っている。」

「読みやすく、読後感も良い。特に、今、大人で音楽を習っている方は、講師との関係や練習する気持ちが、とても上手く表現されていて、納得できるのでは。また、主人公の仕事の進展でドキドキさせられる。この辺りも上手く描かれていると思う。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事