弔辞 ビートたけし 講談社 (2020/12/9)

芸論から人生論・世界観まで

73歳になった俺が今、考えていること――

「いろんなものが消えていく。だけど、忘れちゃいけないものもある。面白かったテレビ。貧しかったけど希望のあった暮らし。大家族の絆。資本主義に蝕まれる前の、働くという喜び――だから、俺は、この時代に向けて、「弔辞」を読もうと思った。たとえ、消える運命にあるものでも、それについて、俺自身が生きているうちに別れのメッセージを伝えておこうと考えた」

最初に断っておくが、しんみりした話はほとんどない。

ただ、今俺が思っていること、感じていることを、これからも巡りゆく時代に「弔辞」というタイトルで送るだけだ。

それともう一つ。

俺が死ねば、俺の芸も忘れさられるだろう。

だから俺なりに真剣に考えた「芸論」も 遺言 代わりに載せておくことにした。

それじゃあ始めようか。

「週刊ポストのコラムをまとめた小学館のシリーズに比べると、たけし氏の本音らしい部分が多く感じられる。
ドリフターズの「全員集合」に対抗したころのエピソードを書いた項では亡くなった志村けんについてのヒヤリとするような洞察があり、「テレビ番組の末路」ではコンプライアンスと予算が原因でテレビがつまらなくなったと断じた上で、テレビの有料化を主張する。
ほかにも家族の思い出、飼っている犬について、昔と今の貧富の違い、エンターテイメントについての考察、AIについての論考など広い分野にわたって書いており、「弔辞」というタイトルの通り、現時点でのたけし氏の総決算という感があるシリアスな本で、その分、笑いは少なめ。さまざまな顔を持つ著者のファンであれば、外せない本であることは間違いなし。」

「いつものたけし節だが、集大成の感のある1冊。生い立ちから芸論、社会風刺とすべてを語っている感じ。もちろん、伏せられた部分も多い。女性論や家庭論。事務所のことを語ってほしいが本人の弔辞とすればこれで満点なのではという語り。時代を振り返りつつ面白く読めました。」

「たけしさんの研ぎ澄まされた頭脳と観察眼が集約された一冊。生い立ちから芸能、社会風刺、政治論等々幅広い話題を独特の切り口で舌鋒鋭く持論を展開してるが、何とも愉快痛快な、それでいて物事の本質をしっかり捉えているあたりが、並みの芸能人とは違うところだ。「弔辞」という書名も粋でいい。たけしさんの円熟した人生論・人間論は面白くてためになるものがある。」


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