「とらわれ」「適応障害」から自由になる本 不透明な時代の心の守り方 勝久寿(著) さくら舎 (2021/7/7) 

精神科医として日々、診療を続けている中で、「近年、もっとも身近でもっとも手ごわい心理現象と感じているものは、とらわれだ」と著者はいいます。

「またミスをしたらどうしよう」「いつも頭から離れないことがある」など、いつ何が起きるかわからない不安、不透明さが持続的な緊張感をもたらし、意識を心の内側に向かわせます。

そして、仕事や家庭のよくあるストレスにとらわれるようになり、適応障害を発症。

適応障害は、活動を休止した深田恭子さんや皇太子妃時代の雅子さまの例などで知られる症状です。

著者は企業などでメンタルヘルスの相談を続けてきて、「上司に叱責されて出社がつらい」など誰もが発症する可能性がある身近な疾患(適応障害)として対処する必要があると本書を執筆。

本書は「とらわれ」という心のメカニズムを知り、とらわれから抜け出るための信頼できる手引書です。

【本書の内容】
第1章「とらわれ」の心のメカニズム
第2章 ストレスと心の関係
第3章 誤解され続けてきた「適応障害」
第4章「とらわれ」からはじまる適応障害
第5章 適応障害を防ぐ・治す

著者について
勝 久寿(かつ・ひさとし)
人形町メンタルクリニック院長。医学博士。精神科医。1967年生まれ。1992年、旭川医科大学を卒業後、北海道大学医学部附属病院麻酔蘇生科で研修。1995年に東京慈恵会医科大学精神医学講座に入局して高度先進精神医療に従事。2004年に人形町メンタルクリニックを開設。精神保健指定医、精神科専門医、臨床精神神経薬理学専門医、日本医師会認定産業医、日本精神科産業医協会認定会員。行政機関や企業のストレス対策についての研修やメンタルヘルス相談に尽力している。
著書には『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』(永岡書店)がある。

「よく聞く病名ですがどんな症状? この本に出合ってその重要性が良く理解できました。不安症ともうつ病とも違い、ストレスに伴い心がとらわれて、不安や抑うつがどんどん増幅して疲弊し、社会生活に支障がでてくる身近な病気で、ストレス関連疾患の一つであること。巷で言われる「五月病」とか「新型うつ」と診断されるよりは病気として理解されやすく、その対策も立てやすいと思われる。実際に産業医として活躍されている精神科医が適応障害と向き合う中で培われた治療、対策のノウハウを懇切丁寧に分かりやすい実例をとおして解説されていて納得されられた。中でもうつ病との違いを明確にされ、責任や義務の回避など不快な感情を避ける行為により、不快感をより強めて悪循環(とらわれ)が強化さるので、休職には細心の注意が必要であること。先ずはストレスへの対処法を体得する重要性が強調され、森田療法を基本的に、他の有効な心理療法の数々の実際を分かりやすく提示され、直ぐにでも実践できるよう工夫されている。ストレスに耐える力、跳ね返す力(レジリエンス)をバネにたとえて視覚化されているのでイメージしやすく、自分の状態を客観視できると思われる。この本を通して、不安はあってもなんとかなる、いかに生きるかという自己実現に向けて歩み出せると感じた。不登校に悩む高学年の生徒達にも役立つと思われるので、是非読んでいただきたい本である。」

「「とらわれ」というワードが今の私に刺さってきたので、本の内容紹介を読んで興味を持ち読んでみました。私は適応障害まではまだ大丈夫、でも誰でもなる可能性はある病気で、そこに「はまっていく」過程が解って読んで良かったです。もし適応障害になっても自分でなおす方法、予防法も具体的に書いてあるのでやってみようと思います。」


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