日本の一人勝ち時代の到来…絵空事のように聞こえるけど

天才投資家が語る「日経平均5万円突破、日本一人勝ち時代が来る」

「2025年までに日経平均株価は5万円を突破します。日本は世界のヒーローになろうとしているのかもしれません」

3年で日経平均が倍になる!?

そう語るのは、トルコ出身の投資家、エミン・ユルマズ氏(42)。

エミン氏は2006年に東京大学大学院を修了後、野村證券に入社し機関投資家営業などを経験。

現在は『複眼経済塾』塾頭として高い評価を受ける気鋭のエコノミストです。

たった3年で日経平均が倍近くになるとは、どんなシナリオなのか。

エミン氏はまず、米中バブルの崩壊が起こると語ります。

「米中どちらもすでに景気減速しており、一方でモノ不足からインフレが起こっています。アメリカは、金融引き締めが直撃して経済がクラッシュする。今年秋にはNYダウが目に見えて下がるはずです」

米国はインフレを抑制するため、ドル高円安を是認せざるを得ない状況にあります。

これが現在の日本の悩みのタネなわけですが、中期的に見れば日本が好転する時期である、とエミン氏は主張します。

円安が日本を有利に

「円安で外国人が日本株を買いやすくなりました。ウクライナ侵攻でロシアの要人の資産凍結が相次ぎ、サウジアラビアのオイルマネーのような大きな財布が、日本に資産を逃がそうとする動きが本格的になってきています。日本人からすれば、日本円の価値が失われ続けているように思えますが、日本には2000兆円といわれる個人金融資産がある。この多くは貯金で、インフレ時の円預金では資産が目減りする一方です。日本人は『デフレ脳』で貯金ばかりしていましたが。これが、否が応でも『いま買おう、そうしないと損をする』という『インフレ脳』へ、発想の転換がもたらされるはずです」

投資は手堅く

円安で株価が上がる――。

そう聞けば、「株価5万円」に向けて投資を始めるしかないが、どんな銘柄を買えばいいのでしょうか。

「長期的な目線では、『MINK』といって、M(三菱重工業)、I(IHI)、N(日揮ホールディングス)、K(川崎重工業)への投資がおすすめです。防衛産業をはじめ、景気に左右されない事業を手がけているのでインフレにも強い。資金繰りに困っていなくて、配当をしっかり出している企業が狙い目です」

日本が一人勝ちするとしても、やはり投資は手堅くいくのが肝要のようです。

ネットの声

「各国がインフレにより金利を上げ経済引き締めしているので、そうでない日本に投資が集中する可能性は、投資家の観点から当然考えられる。ただ、日本にその投資に見合うイノベーションを起こせる企業があるかと言われると疑問。日本に投資が集中して経済成長できなければ結局、革新的、生産的な事やって経済をリードできる外資企業を有する海外に投資が向くのは時間の問題。結局短期的なリスクヘッジでしょ。」

「この方の岡三証券が提供するYouTubeチャンネルを見ています。元が理系の学部出身で投資の一般的分析には素晴らしいものがあります。

ただ、日本に対する愛が強すぎ、一部の分析には大変好意的に言っても首を傾げざるを得ません。実際、この方のチャンネルを昔から全部見れば分かりますが、一般論として市場や経済については的確に分析をしていても、最終的判断については誤っているものが散見されます。

もっとも、投資は何を見て何をどう考えるにしても、全ては自己責任なので、この私の見解と異なる視点があっても当然だと思います。」

「日本人の感覚としては、日本の将来はかなり暗い。日本の出生率の低さはかなりやばく、計算よりも早い速度で少子高齢化が進む。
英語の勉強をしている日本人はかなり少なく、産業面でガラパゴス化しており、世界的なサービスを提供できていない。
でも、全固体バッテリー技術やら、次世代の太陽パネルの技術、なんのかんのと半導体の基礎技術は日本が強い、などから、強い日本が帰ってくるのではないかという期待もある。
エミンさんは、生粋の親日家です。事あるたびに、日本の将来は明るいと鼓舞してくれています。
本当に強い日本が帰ってきて欲しいとは思いますが、色々乗り越えなければ行けないことも多い。」

エブリシング・バブルの崩壊 エミン・ユルマズ (著) 集英社 (2022/3/25) 1,760円

コロナ禍で空前の金融緩和が行われて3年。

インフレ懸念、利上げの必要性を叫ばれてきたが、いよいよ2022年は、FRB(米国の連邦準備理事会)の方針大転換で、3月から利上げが始まり、世界経済のフェーズが変わる。

米国のインフレ率は、2022年1月で前年比8.6%に達し、食料や生活用品が値上げされているばかりか、賃金も上昇している。

しかし日本では、思うように賃金が上がらず、物価の上昇だけが先行する不況下のインフレ、すなわちスタグフレーションが懸念されている。

また米国が撤兵したアフガニスタンの混乱や、ウクライナへのロシア侵攻の懸念など、地政学リスクが増大することによって、原油や天然ガス、小麦などのコモディティ価格が上昇し、ますます世界のインフレに拍車をかける状況となった。

一方、世界経済の牽引車だった中国は、恒大集団の実質的な破綻など不動産バブルの崩壊がささやかれ、景気の後退が懸念されている。

こうした様々な世界経済のほころびが明らかになった2022年、上昇しすぎた世界の株式市場や不動産市場はどうなるのか?

今後の世界経済はどのように展開していくのか?

すべてがバブルと思われるほど価格が上昇したいま(2022年春)、リーマンショック以上の世界経済の崩壊(!)が近づいていることを、著者は深く懸念している。

さらにサイバーセキュリティへの懸念や暗号通貨の広がりなど、グローバル化、デジタル化した世界経済ならではの、新しい問題についても警鐘を鳴らしている。

著者は、こんなときだからこそ、日本に世界の資金が集まるチャンスとも言う。

投資をする人も、そうでない人も、世界経済の大転換期に入った今、是非読んでおきたい一冊である。

( 目 次 )
第1章 エブリシング・バブルはFRB緩和バブル
第2章 キャリーバブルとキャリークラッシュ
第3章 難儀きわまるインフレがやってきた!
第4章 日本経済の今後を考える
第5章 中国で全開する習近平ワールド
第6章 ウクライナ、アフガニスタンなどの地政学リスクの変化
第7章 世界標準に比して無防備に近い日本のサイバーセキュリティ
第8章 暗号通貨の正体

[著者] Emin・Yurumazu (エミン・ユルマズ)
トルコ・イスタンブール出身。16歳で国際生物学オリンピックの世界チャンピオンに。1997年に日本に留学。
一年後に東京大学理科一類に合格、2004年に東京大学工学部を卒業。2006年に同大学新領域創成科学研究科修士課程を修了し、生命工学修士を取得。
2006年野村證券に入社。投資銀行部門、機関投資家営業部門に携わった後、2016年に複眼経済塾の取締役・塾頭に就任。

「最近読んだ経済書の中では論理が一貫しており、説得力がある。米国では至る所にバブルが発生しており、それは避けられない。
一方で日本及び日本株には高い評価をしている。これから日本株の比重を上げて行こうと思う。」

「岡三証券のユーチューブに出てる方なので、少し楽観的な見方にはなるとは思います。長嶋修さんに少し通ずる独特な観点から書かれており、引き込まれ、一気に読み終えました。半面、具体性と時期については欠けており、短期的なお金儲けの参考にはならないかも。」

「いま2022年夏ですが、この本のおかげで、この春から初夏までの相場がとてもわかりやすくなりました。これからの視点形成にも役立ちます。」

 

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