
あなたはどっち?信号待ちで「N」に入れる?「D」のまま?メーカーに聞いてみた
交差点で信号待ちをしているとき、ギアをDのままにしている人もいれば、Nにしている人もいるでしょう。
本来はどちらにした方がいいのでしょうか?
それぞれのメリット、デメリットと、教習所ではどのように教えているのかご紹介します。
目次
短時間の停車であれば「D」にして待つ
Dのままにしておくメリットとしては、青信号に変わった際に素早く発進できることでしょう。
デメリットとしては、停車中ずっとフットブレーキを踏んだままにしなければならないことが挙げられます。
一方、Nに変えるメリットは、フットブレーキから足が外せて楽に信号待ちができること。
また、エンジンの動力伝達部品にも負荷がかかりにくくなります。
デメリットは、坂道の場合、車が動いてしまうリスクがあるということです。
教習所では、信号待ちなど短時間の停車であれば、AT車の場合、Dに入れたままで待つように指導しています。
信号が青に変わった瞬間に素早くギアをDにしようとすると、Dの下にある「2」や「L」に、あるいは「R」に間違えて入れてしまう可能性があるからです。
実際に、そうしたミスを教習中では何度もあるので、チェンジレバーの操作に慣れるまでは、Dのままにしておくようにと指導するそうです。
MT車であっても、ギアをニュートラルにしてハンドブレーキを引いて信号待ちをする教習生も時々います。
しかし、青信号に変わってもなかなかハンドブレーキを解除できなかったり、もたついたりして余計に焦ってしまいます。
こうした発進時の焦りを少しでもなくすために、短時間の停車であればDのままにしておいたほうがよいでしょう。
むかし車の免許があるとき 停車中 ギアをDに入れたまま車を降りてしまったの その時わたくしが徐行する自分の車を追いかけた姿の動画 誰か持ってないかしら?
— あぱー (@naukey1030) September 18, 2021
スムーズな発進なら
教習所で受ける検定中にギアをNにすることは減点にはなりません。
しかし、発進がもたついたり極端に発進が遅れたりすると、「発進手間どり」として10点の減点になる可能性があります。
これを防ぐために、教習所ではスムーズな発進の妨げになるような動きはできるだけしないように指導しているのです。
教習生を対象に、Dに入れたままにするのと、Nにして待つのとどちらがいいか簡単なアンケートを取ったことがありました。
ほとんどの教習生はDに入れたままの方が、余計な操作をする必要がなく安心だと回答しています。
運転に慣れてくればそうした心配は少なくなってくると思いますが、運転に慣れていない人からすると、ギアをDに入れたままで待ちたいという気持ちが強いようです。
前の車、信号待ちのたびにギアをPに入れてるらしく、D⇔Pのたびにバックランプが一瞬点くのが気持ち悪い…信号待ちで前の車がいきなり下がってきてバック追突されたことあるもんで。
あと停車中にブレーキ離してブレーキランプ点いてないのってよろしくないよね。後続車突っ込んで来るかもやで…— 優希@トラッ ク運転手 (@yuuki__takagi) February 15, 2022
安全面から見ても「D」の方が良い
教習所では、停車中、Dのままにしておくように指導しているものの、車にはどのような影響を与えるのでしょうか?
この点について、国内自動車メーカー2社の担当者に話を聞きました。
A社
「基本的にどちらでも問題ないと思います。ただし、Dのまま長時間停止していると、トルクコンバーターと呼ばれる部品に負荷がかかっている状態になるので、NかPに入れて停車した方がいいでしょう。しかし、短時間であれば、車に与える影響はほとんどありません。教習所では、停車中Dに入れたままと指導しているとのことですが、それで問題ないと思います。」B社
「最近の車は、停車するとガソリン消費量を抑えるためにエンジンが自動で停止するアイドリングストップ機能があります。そのため、ギアをDに入れてもNに入れてもどちらもメリット、デメリットは少ないと思います。ただし、Nにしてしまうとアイドリングストップが機能しなかったり、すぐに発進できなかったりするデメリットはあるかもしれません。メーカーとしてどちらにした方がいいというはっきりとした回答は難しいですね。」
Dに入れたまま停車していると燃費が悪化するという意見もよく聞きます。
しかし、停車中であることを認識すると、クラッチを切って燃費が悪化するのを抑える機能を持った車もあります。
また、DからNに切り替えると、車に振動を与えるので良くないという意見も耳にしますが、その程度の振動で故障するほど車の作りは弱くありません。
むしろ、Nにしたまま停車していて、急に前の車が動き出して、慌ててDにして加速するほうが、危険性が高いと言えるでしょう。
プリウスが暴走する仕組み。
停車中に何かの拍子でギアがニュートラルになる→アクセル踏むが動かん(エンジンかかってない)→あ、ニュートラルか(エンジン音ないので踏みっぱで気付かない)→ギアDに入れる(同文)→急発進→パニックで踏みっぱ→暴走— こめこめ (@k_o_m_e__kome) November 18, 2021
“N”はどんなときに使うの?
教習生に「AT車の「N」はいつ使うのか?」と質問されることがあるようです。
ニュートラルの構造的な解説をしても理解されないことがほとんどなので、「Nはレッカー移動するときに使うもので、普段は基本的に使わない」と回答することが多いようです。
信号待ちは長くても数分です。
その間、フットブレーキをしっかりと踏んでさえおけば慌ててしまうこともなく、ギアを戻すという操作をせずにスムーズに走り出すことが可能です。
A社の回答のように、どちらでも問題ないのであれば、慣れている方を選ぶべきともいえるでしょう。
しかし、安全面から見ると、スムーズに走り出せるように停車中はDにしておいた方が無難といえます。
良く停車中に、
ブレーキを踏んでいる人が大半ですが、
疲れないのかと疑問に持ちます。スバル車のサイドブレーキ(電動Pブレーキ)は、ギアをNに入れ、サイドレバーを引くと、ほぼロック状態になります。
ギアをDに入れ発進すると、
レバーに触れずブレーキは解除され、
走行出来る優れものです。— 事実唯心 (@b747jet) February 25, 2021