放置厳禁!糖尿病の合併症に気をつけて

放置してはダメ! 実は怖い「糖尿病の合併症」

現代の日本では、糖尿病有病者と糖尿病予備軍はいずれも約1000万人と推計されており、今や5~6人に1人の割合で糖尿病あるいは糖尿病予備軍となっています。

糖尿病は少しずつ進行するため、仕事や家事、育児等の忙しさから治療を後回しにしている人も多く、気付けば血糖値のコントロール不良により、合併症の症状が出てしまったという方も少なくないのが現状です。

ここでは、糖尿病を放置するとなぜダメなのか、合併症について解説します。

糖尿病の合併症(し・め・じ)

糖尿病には特有かつとても怖い合併症「し・め・じ」(神経障害、網膜症、腎症の3大合併症の頭文字)について理解を深めましょう。

(1)し:神経障害
合併症の中で最も早く現れやすい症状で、手や足の末梢神経に傷がつき、手足の痺れや怪我などの痛みに気付かないなどの症状が見られます。

神経障害が表れると、足の爪のトラブル等に気付かないまま悪化させてしまう事も多く、治療が長引きます。

その他にも、立ちくらみや筋力の低下、胃腸の不調等も神経障害による症状としてあげられます。

(2)め:網膜症(目)
目の奥の眼底にある網膜の血管に傷がつき出血を繰り返します。

糖尿病網膜症は日本人の失明原因の第2位となっており、自覚症状がほとんどないまま進行し、気付けば視力低下がかなり進行していたという事も起こります。

(3)じ:腎症
腎臓の糸球体という部分の毛細血管が傷つき、腎臓の働きが悪くなります。

腎不全が進行すると、自身で血液を濾過する事ができなくなり、人工透析を受ける事になります。

人工透析は週に2~3回、1回あたり3~4時間程の時間をかけ、血液から余分な老廃物や水分を取り除くため、普段の生活がかなり制限されたり、自由に旅行に行ったりすることもできなくなります。

人工透析の原因の第1位が糖尿病性腎症です。

糖尿病合併症を防ぐには

糖尿病合併症は、血糖値のコントロール不良によって生じるため、糖尿病予備軍や糖尿病初期の段階から、しっかり治療を行っていく事が大切です。

糖尿病または糖尿病予備軍と診断された場合、適度な運動習慣や食生活の改善を行い、必要に応じて薬物療法も行い、血糖値をコントロールしていきましょう。

血糖値以外に眼底検査も

血糖値が安定していても、定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けたり、定期的に血圧測定や血液検査を行いましょう。

血糖値以外にもコレステロールなどの脂質の値や腎臓の数値を確認し、長期的にコントロールしていく事で合併症の発症や進行を抑えることができます。

健康診断は、現在では義務化され、勤め先やお住まいの市区町村で年に1回受けることができますが、フリーランス等働き方が多様化した現代では、「ここ数年健康診断を受けていない」という人も見られます。

いつの間にか糖尿病が進行し、体調不良になってから医療機関を受診されるケースも多く、まずはご自身の健康状態に問題はないのかを把握する為にも、年に1回の健康診断を習慣づけましょう。



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