ツタンカーメン王の墓の発見から100年…見つけたのは12歳の少年だった

ツタンカーメンの墓発見100年、貢献した当時12歳少年の子孫「誇らしい」

古代エジプトのファラオ(王)・ツタンカーメンの墓がエジプト南部ルクソールの「王家の谷」で見つかってから、11月4日で100年となりました。

地元のエジプト人少年が世紀の発見につながる端緒を開いたとされ、子孫らは4日に祝宴を開いて功績をたたえました。

地元住民らと祝宴

ツタンカーメンは、3300年以上前の古代エジプト第18王朝の王に9歳で即位し、19歳で亡くなった悲劇の少年王として知られます。

その墓が、英考古学者ハワード・カーター氏の発掘隊によって1922年11月4日に掘り出されました。

8年ほどに及ぶ調査の末、黄金のマスクを含む副葬品約5000点やミイラが無傷で見つかり、世界の注目を集めました。

発見に貢献したのが、当時12歳のフセイン・アブドルラスールさん。

偶然から世紀の発見

「当時の様子をうれしそうによく話してくれた」。

フセインさんの10人の子どものうち、唯一存命の五男・ヌビさん(57)は懐かしみます。

ヌビさんが聞いた話によると、フセインさんは発掘作業員のまとめ役だった祖父らといつも現場を訪れていたそう。

フセインさんが100年前の4日、ロバに乗って作業員用の水を運んでいたところ、ロバがつまずいた拍子に水がめが壊れ、大量の水がこぼれました。

その時、地中の墓へと続く階段があらわになったというのです。

とても誇らしい

ヌビさんは「とても誇らしいことだ」と胸を張ります。

ヌビさんが営むレストランの壁には、フセインさんがカーター氏にたたえられ、出土した首飾りをかけてもらった写真を掲げ、観光客らに紹介しています。

「この墓は人類の宝だと多くの人に知ってほしい」と話し、4日には他の子孫や地元住民らを招いて祝宴を開いたそうです。

記念の年を迎えた墓には多くの観光客が訪れています。

エジプト観光・考古省の西ルクソール遺跡調査団長バハ・ガベル氏は「発掘を巡る物語はこれからも語り継がれ、世界の人々を魅了していく」と期待しています。

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