ゆうちょ銀行…手数料値上げ前夜…預金者の悲鳴とリスク

1月17日より、ゆうちょ銀行の一部サービスについて料金変更・手数料追加の措置が取られます。

郵政民営化からはや15年、いち企業としてさらなる利益追求に舵を切るわけですが、利用者からは反発の声も。

ゆうちょの料金改定「ATM利用者」には結構手痛い?

明日より、ゆうちょの一部サービスについて、料金新設・変更の措置が取られます。

具体的に見ていくと、窓口での貯金払戻しにおいて、硬貨や紙幣の種類・枚数を指定する場合、合計枚数によって「金種指定料金」が発生するほか、普通為替の再交付・投資信託残高証明書の発行などに料金がかかるようになります。

また、各種払込みサービスを現金で利用する際の料金が、値上げされました。

利用者にとって一番の影響となるのは、ATMの取扱時間帯変更および料金新設・改定かもしれません。

まず、ゆうちょATMで硬貨を出し入れする場合、「硬貨預払料金」が発生するようになります。

預入れでは、「1~25枚」が110円、「26~50枚」が220円、「51~100枚」が330円。払戻しでは、「1枚以上」で一律110円が、通常貯金または通常貯蓄貯金の残高から差し引かれます。

硬貨については、ATM利用可能時間帯の変更も。土日祝日の9:00~17:00まで預入れ・払戻しが可能でしたが、土日祝日、まるっと取扱い不可能となります。

平日の7:00~18:00のみ、取引できます。

駅・ショッピングセンター・ファミリーマート設置のATMについては、原則無料となっていましたが、こちらも料金が発生。利用料金がかかる時間帯・かからない時間帯は下記のとおりです。

【平日】8:45~18:00 無料
【土曜日】9:00~14:00 無料
休日を含む上記以外の時間帯 110円

※定額・定期預金の預入れは引き続き無料です。

また、ローソン銀行ATM、イーネットATMについては、220円、もしくは330円の手数料が発生します。

郵便局・ゆうちょ銀行設置のATMは、これまでどおり無料での取扱いとなりますが、自宅や学校・会社周辺にゆうちょがない方にとっては、なかなか厳しい改定といえるのではないでしょうか。

実際、ネット上には、「手数料はとらないでほしかった……」といった意見もちらほら。

「デジタル化・キャッシュレス化・ペーパーレス化を推進して」いくための措置とは、ゆうちょ公式が発表しているコメントですが、明日以降の利用者の動向が注目されます。

みずほ、三井住友も…「デジタル化」の意外なリスク

少し前の例では、みずほ銀行が「2021年1月18日以降に新規で口座開設する70歳未満の人」から通帳発行手数料を徴収したり、三井住友銀行では「2021年4月1日以降に新規で口座を開設する18歳~74歳の人」に毎年550円の手数料が発生したりと、業界全体がデジタル化に力を注いでいる風潮にあります。

さらに今月13日、三菱UFJ銀行についても、紙の通帳を新規発行するにあたって年間550円の手数料を新設する方針であることが報道されました。

デジタル化、便利になる印象ばかりを受けますが、こと相続のシーンでは少々デメリットも。

“今現在でも50代、60代の人が亡くなった場合に、インターネット銀行の取引があることはわかっているものの、相続人がそのパスワードを知らないことから、取引履歴をプリントアウトすることができないというケースがあります。

このような場合も手数料や手間の兼ね合いから必ずしも取引履歴を取得するとは限らず、紙の通帳があるときと比較して、税理士が亡くなった人の通帳を確認できずに申告書を作成せざるを得ないケースが多いように思われます。

デジタル化もさることながら、「現金だけを持っていたらインフレ時に大損する!」といった言説も多くなっている昨今。

貨幣の利用価値が問われるなかで、銀行と利用者の関係性は変容しつつあります。

とはいえ一連の手数料値上げ、いまだ現金志向の強い日本人にとって、「手痛い改革」であることは、否定できません。

ネットの声

「これ、ゆうちょ銀行が問題ってされてますが、都市銀行や地方銀行が手数料徴収は先んじてますから。で流れたお客さんが郵便局に集中し、窓口サイドからこのままじゃ現場が困るということで今回の流れになった。宅配でも、大手さんがコスト合わない地域は ゆうパックにしてるからねぇ。民営化に賛成した結果です。公益より、その場の小泉旋風にのって国民が動いた結果。」

「ゆうちょ銀行の良さがどんどん失われていきます。民営化って、本当に国民の利益になっているのでしょうか?」

「500円なら50枚までは窓口OKだから貯めれるけどその他の硬貨は手数料のエサになってしまう。小銭貯金割と好きだったけど、時代にはそぐわなくなってしまったな。」

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