バランスが悪い?奇数を採用したクルマたち

【奇数の数奇なクルマたち】5気筒エンジン 3本出しマフラー 7速MT… 個性全開!!! 奇数パワートレーン大特集

クルマというと、ヘッドランプやドアなどを見ても分かる通り、左右対称=偶数のイメージが強いもの。

しかしながら、数は少なくとも奇数の数々を持つクルマたちも存在します。

直5エンジンやトリプルターボ……などなど、珍しくも超魅力的な奇数のパワートレインの数々

5気筒エンジンが存在した!?

まずはエンジンの気筒数から。今では3気筒がコンパクトカー、軽自動車では主流になっているので、奇数が主役、と言えなくもないが、5気筒は今も昔も少数派。

なかでもVWボーラなどに搭載されたV5というのは違和感の塊。

V型=偶数の概念を覆しているわけだが実は、直5を微妙にオフセットさせたもの。

そのほかホンダ、アウディ、ボルボは直4と直6のいいとこ取りということで5気筒エンジンを搭載していました。

奇数気筒のエンジンが珍しいのはクルマだけ?

クルマでは特に奇数気筒は1、3、5気筒に限定されますが、航空機用星型エンジンに代表されるように、奇数気筒は珍しくありません。

というか星型エンジンは7、9気筒など奇数気筒しか存在しない。14気筒もあるが、これは7気筒×2で奇数配列が基準となっています。

そのほか2輪ではホンダがレース用にV3、V5を開発し、NS400Rなど一部の市販モデルに搭載されていました。

バルブやターボの数にも奇数アリ!!

バルブ数で燦然と輝くのは5バルブで1989年に三菱がミニカダンガンで初の市販化。

吸入空気量を増やすために吸気バルブを1本追加したわけですが、燃焼解析が進んだ結果、5バルブは効率が悪いことが判明して廃れてしまったのです。

クルマ界は基本的に数が大きいほうが偉い、という風潮があり、1個より2個、3個とエスカレート。

ターボもそうで、BMW、アウディはトリプルターボを市販。まぁ、アウディは2個のターボ+電動コンプレッサーの構成ですが。

同じくハイブリッドもホンダはNSX、レジェンドは3モーターハイブリッド!!両方すでに買えないのは悲しいのですが、ホンダのチャレンジスピリットを感じさせてくれました。

古いところではフェアレディZ432(日産)。名前の432は、4バルブ、3キャブレター、2カムシャフトを意味するのは有名ですが、3つのキャブレターは只者じゃないスペシャル感にあふれているのです。

排気系&トランスミッションの奇数は?

お次は排気系。1990年代までは2本出しのデュアルがスポーティの証だったが、その上を行くのが3本出し。

デュアル×2の4本出しよりもカッコいいし、違和感というよりもスパルタンさが倍加されます。

市販モデルで先鞭をつけたのはフェラーリF40です。

本企画はGRカローラ(トヨタ)、新型シビックタイプR(ホンダ)が3本出しのマフラーで登場したことがそもそものきっかけ。

GRカローラは「左右+真ん中」という超スパルタンな配置。

一方シビックは旧型と同じように見えるセンター3本出しですが、開発者曰く微妙に違うらしい。たぶん排気効率がアップしているに違いありません。

そのほかではLFA(レクサス)は上2本、下1本で逆三角形に配置。侮れないのがミニカダンガン。

1989年デビューということでほぼF40と同じ時期に3本出しマフラー(右リアに配置)で登場しているから凄い。

トランスミッションはポルシェが7速MTを初採用、ATの多段化が進むなか、フェアレディZは9速ATで登場。

ちなみに、現在日本車で購入できる3ATは軽商用車に残るのみで乗用車はゼロ。

一方DCTはフリードハイブリッド(ホンダ)が7速DCT、NSX(ホンダ)が9速DCTと奇数なクルマ。

そのほか驚きなのはケンワースW900Lはシフトレバーが3本!!3本を駆使して20速を変速します。!

ネットの声

「補足します。
5気筒のエンジンは、4気筒のコンパクトさと6気筒のスムーズさを狙ったものです。
4サイクルエンジンは2回転に1回燃焼します(工程:吸気→圧縮→膨張→排気)ので、720度に1回の燃焼となり、気筒数で割ると燃焼間隔が6気筒が120度、4気筒が180度、5気筒が144度となります。
6気筒エンジンがスムーズだと言われるのは、前に膨張工程に入った(燃焼)したピストンを「次の燃焼順序のピストンが押す」ようにできるからですが、5気筒のエンジンの燃焼間隔は4気筒よりも6気筒に近いため、4気筒よりも往復運動に対する慣性が小さく、4気筒のコンパクトさと6気筒のスムーズさを兼ね備えると言えるのです。
もっとも、最近ではバランサーシャフトの最適化やエンジンマウントの電子制御化等により、5気筒を採用するメリットはあまりなくなってしまいました。」

「船のエンジンは出力を変えるために気筒数を変えるから奇数のエンジンも存在する。
そして重量があるため組み立てやメンテしやすいように基本は直列。
奇数気筒のエンジンは自動車では珍しいかもしれないが、船では普通だね。」

「ウチは軽トラが4気筒で乗用車とトラクターが3気筒でバイクが単気筒とモーターです。軽トラについちゃミッションは5+1だしトラクターは副変速が3段です。全体的に5気筒エンジンほどとんがっちゃいないものの、奇数はそこまで変態メカでしょうか。」



おすすめの記事