からだが柔らかいのはメリットしかない…ストレッチの必要性

ストレッチで体を柔らかく!

からだが硬いということのデメリットは?

からだが硬いということの問題

日頃から適度に動かしている筋肉は適度な柔軟性が保たれていますが、あまり使わないことで硬くなっていく筋肉もあるんです。

筋肉のなかにはたくさんの血管が通っていて筋肉が動かされて伸び縮みすると、そのポンプ作用によって血液が全身に行き渡り酸素と栄養を運びます。

ところが体を動かすことがほとんどないと、ポンプ作用が働かず血流が滞ってしまうんです。

筋肉の細胞に栄養と酸素を運んでいた血流が悪くなるため、筋肉が衰えたり、硬くなる原因にもなります。

からだの左右や前後で筋肉の柔らかいところと硬いところがあると、からだはアンバランスとなって歪みが生じます。

テントを張る時に、四方をロープで張りますがそれぞれの引っ張る力が異なるとどちらかに倒れてしまうのと同じことで、常に引っ張られている筋肉と縮んでいる筋肉が出来てしまいそれが肩こりや腰痛などの痛みの原因となってしまうこともあります。

また全身がカチコチに硬い人もいます。

これも問題で、からだが柔軟であるほどどんな大きな動きでもスムーズにいくのですが、そこに制限があるため、非常に疲れやくなります。

また関節の可動域が狭いのに、無理に動かそうとして筋肉や腱を痛めてしまうこともあります。

使いすぎによる痛みも起こしやすくなります。

ストレッチをしている人、していない人の違い

「筋肉が伸びる」という表現ですが、正確には元の長さに戻っているだけで、それ以上伸びているのではないのです。

また、定期的にストレッチをしていると筋繊維を構成している細胞の数が増えるので、筋の長さが長くなることによって可動範囲が広がるという意味です。

運動したときや、たくさん筋肉を使った後にそのままにしておくと、筋肉の長さが短くなりやすくなります。

これは筋肉が運動して運動神経がはたらくと、筋が収縮するためのスイッチが入るからです。

運動後はそのスイッチが入ったままの状態になるので、ゆっくりリラックスした状態でストレッチすることで、このスイッチをオフにしなければなりません。

しかし、そのスイッチが入ったままの状態で放置しておくと、筋細胞の一部がお互いに結合しあって硬くなっていくと考えられています。

毎日、あるいはからだを動かした後に必ずストレッチをする習慣がある人とない人の違いは柔軟性の質です。

日常的にストレッチの習慣がない人が、たまたまストレッチをしても、筋肉を覆っている筋膜しか伸びないのです。

入浴後など、からだが温まっていると筋肉が伸びやすいのですが、これは柔軟性が上がっている状態で一時的なものです。持続的に柔軟性が上がるものではないのです。

試しにこんなことをやってみてください。

まず立って前屈し、指先がどこまでいくかテストしてみましょう。

いったん起き上がってもう一度行ってみてください。

ほとんどの人が、さっきよりも少しだけ柔軟性が上がったと思います!

また、お風呂に入る前と入った後ではお風呂上がりの方が柔軟性が上がっていると思います。

しかし、次の日になれば最初の柔軟性に戻ってしまいます。これは筋膜の柔軟性が一時的に上がったことによるものなのです。

しかし、これが普段から習慣化され継続的にストレッチしている人は、筋膜のなかに詰まっている筋繊維を構成しているサイコメアという収縮装置の数がどんどん増えていきます。

これが筋繊維の長さを増し、柔軟性を高めているのです。

たとえば、同じ長さを保つのに輪ゴムの輪を10本つないだ状態と、6本つないだ状態とではどちらに余裕があるかといえば当然10本ですよね。

6本では1本1本が引っ張られてしまい、切れやすくなってしまいます。筋肉の柔軟性も、これと同じことなのです。

ですので、仕事の合間に気がついたら首まわりや肩まわりをほぐしたり、入浴後に5分でもいいからからだを伸ばす習慣を付けましょう。

習慣化してストレッチを継続して行うようになれば、サイコメアの数が増え、持続的に柔軟性が上がるようになります。

反動を使わずに、ゆっくり伸ばす

ストレッチにはさまざまな種類があります。

習慣にしていただきたいのは、筋肉を静かに伸ばしていくスタティック・ストレッチです。

運動をしたあとや、入浴後の筋肉が温まっているときがおすすめです。

コツは、反動を使わないこと。

筋肉や腱の中にはそれぞれ筋紡錘(きんぼうすい)、腱紡錘(けんぼうすい)といった筋肉の長さを常に感知観察しているセンサーがあります。

急激に反動を使って伸ばす、または痛みが出るところまで伸ばすようなことをすると、このセンサーがオンになってしまいます。

そして切れることを防ぐために「縮みなさい」という命令が出されるのです。

ストレッチをするときはこのセンサーのスイッチを入れないことが最大の注意事項です。

反動をつけずにゆっくり伸ばしたら、心地よいと感じるポイントで20~30秒間静止してください。

この間、息は止めずにゆっくり呼吸しましょう。

静止する時間は、一応の目安ですが、自分の感覚で筋肉がほぐれたなと感じるまで行うのが一番です。

最低3方向に伸ばす

もう一つのポイントは、一つの筋肉に対して最低3方向伸ばすということです。

筋肉にはそれぞれ大きな幅があります。

たとえば、大腿四頭筋は、大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋の4つの筋肉で構成されています。

これらの筋肉は全て、筋繊維が走っている方向が異なります。

ストレッチの大原則は「筋繊維の方向に沿って筋肉を伸ばすと効率よく柔軟性が向上する」ということ。

つまり、筋繊維がいろいろな方向に走っているのに、一方向に伸ばすだけではストレッチの効果あまり出ないのです。



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