現代思想入門 千葉雅也 (著) 講談社 (2022/3/16) 990円

人生を変える哲学が、ここにある――。

現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。

デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー……

複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ

□物事を二項対立で捉えない
□人生のリアリティはグレーゾーンに宿る
□秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく
□権力は「下」からやってくる
□搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える
□自分の成り立ちを偶然性へと開き、状況を必然的なものと捉えない
□人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている
□無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む
□大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる

「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ――「はじめに 今なぜ現代思想か」より

[本書の内容]
はじめに 今なぜ現代思想か
第一章 デリダーー概念の脱構築
第二章 ドゥルーズーー存在の脱構築
第三章 フーコーーー社会の脱構築
ここまでのまとめ
第四章 現代思想の源流ーーニーチェ、フロイト、マルクス
第五章 精神分析と現代思想ーーラカン、ルジャンドル
第六章 現代思想のつくり方
第七章 ポスト・ポスト構造主義
付録 現代思想の読み方
おわりに 秩序と逸脱

著者について
千葉 雅也
一九七八年、栃木県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は哲学・表象文化論。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。著書に『動きすぎてはいけない』(河出文庫、第四回紀伊國屋じんぶん大賞、第五回表象文化論学会賞)、『ツイッター哲学』(河出文庫)、『勉強の哲学』(文春文庫)、『思弁的実在論と現代について』(青土社)、『意味がない無意味』(河出書房新社)、『デッドライン』(新潮社、第四一回野間文芸新人賞)、『ライティングの哲学』(共著、星海社新書)、『オーバーヒート』(新潮社、「オーバーヒート」第一六五回芥川賞候補、「マジックミラー」第四五回川端康成文学賞)など。

「千葉雅也『現代思想入門』は最高に面白い。素人理解からでこんなこと言うのは申し訳ないけど、千葉雅也さんの現代思想の整理の仕方は痺れるくらい見事だと思う。大学生の時に大学の先生に薦められた新書を夢中になって読んだけど、その時のことを思い出して喫茶店でジーンときました。良書との出会い。」

「そうなんです、これもまたすごい本でした!なにがすごいって、「ポスト・ポスト構造主義(思弁的実在論 他)」の解説書(入門書)って、日本初じゃないですか??(そうでなかったらごめんなさい)」

「現代思想の入門の入門となることを目指して書かれたものであるが、著者なりの総決算となるものでもあり、おわりにでは、「これは青春の総括であり、憧れへの終幕なのです。」とまとめられている。それゆえ、著者の現代思想に関する読書遍歴あるいは研究履歴のようなところもあって、現代思想を総ざらいするというよりは、代表的な人物を著者なりの着眼点をもって整理したという内容である。そのために、網羅性という点では現代思想入門というには相応しくないところもないわけではないが、例えば最初に読むべき入門書を紹介してくれたりと、「入門の入門」としようとする配慮が十分になされており、現代思想の入門として読むには十分に意義のある一冊だと思う。」


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