希望という名のアナログ日記 角田光代 (著) 小学館 (2022/2/4) 660円

作文得意な少女は作家になる夢を追いかけた

全三章の構成。

第一章「〈希望〉を書く」――小学生時代の作文修行から作家デビュー、数度の挫折を経て直木賞受賞までを描く半生の記に始まり、「武道館で見たくらいに小さいけれど、でも見える」という愛に満ちた長文の忌野清志郎論など。

全21篇。(第一章は全体の半分を占める)

第二章「旅の時間・走るよろこび」――〈旅のエッセイ〉と見せかけて実はフィクションという見事な短篇小説「それぞれのウィーン」で幕を開け、「永遠、という美」と題したシャネルN°5のドキュメントがつづく。

そして台湾・韓国・バリ・スペインへの旅、さらには那覇マラソンと西表島マラソンの鮮やかな記録。

全12篇。

第三章「まちの記憶・暮らしのカケラ」――これはUR都市機構の雑誌に連載された17篇を一挙収録。

住んでいる町の素顔から東日本大震災で失われた町、そして日々の暮らしを生き生きと描いたエッセイまで。

全17篇。

2012年から2019年までに書かれたエッセイの中から厳選した充実の一冊。

そのなかでも冒頭に収録した半自伝は女性誌に連載された15ページに及ぶ感動的な名篇である。

角田 光代
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。

90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞、03年『空間庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞を受賞。著者に『三月の招待状』『森に眠る魚』『くまちゃん』など多数。2010年7月には、毎日新聞の連載『ひそやかな花園』も単行本化された。


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