すみれ屋敷の罪人 降田天(著) 宝島社 (2020/1/9)

2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。

紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。

当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。

白骨死体は、いったい誰の死体なのか?

その身元について、かつての関係者に話を聞いて回る謎の男が現れる。

かつての女中や使用人たちの語る、館の主人と三姉妹たちの華やかな生活と日常、そして忍び寄る軍靴の響き。

突然起きた、不穏な事件。彼らの証言は二転三転し、やがて戦時下に埋もれた意外な真実が明らかになり――。

『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞しデビュー、いまもっとも注目される女性コンビ作家、渾身のゴシック・ミステリー。

「廃墟になった屋敷から白骨死体が発見され、その屋敷の戦前~戦後にかけての過去を高齢になった生存者から聞き出していくお話。
いろいろな人の少しずつの情報で謎のピースが集まっていき、最後に埋まっていく感じがとてもよかったですし、出てくる人のそれぞれがお互いを思いやる気持ちが刺さり、最後のほうは涙が止まりませんでした。」

「コロナで自宅にいるので、何かミステリーでもと思い、買ってみました。すみれ屋敷と呼ばれるお屋敷に主人と3人の美しい娘たち、執事や書生、女中たちが暮らしていた。時が流れ、廃屋となった屋敷の敷地から、3体の白骨が発見された。当時の住人やかかわりのあった人々の口から、様々なことが語られていく。そして意外な結末。
物語の世界にわずかな間でも入れたことが良かったです。作者名は一人ですが二人の共著とのことでした。藤子不二雄みたいなことでしょうか。」

「大好きな作家さんのひとりです。今まで短編しか読んでないので長編はどうなんだろうと思ってましたがドンデン返し、健在でした。最後はなかなか切なくて目が潤んでしまいました。皆さんにオススメの物語です。」

「ミステリーというと悲惨で、悲しい、救われないというようなイメージがあったんですがこれは実に暖かい、優しさに溢れた物語でした
過去の出来事を現在に生きる証人から紐解いていく語る人間が変われば印象も変わり新たな情報も出てくる。真実を語っているとも限らない真相が明らかになった時、感じたのは人々の優しさでした。読後には非常に爽やかな気持ちにさせられました。」


(クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事