1983年に先行して発売されたのがGB250クラブマン。
続いて、大排気量の単気筒エンジンを搭載したトラディショナルなレーサースタイルで、1985年7月に登場したのが、GB400TTです。
一般にGB400TTと表記されていますが、「.」付きのGB400T.T.が正しい名称です。
ややこしいのが、車名として正しいのは、GB400ツーリスト・トロフィーなのです。
ツーリスト・トロフィーは、英国領マン島に始まった伝統のレースに由来。
そして、GB400T.T.に続いて1985年8月に登場したのが、大型のロケットカウルを装着したGB400TTマーク2です。
さらに大排気量版のGB500TTもリリースされました。
しかし、250ccのクラブマンと比べて短命で1987年に惜しまれながら生産終了となってしまいました。
※GB400TT MkⅡは4,000台の限定発売だったため、完売して生産終了という既定路線でした。GB400TTのほうは明らかにクラブマンに人気を持って行かれた格好ですね。
どんなバイク?
いわずと知れた雑学ですが、TTはマン島TTレースに由来、GBは英国の「Great Britain」の頭文字から来ています。
もともと、スタイリングが英国風ということもあったのは間違いないでしょう。
過酷なレースを走り抜いたバイクをモデルにしているので、GBのデザインは質実剛健かつシンプルです。
それは、全体的なフォルムだけではなく、ガソリンタンク、ウインカー、バックミラーの形状、スピードメーター、タコメーターなどを見ても、しっかりしてるとわかります。
なによりもMkⅡだけのロケットカウルとシングルシートがその気にさせてくれるのです。
エンジンは、空冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ399cエンジンは34馬力を出力します。
DOHCのクラブマンと違ってSOHCですが、排気ポートは2つ設置しているのが特徴的です。
とはいっても、単気筒2本出しマフラーはホンダの伝統といってもいいかもしれません。
エンジンはXR500Rをベースにしたもので、オフロードベースで中低速の力強い加速を実現しています。
これはこれでいいのですが、どうしても高回転域を意識したクラブマンとの差別化が激しくて、人気の面でクラブマンに負けたと思うのは気のせいではないでしょう。
GB400TTMkⅡのインプレッション
展示車しか見たことがありません。
でも、後年このようなバイクが新車で販売されていたら買ってたかも(CBH400SSのオーナーですから)。
キックとセルの併用というのも好感触ですし、点火方式は当時としてはめずらしいCDI。
わかりきったことですが、クラブマンとはまったく乗り味が違うそうです。
GB400TTMkⅡのスペック
【ホンダGB400TT(初期型)】
エンジン:空冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ
排気量:399cc
ボア×ストローク:Φ84.0mm×72.0mm
圧縮比:9.2
最高出力:34PS/7,500rpm
最大トルク:3.4kgf-m/6,000rpm
燃料タンク容量:17L
変速機形式:5速リターン
始動方式:セルフ式/キック式併用
当時、クラブマンに負けたという印象ですが、限定生産のmkⅡはともかく、GB400TTはヤマハのSRX400の対抗馬であったはずなのに、mkⅡと同時に生産終了になったのが残念でしたね。
みんなのインプレッション
「GB250のⅡ型に乗っていましたが、ロングツーリングの際に250での非力さを痛感し、GB400をツーリングからの帰宅途中で見つけて即購入 独身時代だからできたワザですね」
「1)知っている人が少ない! 2)スタイルが断然良い。3)排気音はやみつきもの!たまらん! (ウェリントン製ショートメガホン)4)やっぱりキック始動。5)単発なので維持費が何かと安くつく。6)何よりも乗っていて楽しい事。」
「 165km/hの高速巡航をこなし峠の走りもソコソコいけてしまう!アクセル・オフにした時の排気音!HONDA独特のシートの、何とも言えない乗り心地!仕上げの良さ!故障知らず!最高でした!」
「軽快。良くまわるタフなエンジン。デザイン。とにかく楽しい。いじりやすい。」
「軽くて峠もそこそこひらひらと走れる。形がまとまっていて眺めていても楽しめる。始動方式はキックとセル双方が使え、気分と状況で使い分けられる。」