カワサキ・KSR-2(KSR80)を今さらながらご紹介

KSR-2はカワサキから1990年に発売されたモデルです。

すでにKS-2を88年に発売していて、KSR-2はその発展形(後継車)という形でした。

排気量は80ccなのでKSR80とも呼んでいました(こちらのほうが通りがいいかも)。

というのも、50ccモデルも設定されていて、こちらはKSR-1(ちなみにKS-2にもKS-1の50ccモデルがありました)という名前でした。

どんなバイク?

一目見てわかるとおり(といっても実車を見ないとわかりにくいかもしれませんが…)ポケットバイクです。

形が斬新でしたね。

前車のKS-2をスーパーバイカーズ風にさらにかっこよくしたフォルムでした。

↓KS-2

※スーパーバイカーズ:オンロードとオフロードをミックスしたコースで競うレースのこと

オンオフ両方いけますが、タイヤが小さいので悪路は厳しいかもしれません。

また、KS-2が空冷2スト単気筒エンジンだったのをKSR-2では水冷式に変更しています。

タイヤは10インチから12インチに拡大していますが、これでも小さいので悪路向きではありません。

特筆したいのは、前後ディスクブレーキにしたこと。

2ストなのでドッカン加速は健在で、キビキビ走ってしっかり止まるを実現しています。

フロントフォークが倒立式なのも剛性感を出しているので、スピードを出しても安心感がありました。

原付2種(1種もですが)のカテゴリーラインアップの弱いカワサキ車の中では異彩を放っていたバイクです。

ライバル車としては同時期発売されていたヤマハのTDR80なんかがそうでしたね。

↓KS-2とTDR80(右)

2スト車としては長命で、1999年(平成11年)の排ガス規制が適用される前年の1998年に最終型が発表されて生産を終了しています。

それでも、人気車だっただけに2003年に4ストエンジンを搭載してKSR110として復活しました。

※KSR-Ⅱが正式名称のようです。通称ではKSR-2やKSR80のほうが通りがいいようです。

KSR80のインプレッション

KSR110以前というか90年代のバイクなので、プラザで見たことがあるかなくらいのバイクです。

ZZR1200をポンと買った上客だったので、当時のプラザの扱いは良く…。

店長が2年周期で変わるので、そのたびに挨拶に来てくれるほど…。

一番の好待遇はZZR1200にグリップヒーター付けるときに代車でZZR1400に乗せてくれたこと。

半日乗り回しました。

その日の帰りにZZR1200で事故ったのも良い思いで…でもないか。

KSRの話に戻すと、KSR110に試乗したことがあります。

↓KSR110

でも、ギアチェンジがカブ(遠心クラッチ)だったのでアレアレ?と思いながらカブ50が家にあったので難なく運転できました。

KSR-2は普通のギアチェンジ(クラッチ付き)なので乗り味は違ってるのでしょう。

プラザに行くとコーヒー出してくれるので2000年代は毎週末はプラザに入り浸ってました。

そこで、KSRの話を聞くことができたのですが、やっぱりKSR-2が良かったってこと。

ビックリするような加速だったようです。

じゃじゃ馬で有名な「KDX125とどうだった?」的なことを聞いたと思うのですが、「KDXに比べたらマイルドだった」なんて答えが返ってきたような。

KDX並のエンジンだったら、KSRのタイヤは小さいし、とんでもなかっただろうなと妙に納得した気がします。

KSR110でもキビキビした印象だったので(でも加速は遅くて信号待ちからの発進は左足で蹴り出してましたね)、KSR-2はもっと走ってたんだろうなと思ってました。

原2なので、最高速はそこそこですが、交通の流れにはしっかり付いていけたバイクでした。

原2だったらもっとも大事な部分ですよね。

高回転で走る分にはいいのですが、一旦回転が落ちるとリカバリーが大変なのはこのクラスの宿命だったようです。

2ストだからといっても万能ではないってことですね。

でも加速はピカイチ。

いまさら乗る人はいない、そもそも手に入らないでしょうけど、

※国内の正規販売は2009年で終了していたようです。ただし、生産はずっとタイだったので現地では生産が続けられ、2015年くらいまでは逆輸入という形で国内でも販売されていました。

KSR80のスペック

スペック
エンジン 79cc 2サイクル 水冷単気筒 ピストンリードバルブ式
内径x行程 / 圧縮比 47.0mm x 45.8mm / 7.0:1
最高出力 10.0PS/8,000rpm
最大トルク 0.95kgm・f/7,000rpm
乾燥重量 53kg
パワーウェイトレシオ 12.62kg/PS
製造期間 1990年-2000年
全長x全幅x全高 1660mm x 720mm x 960mm
ホイールベース 1140mm
地上最低高 210mm
シート高 715mm
燃料供給装置 キャブレター式(VM18SS 18φ)
点火方式 CDI
使用スパークプラグ BPR9ES
バッテリー 12V
始動方式 キック式
潤滑方式 分離潤滑式
駆動方式 チェーン
キャスター 26°
トレール 70mm
一次減速比 3.043
二次減速比 2.666

変速機 常時噛合式・6速リターン
変速比
1速 3.307
2速 2.111
3速 1.545
4速 1.240
5速 1.074
6速 0.995

サスペンション 前:テレスコピック式 倒立フロントフォーク 後:スイング・アーム式モノサス(ユニトラック)
ブレーキ 前後:油圧式シングルディスク
タイヤサイズ 前後:100/90R12
燃料タンク容量 8.0L
エンジンオイル容量 1.0L

KSRの後継車はZ125です。

ネーミングからZシリーズの末弟といった位置づけですが、フォルムはKSRの血統です。

タイでKSR110のフルモデルチェンジで同じラインでZ125が生産されているので当然といえば当然ですね。

Z125の遠心クラッチタイプとZ125プロのマニュアルクラッチタイプの2車種を展開中です。

みんなのインプレッション

「軽くて小さいためとりまわしが楽で駐車スペースも取らない。2スト車だが低速のパワーがあり、乗るのが楽。乗車姿勢が楽チン(楽チン過ぎて不安を覚えるぐらい)。 小回りが効いてスピードも出る。あっというまに時速80km。小さくても直進安定性はあります。結構目立ち(赤いせいかな)、女の子受けもいい(笑)。バイクに乗ってない人をバイクの世界に誘うにはベリーナイスな車種かも。」

「走る、曲がる、とまる。そして、おもしろい。ノーマルでも100km/h弱まででる。 死ぬ気で持てば持ち上がる?(数cm)」

「交通の流れに乗って走れて曲がって止まれる。乗ってる時の姿勢が楽。エンジンはノーマルでも下から上までよく回ります。倒立サスもキビキビしてて良い感じです。峠でも川原でもいろんな所を走ってもマルチに遊べるバイクだと思います。」

「小型で小回りがきく。装備が充実している。走る道を選ばないスタイル。 見かけよりスペックが高い。軽いので2人もいれば持ち上がる。」

「やはり他にはないスタイル、これに尽きる。取り回しがラクチン。重さによる立ち転けは皆無。パワーがあるので車の先頭に立っても何の苦もない。」



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