ホンダ・STEED(スティード)400…初の本格的アメリカン

STEED400はホンダ初の本格的アメリカンとして、1988年から2000年代まで15年に渡って販売されました。

同名の排気量600ccのSTEEDもあり、排気量のみ違い、共通の車体を使用していました。

Vバンクの挟み角が52°という美しいツインエンジンを搭載したモデルでした。

どんなバイク?

STEEDには様々なバリエーションが用意されていました。

VLX:ラグジュアリータイプ(※車名に付いていない頃のSTEEDは全てVLXです)

VCL:シンプルスタイル

VSE:ワイルドタイプ

VLS:ビンテージモデル風のスプリンガーフォークが特徴的

STEEDはよく売れました。

VLSはSTEED人気を背景に誕生10周年の記念モデルでした。

よりカスタム色を強めながら、クラシカルな外見で特に21インチの大径フロントタイヤを採用したのが印象的でした。

そして、さらにローダウン化が図られていたので、よりワイルドさを前面に押し出すことに成功しています。

2002年の排ガス規制の強化に対してVLSは生産中止、VLXのみ対策が施されます。

そこで、名称はアルファベット表記を用いない“STEED”に戻されました。

STEED400のインプレッション

STEEDはHAM(ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチュアリング)との共同製作が知られています。

つまり、アメリカが主体となって作った文字通り本場仕込みのアメリカンということになります。

裏を返せば、ホンダの本体はそれほどアメリカンバイクの開発に乗り気ではなかったということでしょうね。

ただし、HAMは本気でした。

米国にはハーレーがあり、絶大な人気を誇っていたので、そこにアメリカンで挑むというのは無謀にも近かったと思います。

HAMスタッフの熱意もあって作られたSTEEDの完成度は見事というほかない出来映えでした。

低回転寄りのエンジンにしたのも乗りやすさという意味で売上にもおおいに貢献したようですよ。

もちろん日本でも売れましたね。

90年代は日本でアメリカンバイクといえばハーレーかSTEEDというくらい(大げさ)でした。

当時国内では、ヤマハのビラーゴがアメリカンバイクの人気筆頭だったと思うのですが、STEEDがその地位をかっさらう形となったのです。

アメリカンバイクにそれほど興味がなかったのですが、それでも何度か試乗しましたね。

2000年代に入ってバイクの免許を取ってからですが。

低速トルクが太くて乗りやすいバイクであることは間違いないのですが、ホイールベースが長くて曲がりにくい…このイメージがずっとつきまとってしまいました。

それでも、STEEDはカスタムが基本でどのバイクもかっこいい音を出してましたね。

STEED400のスペック

NC26型スティードの諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 NC26
グレード <400>
お値段 599,000円
排気量 V型2気筒398cc
最高出力 30PS[22kW]/7500rpm
最大トルク 3.3kgm[32Nm]/5500rpm
60kmh燃費 37.0km/L
全長幅高 2310mm/760mm/1130mm
面積&体積 1.756m²/1.984m³
地上&座面 140mm/680mm
車両重量 208kg
タイヤ 前:100/90R19 後:170/80R15
ブレーキ 前:ディスク 後:ドラム

大型二輪の卒業検定をパスすると、教習所がご褒美にハーレーに乗せてくれるんです。

教習所の外周を一周するのですが、教習時間の合間にするのでけっこうなギャラリーの前で走るので照れくさかったですね。

そのときは、すでに何度もSTEED400に試乗していたので、ハーレーと比較してSTEEDのほうが格段に乗りやすいイメージを持ちました。

さすがにHAMがハーレーに対抗心むき出しで開発しただけあるな、なんて思ったものです。

まあ、ハーレーが乗る人を選ぶどちらかというと「上から目線」的な存在であるのも一因でしょう。

それがハーレーの魅力でもありますからね。

個人的にはマグナのほうが好きかな…。

みんなのインプレッション

「見た目がとにかくいけてる。いまのどのスティードよりいけてる。直進安定性は申し分なし。発進時の加速は良好。現在乗っているZZR-400(K型)とくらべて60km/hまでの加速なら勝てる。タンデムが非常に楽。特に後ろから不満が出たことがない。中距離のツーリングには楽。ホンダ車らしく、冬でも問題なくエンジンが始動する。(チョークが錆びた・・・.)すり抜けは想像以上に機敏。ZRと比べて遜色ない。」

「直進安定性がとても良い。タンデムが楽(前の人にとっても後ろの人にとっても)。ちなみに2人合わせて200kg超というタンデムでもちゃんと走れた(爆)。サウンドや振動は”それっぽさ”を感じる程度で激しいモノではなかった(ノーマル)。」

「とりあえずカッコいい(笑)加速が良く、60Kmくらいまでなら大抵の400クラスの単車とは張れる。体勢が楽なので、長時間乗っても疲れない。2人乗りでも無理なく走れる。燃費がいい。街乗りでもリッター22Kmくらいは出る。」

「乗り心地がいい。初めて乗った時はその重さにびっくりしたが、慣れればその重さが楽になる。住めば都。アフターパーツが多い。」

「本格的なアメリカンな作り込み。だらだら走るには向いている。HONDAのエンジンは信頼性が高い。かっこいい。」



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