“GSX-R”は言わずと知れたスズキのスーパースポーツを象徴するネーミングです。
「GSX-R」の系譜は、1984年に登場したGSX-R(400)から始まりました。
そして翌85年に、GSX-R750が登場したのです。
その後、GSX-Rは連綿と続くことになります。
どんなバイク?
スズキと言えば“油冷”エンジン。
それが、登場からセカンドモデルとなったGSX-Rに市販車として初めて搭載されました。
当時これもまた、衝撃的な話題となったのです。
他のメーカーが手を出さなかったスズキの“油冷”は、技術的アイコンとしても輝きを増していきます。
油冷エンジンを搭載したGSX-Rは、アルミ角断面フレームによる軽量なシャシーによって、重量はわずか179kgでした。
GSX-Rは、その当時のリッターバイクに匹敵する100ps(輸出仕様)の大パワーを誇り、750ccスーパースポーツという概念を打ち立てたのです。
GSX-R750は、ここから毎年のように仕様変更を受けて進化を続けていきます。
80年代のユーザーにとっては丸目2灯の耐久レーサー風のカウルを身にまとったR750が忘れられないことでしょう。
その年代ごとにR750は輝いていたのです。
丸目2灯のフロントは好きでしたね。
これは90年まで引き継がれることになるのですが、空力性能を高めるために90年以降はエアロフォルム化が進んで、丸目2灯は姿を消しました。
92年には油冷から水冷に変わります。
これも、SS(スーパースポーツ)を目指した結果と言えるのでしょう。
この時期、国内仕様のモデル名がGSX-R750SP(94-95年)になりました。
96年のモデルチェンジで、再びGSX-R750に戻っています。
そして、98年には国内仕様モデルの販売が終了することになります。
もっとも輸出専用モデルが残っているので、そちらで購入する道が残されていました。
※これは逆輸入とはちょっと違うようです。
もっとも、輸出仕様のほうがパワーも大きいので、ユーザーにとってはそれほど影響はないといっていいでしょう。(マイルドな国内仕様を望む声もありますが…)
この間、R750自体にも消滅の危機があったようです。
というのも、スーパーバイクレースが750ccから1,000ccに移行した2004年が最大の危機でした。
ただし、生産終了ということにはならず、2004年以降、R750はレースベースとしての役目を終え、一般ユーザーのためのストリートスポーツ路線に転換したのです。
2000年代後半には多くのバイクに電子デバイスの装備が進みます。
R750もその流れで、FI化など様々な変更が施され現在に至っています。
GSX-R750のインプレッション
GSXーR750には乗ったことがありません。
間近で見たくらいで、スズキのブルーをまとったピカピカのR750がまぶしかったですね。
2000年に入ってフレームも含めてR600との共有部分が増えていった印象です。
ですからR750単独としては2000年5代目モデルが最後といっていいのかもしれません。
それ以降はR600を軸にして、大げさに言えばR600に750ccのエンジンを搭載したという形です。
R600はバリバリのレプリカというイメージですが、R750は若干の修正を加えてストリートに特化した位置づけとなりました。
レーサー好きな人にとっては、面白みに欠ける…なんて人もいるようですが、R750のコンセプトのほうが好感が持てます。
一般の人が走るのはオンロードでありストリートなのですから。
街中でスズキの青はかっこいいですよ。
ストリート風味の味付けでありながら、パワーは150psという怪物マシンでもありますが。
GSX-R750のスペック
車種名 | GSX-R750 |
---|---|
メーカー | SUZUKI (スズキ) |
排気量 | 750cc |
販売時期 | 1985年- |
エンジン形式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ |
燃費 | – |
トランスミッション形式 | 常噛6段リターン |
クラッチ形式 | 湿式多板 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
フレーム形式 | アルミキャストツインスパーフレーム |
車両重量 | 190kg |
乗車定員 | 2名 |
最高出力 | 109.6kW(149PS/12,200rpm |
最大トルク | NA |
新車価格 | 1,544,400 (モトマップ価格) |
中古車相場 | 80〜100万円(2010年式) |
R600のバリエーションモデルとなった2006年以降は、不満の声も聞こえながら扱いやすさは向上しています。
世界的には400ccや750ccというのはマイナーです。
大型なら600ccが扱いやすいという声も聞こえてきますが、600ccはどちらかというとミドルクラスですよね。
大型の登竜門はやはり“ナナハン”でしょう。
R750にはまだまだがんばってもらいたいものです。
少し疑問なのですが、R750は輸出専用ということで、海外でも“ナナハン”の需要はあるということですよね。
これを考えると400ccバイク以上に750ccのほうが将来展望は明るいのかもしれません。
みんなのインプレッション
「量かつコンパクト。見た目250ccとかわらない。実際走り出すと低回転が 粘るので750ccと気がつく。あっさり1万回転までスムーズに回る。」
「油冷エンジンへ搭載レプリカへの思い入れ。ほかのジスペケには無いRK独自の専用設計。ガチャピンのような顔つき?」
「ハンドリングは癖がなく、初めての人でもOK。見た目ほどぜんけいでないと思う。 小物入れが大きくてgood。タイアが190もあって迫力がある。シングルシートにもできる」
「 油冷エンジンはかねてよりの憧れだった。3年前に限定解除はしていたんだけど、なかなか程度のイイRに巡り会わなかったんだよなぁ。ところがつい先月、とうとう巡り会う事が出来ました。距離は2万超えてたけど、程度は超がつくほど極上でした。しかもフルノーマルの逆車。即決でした。」
「750でも、900や1000に勝てる加速!(首都高・サーキット直線などで)インジェクションなので、セッテイングが安くしかも楽。サーキットからツーリングまでこなせる、万能バイク。(シート内には、ディスクロックとカッパが軽く入る。ECUコントローラも入ってる)ついでに、すごく頑丈。なにせ100キロくらいで、リアから側壁に突っ込んでもフレームどころかスイングアームも曲がらなかった。(ホイールは割れたが・・・)」