かつて1970年代に同名バイクが市販されていました。
2ストのオフロードモデルだったのですが、現在良く知られる250TRの登場は2002年です。
2002年当時は、TW200やFTR、グラストラッカーなど「ストリートトラッカー」が人気で一つのカテゴリーを形成していました。
そこに、カワサキが250TRという昔の名前のバイクで参入したのです。
どんなバイク?
後発ですから、後出しジャンケンのような感じも否めないのですが、250TRはビンテージ感が際立っていました。
そもそものモチーフが1970年代のバイクですからね。
249ccの空冷単気筒エンジンは、エストレヤゆずりのものでした。
そのことも250TRのルックスを特徴づけることに一役買っていたのは間違いないでしょう。
翌年からはカラーバリエーションの変更が続けられます。
他には大きな仕様変更がないまま、2007年モデルではキャブレターがFI化されました。
このときにハンドルバーを30ミリ短縮されています。
30ミリ(3センチ)というわずかな差だったのですが、試乗してみるとなんとも操作がしやすいのです。
そうなると、世のバイクは全てハンドルバーの幅を小さくしたらいいんじゃない?なんて思いがちです。
しかし、そのバイク独特のフィーリングがありますし、TRならではといってもいいのでしょう。
当時、試乗したくらいの知識で「TRがすごく良くなったよ」なんて友人知人に吹聴しまくってましたね。
結果的にTRの発売中に大きな変更はFI化とハンドルバー幅の変更くらいでした。
逆に言えばすでに完成されたバイクであって、いじりたくないというカワサキの思惑もあったのかも。
だからこそ、登場からすでに終了フラグが出ていたのかもしれません。
以降も、カラバリ変更のみでモデルイヤーを重ねていきます。
そしてついに2013年モデルでカタログ落ち…ファイナルエディションなどのイベントもないまま静かに消えていきました。
※TRがずっと追っていたのですが2010年のみカラバリの変更すらなかったかも…。
250TRのインプレッション
70年代の話が出たのでここで書いておきます。
1970年6月に販売を開始。
この初代250TRに搭載されているエンジンは、当時の上級車種である350TRと基本的に共通でした。
ボアだけを80.5mmから68mmに小さくした空冷2ストロークロータリーディスクバルブ単気筒エンジンで、最大出力23.5psを発揮したのです。
パワフルで伸びの良いエンジンは、当時のライバルヤマハのDT-1やスズキ・ハスラーTS250を凌ぐものだったと言われています。
2代目250TRは2001年の東京モーターショーで発表。
2002年1月の販売です。
基本的な外観は初代と変わらないシンプルなものですね。
エンジンは、排気量249ccの空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒を搭載。
250ccクラスのバイクは、ほぼ試乗してきましたがTRの印象は乗りやすさとポジションの楽さが特に印象的でした。
250ccバイクというとちょっとこじんまりした、言ってしまえば小さくまとまった感があったのですが、TRに関してはそんなことはありませんでした。
最大パワーは14kW/19ps、最大トルク18Nmを発揮します。
スペック的には至って普通なのですが、普通こそがビンテージバイクの強みであったと言えるでしょう。
70年代のバイクをどれだけの人が知っているのか疑問でしたが、当時のバイクが蘇った…ということでほかのストリートトラッカーよりも話題性があったような気がします。
250TRのスペック
BJ250F型250TRの諸元 | |
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画像はカワサキモータースジャパンより引用 |
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車両型式 | BA-BJ250F |
お値段 | 349,000円 |
備考 | 車重は概算値 [乾燥重量134kg] |
排気量 | 単気筒249cc |
最高出力 | 19PS[14kW]/7500rpm |
最大トルク | 1.8kgm[18Nm]/6000rpm |
60kmh燃費 | 43.0km/L |
全長幅高 | 2100mm/870mm/1095mm |
面積&体積 | 1.827m²/2.001m³ |
地上&座面 | 165mm/775mm |
車両重量 | 144kg |
タイヤ | 前:90/90R19 後:110/90R18 |
ブレーキ | 前:ディスク 後:ドラム |
他メーカーより出遅れた感じでしたがカワサキが好きだからいいんです。
250ccにはエストレヤがあるじゃん…なんて声もありましたがバイク乗りとしてはバイクの車種が増えることが何よりも喜びだったりしますからね。
何よりも新型バイクが出るとウキウキしたものですし、なんとか試乗したいなと思ってましたね。
大型バイクとなると試乗するのも気が引けたりするのですが、250ccバイクでしたらピクニック気分で試乗できます。
一番最初に試乗したときに感じたのが、視点の高さですね。
シート高が高いというよりも、前傾にならないライディングポジションが原因でしょう。
ハンドルがグイッとこっちに体に寄せているような感じです。
決して窮屈といった感じではなく、乗りやすさや安定感を感じましたよ。
基本部分はエストレヤなので兄弟車といってもいいでしょう。
乗り味というかスピード感とかはまんまエストレヤです(つまりあまり速くない…)。
外観はTRにも味があったので、好きだったのですがエストレヤの陰に隠れていたような感じです。
ただし、ストリートトラッカーの中ではTRが一番だったと思いますけどね。
みんなのインプレッション
「トントントンとリズムの良いエンジン、軽いしブロックタイヤなので林道も 走れそう」
「ストリート系の単車になるんやろうけど、もっと落ち着いた雰囲気で乗れる。普段の足代わり、休日のツーリングにはもってこいでしょう。流すだけで、ゆったり気分が味わえます。それにしても、もっと売れると思ったけど、まだあんまり見かけへんね。」
「そんなに重くないので取り回しがしやすい。もっと遅いか、と思ったが、普通に走ってる分には苦に感じない程度の性能。下のほうが重視されてるせいか、街のりでの加速は良好。スタイルが昔のオフ車っぽくっていい感じ。燃費がいい。長時間乗ってもそれほど(他のオフ車と比べて)ケツが痛くならない。ストロークが若干長いため、いきなりダートになっても何とか対応できる。」
「TW,グラストラッカー、FTRより、俺はかっこいいと思っています。とても乗りやすいし、改造いろいろ楽しめると思いますね。まだ免許をとって1日ですが、事故に気をつけて長く乗っていきたいです。」
「 ヴィンテージ感あふれる外観。ノーマルのままでもカッコいいと思う。後、乗りやすいこと。 ちょっとそこまでって時でも気軽に乗れる。 遅いと言われてるが250・単気筒なので、短所にはならないでしょう。 高速以外ではキビキビ走れて楽しいです。」