カワサキのZRX1100が登場したのは1996年です。
1100ccの大排気量ですから、当然海外仕様でした。
その後、さらなる進化を遂げていったZRX。
2003年に登場したZRX1200Rからは海外仕様の他に国内仕様とがラインアップしました。
そして、2009年に国内専用モデルのZRX1200DAEG(ダエグ)が誕生。
ダエグ…聞き慣れない言葉ですが、ベーシックな流れを汲みながら、進化・飛躍したという意味が込められているそうです。
国内専用モデルということで、ハンドルのグリップ位置をライダー側に近づけるなど、日本人の体型に合わせたコンパクトなポジションへと変更されています。
どんなバイク?
2001年にZRXは1200ccに排気量がアップしました。
1100の時代から、街乗りにもワインディングに、そしてツーリングに大活躍。
特にシート下の巨大な収納スペースも大人気でした。
申し訳程度に存在するビキニカウルも、実際に高速道路を走ると、以外にも防風性能を発揮してくれました。
そして、日本人のために作られたダエグ。
ここからZRXはFI化されました。
排ガス規制に対応するのが目的ではあったのですが、国内専用モデルということで、性能もしっかりアップ。
ZRX1200Rの国内仕様モデルが95psだったのに対して、110psにパワーアップしています。
目立たない部分でも、カムプロファイル、バルブスプリング、ロッカーアームを仕様変更しフリクションロスを低減したのは通好みな部分でした。
さらに、低中速域での性能向上のため、吸気バルブ径を変更するなど、全回転域にわたって、レスポンスやパワーフィールの向上を図ったのです。
走行性能の向上のために、フロントフォークのオフセット量を28mmから30mmに、トレール値を108mmから100mmへと変更したり、フレームからブレーキ、さらにはホイールやサスペンションまで細かな仕様変更が行われています。
国内専用モデルということで日本人のために細部までこだわった、まさにジャパニーズスタンダードといったバイクがダエグだったのです。
ZRX1200DAEGのライディングポジション
気になるライディングポジションがこちら(ライダー/身長:178cm 体重:78kg)。
リヤシートとの高低差が少ないので乗り降りがとてもしやすく、座ってみると座面が広くライディングポジションの自由度も非常に高い印象です。
形状によるところも大きいのですが、シートが内モモに干渉しないので足着き性のよさに貢献しているといっていいでしょう。
また、ハンドルまでの距離もちょうどよく、近からず遠からず、ムリのない乗車姿勢がたもてます。
エンジンはブラック塗装がほどこされ、車体カラーとマッチして落ち着いた雰囲気となっていたのも好印象でした。
ZRX1200 DAEGのスペック
ZRT20D型ZRX1200 DAEGの諸元 | |
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画像はカワサキモータースジャパンより引用 |
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車両型式 | EBL-ZRT20D |
お値段 | 1,120,000円 |
備考 | ダエグ |
排気量 | 直列4気筒1164cc |
最高出力 | 110PS[81kW]/8000rpm |
最大トルク | 10.9kgm[107Nm]/6000rpm |
60kmh燃費 | 25.8km/L |
全長幅高 | 2150mm/770mm/1150mm |
面積&体積 | 1.655m²/1.904m³ |
地上&座面 | 135mm/795mm |
車両重量 | 246kg |
タイヤ | 前:120/70R17 後:180/55R17 |
ブレーキ | 前:Wディスク 後:ディスク |
本当に乗りやすいバイクです。
重量はそれなりにあるのですが、その重さを感じさせません。
取り回しも非常に楽です。
重心が低いからかな。
もともとZRXというのは取り回しのしやすいバイクですからね。
シートも分厚くて乗り心地もいいし、ツーリングには最適でしょう。
もちろん、街乗りも難なくこなしますし、峠でも速いです。
カワサキならではの無骨なイメージはありませんが、カワサキにこういうバイクがあってもいいでしょう。
日本仕様でパワー不足…なんて超えも聞こえてきそうですが、それでも110psは必要十分ですよ。
まず、クルマにひけを取ることはありません。
バイクでもSSには負けてもメガスポーツなら付いていけるかも??無理はしないようにしてください。
みんなのインプレッション
「大型免許取得後、「運転をうまくなりたい!」と行きつきのバイク屋の人に相談したところ、このバイクを薦められ試乗後そのまま購入。
いまいちデザインが気に入らず納車までドキドキだったが、いざ手元に来ると外見の好みはキレイさっぱり飛んで行き、乗り味に夢中になっております。」「初バイクで通勤からツーリングまでこれ1台だが特に問題ない。取り回しも慣れれば気にならない。初心者でも楽しめる裾野の広さと極めれば相当攻めれる懐の深さを持った面白いバイクだと思う。」
「今までは、スーパースポーツを乗り継いできまして、やっぱりバイクはスーパースポーツが1番と思っていましたが、ダエグに乗ってから、少し考えが変わりました。走るのはサーキットではなく一般道なので、そこに合ったバイクを選べたと思っています。カッコ良さでもスーパースポーツにひけをとりませんしね(笑)。」
「ツーリングは、いくら走っても疲れる事がありませんでした。ポジションもアップライトではありますが、妙にしっくりときます。それになんといっても250kg近い車重があるのに、全体的にコンパクトで、走行中はもちろん、押して歩くときも、それほど重く感じないところは非常に良くできていると思います。」
「ビキニカウル付きのスタイルも好みが分かれるかもしれませんが、全体にメリハリの効いたスタイリングがとてもカッコいいです。KAWASAKIが作り上げた「優等生なバイク」だと思います。」