ホンダキャビーナ90…業務用ではない傘バイクでは今でもオンリーワン

屋根なしなのがバイクの常なのは重々承知ですが、バイクに屋根を付けたら…。

バイク乗りとしては邪道の域に思えますが、バイク好きなら誰でも考えたことがあるのでは?

“傘バイク”と揶揄されることがあるのですが、やはり何台か市販されています。

その中でも一般向けとして人気だったのがキャビーナなんです。

どんなバイク?

バイクに限らず、人気商品であれば“例外”とか“唯一無二”とか“異端児”とか“オンリーワン”…とか、今風にいえば“ではない”モデルが登場することが稀にあります。

人気モデルがスタンダードだけに、“異端”と言われるモデルは真逆なだけにそれだけでインパクトがあります。

まあ、“異端”であるがために出始めは脚光を浴びるのですが、すぐに廃れてしまうのも世の常で…。

バイクにもたまに“異端モデル”が誕生します。

それが1994年9月に発売されたキャビーナです。

スクーターバイクにウィンドスクリーンが…ここまではわかるのですが、そのスクリーンが上に延びて湾曲してシートまですっぽりと覆っているのです。

まあ、ウィンドスクリーンではなく“ルーフ”なのですが。

明らかに雨を意識したものなのは明白で、それだったらワイパーが欲しくなるよね…なんてことも意識して、しっかりワイパーが付いてます。

ここまで書くと、バイク通にはキャノピーがあったよね…と出てくるはず。

1990年に登場したジャイロキャノピーのことなのですが、こちらはビジネスユースでした。

ピザ屋さんが使っていたタイプですね。

対してキャビーナはパーソナルユースを想定しています。

車種ですが、原付1種と2種モデルの2車種、それぞれ50ccと90ccが発売されました。

キャビーナ90は、排気量89ccの空冷2スト単気筒エンジンを搭載。

通常なら2人乗りも可能ですが、形状から1人乗り仕様となってました。

で、売れたのか…ということなのですが結果的に2000年で生産終了になっています。

ということは6年間は販売されたということで、“そこそこ”売れたのでは?といった印象です。

ただし、キャノピーがしぶとく生き残っていることを考えたら、パーソナルユースでは受けなかったんだろうなという印象です。

理由としては、極端な重心設計と同クラスのスクーターとしては高額設定であったこと。

さらに、重い、取り回しがしにくいなど、欠点がけっこうあがってしまったこと。

乗ってみないとわからないというか、乗ればわかる欠点が多いのが難点だったのです。

ちょっとした雨なら平気、オープンヘルメットで目に異物が入らない、シート下が広大(メットイン)なことくらいしか、メリットが見当たらないというか“ちょっとした雨なら平気”が売りのバイクですから。

生産終了前に、ルーフを外せるコンパーチブルタイプが発売…ではなくモーターショーかなにかで参考出品されたという迷走が一瞬あったようですけどね。

キャビーナ90のインプレッション

試乗したことはありません。

知り合いがキャビーナ90を所有していました。

90年代当時はバイクの免許を持っていなかったので、乗ることもできず…。

横殴りの雨はダメだけど、ちょっとした雨はしのげるし、何よりワイパーが付いてるのがいい、なんて言ってました。

実際に通勤で使って重宝していたようです。

50ccタイプにはスタンドアップ機能(自動でスタンドしてくれる!)が付いていたそうです。
※下の動画は50ccのスタンドアップタイプです。

キャビーナ90のスペック

HF06型キャビーナ90の諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 HF06
お値段 299,000円
排気量 単気筒89cc
最高出力 8.2PS[6.0kW]/6750rpm
最大トルク 0.96kgm[9.4Nm]/4000rpm
60kmh燃費 38.1km/L
全長幅高 1845mm/680mm/1670mm
面積&体積 1.255m²/2.095m³
地上&座面 100mm/670mm
車両重量 110kg
タイヤ 前:100/90R12|後:110/80R10
ブレーキ 前:ドラム|後:ドラム

↓キャビーナ50の走行動画です。

重量がけっこうあります。

そして、通常のスクーターと変わらないパワーなので鈍重な走りはどうしようもなかったようです。

批判的な記事になってしまいましたが、気になるバイクでした。

バイクの免許取ったらセカンドバイクにいいかな…なんて当時は思ったのですが、免許取得時にはすでに生産終了。

アドレス110を購入しました。

みんなのインプレッション

「 傘バイクであること。土砂降りでない限りカッパ無しも可能。(濡れることは濡れる、停車時の足とか)メットインスペースが大きい。バックミラーが上方に畳める。ハイマウントストップランプ(笑)付き。屋根付きにもかかわらず車体は軽快。安定性も問題なし。屋根付きなので露天、カバーなし駐車でも電装,ワイヤー類の傷みが比較的少ない。」

「◎2輪とは思えない卓越した居住性・・・だって屋根があるんだもん。雨中走行を前提にした設計・・・少々の雨ならカッパ不要。雨宿り可。実は意外なほど超低重心・・・従ってシートの作りと足つきの良さは一級品。

△2輪とは思えない”倒さない”ライディング・・・だって屋根があるんだもん。雨中走行を前提にした設計・・・だからって車重100kgに前後ドラムブレーキは無いだろう。実は意外なほど超低重心・・・あまりの安定感に思わず両手両足離しをやってしまう(笑)。」

「◎屋根がついているから多少の雨はしのげる。屋根がついているから暴風効果は万全。屋根がついているからそれを支えるべく安定したボディ。屋根がついているから乗り心地がよい。屋根がついているからピラーにいろいろ巻き付けられる。(搭載できる)

△屋根がついているから重い。屋根がついているから空気抵抗が多い。屋根がついているから遅い、加速が鈍い。屋根がついているから改造パーツが皆無。屋根がついているから2人乗り不能(法律的に)」

「「屋根がある」というだけで、すべての短所が許せる。雨が楽しく、かつ、渋滞も自由自在に擦り抜けられるバイクは他には無い。 発進加速は良好。30キロ台のみ少々鈍る以外は、70キロまで順調に加速し、最高速85キロまで可能。」

「◎車とバイク(スクータ)の両方のメリットを可能な限り兼ね備えたとても素晴らし い乗り物、移動手段、買い物の足です。雨がしのげる。多少濡れるけど屋根無しに比べたら快適性は天と地の差!急に雨が降ってきても悲壮感はなく、雨の中運転しても疲れない。ヘルメットのシールドを走りながら拭う必要がない。そのため運転に集中できます。冬以外はシールドをいつも開けて走っています。風防効果が絶大。普通のスクータに比べれば全然楽!特に冬。」



おすすめの記事