カワサキWの血統…クラシカルバイクの金字塔…W650の魅力

オールドスタイルで街乗りでは注目を浴び、オフロードもこなす。

なによりも回せば速い…オーソドックスでありながらオールマイティ。

どのようにも形容できる万能タイプで唯一無二なバイクがW650なんです。

バーチカルツインエンジンの美しさ

バイクのラインナップの中でもカワサキ「W」のブランドは息の長さ他メーカーの追随を許しません。

W1からだとヤマハのSRよりも長い歴史を誇っているのです。

デザインや雰囲気だけでも、見ていて飽きません。

これほど所有欲を満たしてくれるバイクもないでしょう。

そして、Wの継承はバーチカルツインエンジンの継承でもあります。

古めかしさを感じつつも、その時代に合った変化や進化を遂げてきています。

とはいってもWシリーズもW650が1998年に登場するまで、20年以上の空白があります。

それでも、バーチカルツインエンジンを復活させたカワサキの心意気に当時は拍手喝采でした。

W650の後継のW800もすでに生産終了していますが、バイク然としたW650のシルエットは今でも人気が高いものがあります。

ロングセラーのバイクですから、台数も多く中古車市場でも多く見ることができます。

昨今の傾向として、台数が少なくなると中古車でも価格が上がるケースが多く、本当に乗りたいのであれば、今のうちに中古車を探しておいたほうがいいかもしれません。

ローハンドルとアップハンドルの二つのバージョンがあります。

スポーツライクに楽しみたいなら、間違いなくローハンドルを選びましょう。

『彼のオートバイ、彼女の島』に登場

かつてのWシリーズを復刻する形で1999年に発売されたのがW650です。

Wシリーズといえば、映画通なら思い出すのが『彼のオートバイ、彼女の島』でしょう。

片岡義男の小説を大林宣彦監督が映画化したものです。

登場したバイクは、650RS-W3。

オートバイという題名でありながら、登場シーンはそれほど多くはありません。

それでも、Wのかっこよさを語るには十分すぎる内容でしたよ。


↑出発のシーンです。

Wといえばこの映画です。

サイドスタンドを軸にしての取り回しとキックスタート…渋すぎて今でも胸がキュンとなる映画ですよ。

1999年に登場したW650

かつてのロードスポーツWシリーズを復刻する形でで、1999年から発売されたW650。

往年のWは当維、スーパースポーツの位置づけだったのですが、20世紀末という時代においては、W伝統のバーチカルツイン(並列2気筒)エンジンに、造形の美しさや回転のフィーリングを求めた形となりました。

カワサキにはZZRやZXなどのZシリーズがありましたからね。

W650は「美しいモーターサイクルを作る」というカワサキの思いが結集したモデルとなりました。

もちろんW復活といったユーザーの強い思いがあったのも事実。

こだわりは細部にわたります。

例えば、空冷エンジンのシリンダーに取り付けられる冷却用のフィン。

ここにさえ、形や枚数へのこだわりが示されるほどでした。

カムシャフトをベベルギアで駆動する675ccの並列2気筒SOHCエンジンは、パワーの追及だけではありません。

味わいを表現することが主眼になるなど、W650は一貫してライダーの感性に訴えるモデルとなりました。

Zシリーズがあるおかげで、走りを追求する形にしなくても良かったのもW650にとっては幸運でしたね。

好感を持って迎えられたW650は、約10年間続き、2009年4月に発売された「ファイナルカラー」(モデルイヤーは2008年)で生産終了しました。

そして、その2年後に登場するW800へとバトンを渡したのです。

EJ650A型W650の諸元

画像はカワサキモータースジャパンより引用
車両型式 BC-EJ650A
グレード Up-Handle
お値段 720,300円
備考 最終モデル
排気量 直列2気筒675cc
最高出力 48PS[35kW]/6500rpm
最大トルク 5.5kgm[54Nm]/5000rpm
60kmh燃費 37.0km/L
全長幅高 2180mm/905mm/1140mm
面積&体積 1.973m²/2.249m³
地上&座面 125mm/800mm
車両重量 211kg
タイヤ 前:100/90R19 後:130/80R18
ブレーキ 前:ディスク 後:ドラム

・発売時価格:¥686,000

W650みんなのインプレッション

「まず音。見た目にも美しいバーチカルツインエンジンは本当に静かでスムーズ。ツインだけど「ドッドッド」じゃなくて「トゥルルルルッ」という感じ。個人的に音の大きいエンジンは好みでないこともあって音に関しては100点です。昔のW1の様な音を期待しているとガックリくるかも。その辺はマフラーの変更で対応できるのではないでしょうか。次にスタイル。メッキパーツが多いのでそれだけでも絵になるし、70年代を感じさせるデザインも逆に新鮮な味わい。最新のエアロフォルムも好きですが、W650をみるとホッとします。あまり早そうではないです。走っているより停まってる方が絵になる感じですね。」

「 低速域での高トルクと鼓動感、中高速域での伸びのよさとおとなしさ。高いギアでの好リスポンス。取り回しが楽(174センチの私にぴったり)。セルとキック、状況・気分により使い分けられる。シブい。美しい。磨きがいがある。乗っていると、ホントに幸せな気分になる。」

「スタイル。古いようで古くない。それでいて落ち着いている。ローハンドルの方がかっこいいと思う。エンジン。単気筒エンジンを2つつなげたようなゴロンゴロンと回る感覚。中低速だけでなく上も結構回る。知らず知らずのうちに速い。音が静か。アイドリングはまるでスーパーカブのよう「とるるるる・・」。少し負荷をかけると「どるるる」。ブレーキも効く。ハンドリングも素直。まっすぐ走る。きちんと曲がる。 車体が軽いのと重心が低いので取り回しやセンタースタンド掛けがとても楽。」

「 やっぱりあの鼓動感。1000~3000rpmでのトルクフルな感触はもう幸せぇーってな感じです。今のところ振動(鼓動感とは別の)も少なく、低排気音、低燃費、操作系も軽いんでマジで日本1周したくなります。磨けば磨くほど輝くのも良いですね。」

「取り回しがよい。400並です。乗ると250オフロード並に軽いハンドリング◎。低回転でも走れて(1500回転から)シフトが楽。音が静かで、一般市民の反感を買わないです。エンジン等がピカピカでキレイ。」

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