カワサキ・W800…Wの系譜は永遠に

1999年に登場したW650。

カワサキ開発陣の「美しいモーターサイクルを作りたい」という思いを具現化したモデルです。

そのW650が2008年に生産終了。

Wは終わった…誰もがそう思っていたときの2011年2月に登場したのがW800だったのです。

どんなバイク?

直立した2気筒エンジン…これがWの車名の由来です。

オーソドックスなダブルクレードルフレームと前19インチ・後ろ18インチの大径スポークホイールといった車体の構成は前身のW650の発展モデルそのものでした。

実際、見た目的には大きく変わったところを見つけるのが難しいといっていいでしょう。

Wを復活するうえで通さなくてはいけないのが排ガス規制です。

そのためにFI化されていて、そこが大きな変更点といっていいでしょう。

もちろん、車名の通り排気量は800ccにアップしています。

その後大きな仕様変更もなく、毎年色変更のみ行われていきます。

そして、2016年7月にファイナルエディションが発売されるのです。

もっとも、伝統の空冷エンジンは排ガス規制をクリアすることは難しく、W800も時間の問題では…なんて言われていました。

しかし、2018年11月にW800の復活がアナウンスされます。

この時期ヤマハのSRなどもそうなのですが、ファイナルエディションが発売されても翌年には復活するような、「やめるやめる詐欺」が横行した時期でもあります。

モンキーも生産終了しても、すぐに125ccで復活しています。

その流れでゴリラも…なんて願わずにはいられません(買わないけど)。

復活したのはW800ストリートとW800カフェの2スタイル。

もちろんというか当然というかk空冷エンジンはそのままでの復活です。

Wが水冷になったらファンは離れてしまうでしょうね。

そして、従来型では19インチだった前輪は18インチとなりました。

ブレーキは後輪もディスク式に変更。

ABSとアシスト&スリッパークラッチも装備(ABSは義務化ですからね)。

この「ストリート&カフェ」の2スタイルでいくのかと思いきや、2020年モデルでは“W800”が復活します。

元祖である、650ーW1を彷彿とさせるようなクラシックスタイルでの登場。

これこそがW800の真打ちといっていいのかもしれません。

W800のインプレッション

W650がすごく好きで、いつかわWに乗ろうと思ってました。

途中試乗したW400がすごく気に入って、「買っちゃおうかな」なんてさくらん気味に思ったのは若気のいたりだったのでしょうか。

あのときの自分はどうかしてましたね。

で、W800なのですが、ロッパンよりもこっちのほうがいいのは間違いないでしょう。

古いバイクよりも新しいバイクのほうが結果的に長く乗れますからね。

で、試乗会があると聞けば駆けつけ、プラザでもことあるごとに乗せてもらってました。

なので、オーナーでないわりにはW800にはよく乗ってるかも。

やっぱりいいですね。

細かい部分を指摘するほどマニアックではないので、感覚的な部分が多くなってしまいますが、何よりも乗りやすいポジションです。

直立よりもある程度前傾のほうが楽なのですが、それがW800はドンピシャなんですよ。

これは、個人差があると思うので万人に向けてというわけではないのですが、シートの自由度も高いので多くの人にはまりそうです。

そして、なによりもメッキが輝いているところ。

これは磨き甲斐がありますよ。

ずぼらな人には向いてないバイクかもしれませんね。

そして、スピードもそこそこ出ます。

ここはやはり800ccのパワーでしょう。

トルクも太いので、SSではない限りそれほど遅れを取ることはないと思います。

ただし、高速道路で走ってないのでそこがちょっと悔やまれますね。

いずれにしても所有感を満たしてくれるバイクであるのは間違いないでしょう。

ほんとにかっこいいバイクです。

W800のスペック

EJ800A型W800の諸元

画像はカワサキモータースジャパンより引用
車両型式 EBL-EJ800A
お値段 874,800円
排気量 直列2気筒773cc
最高出力 48PS[35kW]/6500rpm
最大トルク 6.3kgm[62Nm]/2500rpm
60kmh燃費 33.0km/L
全長幅高 2180mm/790mm/1075mm
面積&体積 1.722m²/1.851m³
地上&座面 125mm/790mm
車両重量 216kg
タイヤ 前:100/90R19 後:130/80R18
ブレーキ 前:ディスク 後:ドラム

いつかはW650と思ってて、でも試乗するとけっこう重たいな…じいさんになって乗れるかな…なんて思ってました。

最晩年はカブに乗るのは決定してて、できるだけ長くバイクライフを楽しむために体は鍛えています。

で、W650が生産終了するときになんとなくWってすぐに復活するでしょ…なんて根拠のない思いもあったりして。

W800が出たときは「ほらね…」なんて思ったものです。

でも、カフェは年配ライダーにはちょっとなあ、ストリートはまあまあいいけど(ちょっと不満)。

そんなときにクラシックタイプのW800が復活。

W1時代はさすがに知らないけど、クラシカルな雰囲気は伝わってきます。

「いつかはWに…」なんてこっちも“いつかは詐欺”みたいなものですが、常に気になる存在ではあるんですよね。

みんなのインプレッション

「下道(ハイペースで走れる田舎道)80%、ワインディング、細い山道20%で燃費は25km/リッターでした。燃料タンクは14リッターなので航続距離はまずまずでしょう。。」

「リッターマルチに比べ、取り回しは楽。車重の軽さもあり、立ちごけの心配はあまりなさそう。車重の軽さと細めのタイヤの相性が良く、ワインディングでヒラヒラと倒しこめる、操縦性の良さ。」

「W800は排気音とツインエンジンの鼓動の味わい深さと楽しむことのできるバイクです。低回転から大型車らしいトルクに任せて、ゆったりと走ると、そこにW800の世界観が広がります。」

「価格はデザインにコストをかけていると思えば妥当ですし、カスタマイズせずにまんま乗れるのでコスパは良いと思います。」

「とても歴史のあるバイクの進化版。これが好きって人には最高の相棒になるかな。W800は引き算の美学的バイク。必要かつ十分な装備だけで仕立てられてる。唯一欲しいなと思うものは燃料計ぐらい。もしZ900RSなんかと悩まれてる方なら、Zがいいかもしれないです。このバイクはフィールが合わないと台無しです。」



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