CRM250Rが発売されたのは1989年4月のことです。
水冷式の2ストロークエンジンを搭載した本格派のオフロードスポーツモデルでした。
当時、ホンダは国内外でモトクロスレースに参戦していましたが、その2ストレーサーのCRシリーズの行動向けモデルがCR250Rだったのです。
どんなバイク?
公道向けのCRMシリーズとしては、CRM50やCRM80が88年に登場していました。
それらに続く第3モデルということになります。
CRM250Rを一目見ると、車体の中心に重量物をギュッと集めているのがわかります。
それによって運動性を上げているのですね。
また、整備性を高めるためにリアフレームを分割式としています。
フレームの一部はオイルタンクを兼ねているという徹底ぶり。
96年に生産終了となるのですが、91年と94年にモデルチェンジが行われています。
91年では、PGM-RCバルブと呼ばれたデジタル制御の可変排気孔バルブシステムを搭載しています。
これによって、フロントフォークが倒立式になり、よりCR250R(レーサー)に近くなっています。
94年には要望が強かった燃料タンクの大型化(11リットル)、トルクの向上による1~2速ギアのハイレシオ化が行われています。
このときさらに、フレーム一体型だったオイルタンクの別体化も行われています。
登場からわずか5年での大幅なモデルチェンジとなったのですが、96年に生産終了しました。
これは、翌97年に登場した発展的モデルのCRM250ARへの布告でもあったのでしょうね。
「AR燃焼エンジン」という画期的なエンジンが衝撃的でした。
CRM250のインプレッション
250ccクラスのオフ車としては40psというパワフルな馬力を誇っていました。
2ストエンジンなので、4ストに慣れているとこのパワーはすごいといっていいでしょう。
実車に乗って体感したことはありませんが、走行シーンを見るにつけ、まさにかっ飛んでいる印象でした。
基本ベースがオフレーサーのCRなので、それに公道仕様の保安部品を付けたような過激なルックスがオフ車好きにはたまらなかったと思います。
期待を裏切らないようなハードな走りができたようですよ。
ユーザーの希望を受け入れて、発売期間が短かったにもかかわらず2度のモデルチェンジを受けています。
そういったホンダの姿勢も好意的に迎えられましたね。
2型で倒立フォークを採用、94年の3型では、エンジン特性などの変更といった大きな進化が図られたのです。
CRM250のスペック
MD24型CRM250Rの諸元 | |
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画像は本田技研工業より引用 |
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車両型式 | MD24 |
お値段 | 439,000円 |
排気量 | 単気筒246cc |
最高出力 | 40PS[29kW]/8000rpm |
最大トルク | 3.7kgm[36Nm]/6500rpm |
60kmh燃費 | 32.4km/L |
全長幅高 | 2160mm/840mm/1220mm |
面積&体積 | 1.814m²/2.214m³ |
地上&座面 | 320mm/885mm |
車両重量 | 127kg |
タイヤ | 前:3.00-21 後:4.60-18 |
ブレーキ | 前:ディスク 後:ディスク |
過酷に扱われがちなオフ車なので、フレーム剛性が強いのは当たり前。
スペックも高く、安全な運転をするには、まずはフレームに注目してほしいところです。
レーサーのCR250Rで磨き上げられた技術を駆使して、軽量で剛性、低重心など計算されたフレームが素晴らしい車体です。
車体の真ん中にギュッと集めましたといったフォルムも斬新でしたね。
フレームと一体化したオイルタンクにも目を引きました(これはモデルチェンジで別体化しましたが…)
そして極太のフロントフォーク。
インナーチューブ径が45㎜ですよ。
オフ車は性に合わないので保有したことはありませんが、CRMは保有したいなと思ったバイクでした。
後年ではヤマハのWRもそうでしたね。
かっこよさではWRなのですが、質実剛健という意味ではCRMでしょう。
みんなのインプレッション
「走っている限り、ほとんどどこも走れてしまう。パワーがあって、街乗りでもオンロード車についていける。」
「 エンジンにパンチ力があるので、追い越しがしやすい。また、車体が軽いため、駐車時に手で持ち上げてずらせるので、何度も切り返す必要が無い。以外に燃費が良い。フツーに乗りやすい。」
「パワー抜群。全開時には1.2.3速でフロントの接地感がまったく無い。 始動性良好。フレーム強靭」
「2stらしからぬ低速トルク。よって街中でも乗りやすいのです。パワーも80キロまではぐんぐん伸びるし、峠でもパワーバンドをはずさなければ良いペースで楽しめる。オフロードの走破性も良い。なにしても壊れない(言い過ぎ)。非常に丈夫なことは確か。」
「①とにかく速いっす。250の単気筒とだけ聞くとフーンて感じですが、2stは凄いですわ。下から上までドガーーーンと吹け上がります。最高速もぬえわk 位は出ます(若干の恐怖と戦いながら)
②そして、低速トルクが2stらしくなく豊かで乗りやすいです。見た目がフルサイズで大柄に見えますが、乗ってしまえば非常に扱いやすいキャラクターで、初心者でも扱えるでしょう。
③そして耐久性ですが、40000km走った時点でピストン、シリンダー共傷ひとつなく、さらにオイル膜を保持する溝がしっかりとシリンダーに残っていました。これには驚くとともにめっきシリンダーの耐久性は安心できます。ただし、汚れは相応でしたが。
④オフロードの走破性は良いです。林道にも行きましたがクラッチに頼ることなく走れますし、このパワーは頼りになります。コース走行でも足回りの良さと低速トルクでビギナーにはレーサーより楽に早く走れます。ネックは重量でしょうか。
⑤燃費はまぁ2stにしては良いほうです。」