原付2種不毛の時代に輝き続けたホンダ・エイプ100

2000年代は原付2種不毛の時代でした。

最大手のホンダでも原付2種のラインナップはスクーターばかり…。

その中にあって輝いていたのがエイプ(ape)100だったのです。

エイプ100ってどんなバイクだった?

エイプは50ccタイプと100ccタイプの2車種でエイプ50が登場したのは2001年、エイプ100はその翌年の2002年に登場しました。

残念ながら2016年に生産終了となりましたが、約15年間、空冷4サイクルエンジンとキャブレターを搭載する貴重なモデルとして君臨しました。

元々、原付1種2種クラスはバイクの中でも気軽に乗れるカテゴリーです。

しかし、ミッションタイプのバイクは2003年にベストセラーだったCB125Tが生産終了して、バトンタッチした形のエイプ100のみとなってしまいました。

エイプ100の登場時は直立エンジンということでも注目を浴びましたね。

それと、見た感じが小振りなので、モンキー50を一回り大きくしたような大きさもあって、当時はちょっとした「ミニモト」ブームとなりました。

エンジンは往年のCB50系から発展。

フレームはXR80Rがベースになっていました。

オフロードテイストなのはそのせいでもあったのですね。

もっとも、まったくの兄弟車であるXR100がありましたが…。

派生バイクも多く、それがさらにカスタムブームをも加速させていきました。

もちろん、ノーマルで乗っても楽しく、他にライバル車も少ない中でエイプ100は大人気モデルとなりました。

このあたりは、ホンダの戦略もうまいですよね。

数少ないライバル車をあげると、カワサキのKSR110でしょうか。

コンセプトは若干違うのですが、どちらも似たような大きさでライバル比較することも多かった気がします。

エンジンにしてもフレームにしても往年のバイクの派生型でもあったので、設計は古いものでした。

そのため、2008年には排ガス規制を受け手生産終了の危機が訪れます。

多くのキャブレータ-モデルが生産終了となった年です。

ここを、エイプ100は触媒とキャブレータ-ノセッティング変更で乗りきります。

※この年兄弟車であるXR100は生産終了となります

この頃を境に、キャブ車がFI車に置き換わっていく中でキャブ車自体が貴重となっていきました。

この時期に前後ディスクブレーキ仕様の「TypeD」が発売されました。

2016年に惜しまれながら生産終了となりましたが、その系統はグロムにしっかりと継承されているところが嬉しいところですね。

乗るほどに楽しいバイクだった

2000年代は多くの人がエイプ100に感謝しているのでは…。

そのくらい、当時のラインナップはスクーターばかりだったのです。

乗る楽しさを感じるには物足りなさがあったのは間違いありません。

その中にあって、エイプ100は信頼性が高くタフな空冷4ストロークOHC直立エンジンを搭載。

そして、一般的なバイクと同様の5速リターン式ミッションを採用した小振りながらも立派なスポーツモデルだったのです。

基本的な部分もさることながらカスタマイズして遊べるのもエイプ100の魅力でしたね。

とにかくチューニングパーツが豊富だったのです。

肝心の走行性能ですが、搭載されている空冷4ストロークOHC直立エンジンは、ものすごくパワーがあるといったパワーユニットではありません。

小振りなことと原付2種であることを考えたら当然なのですが…。

それでも、低回転から高回転までなめらかに回るエンジンには驚かされます。

法定速度の範囲内であっても、思い切って開けれるアクセルもストレス発散にはもってこいです。

大排気量のバイクではそうはいきませんよね。

発進加速が弱めなのはしょうがないにしても、いったんスピードに乗ると公道では車に遅れを取ることはありません(さりげなく最高速度は95km/h出ます)。

そのため、いかに発進時の加速を得るか…それがポイントです。

ここはテクニックが必要なのですが、やはり左足でこっそり路面を蹴るといったアシストが一番かも。

おおっぴらにやると恥ずかしいのでさりげなく(バレずに)やるのがテクニックです。

おすすめはディスクブレーキが付いたType-Dですね。

あれが出たときはうらやましかった…。

ただし、なんとなくエイプ100も近々終了するんじゃないかなって寂しさも感じましたね。

エイプ100のスペック

HC13型エイプ100の諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 EBJ-HC13
グレード type-D
お値段 366,450円
排気量 単気筒99cc
最高出力 6.3PS[4.6kW]/8000rpm
最大トルク 0.67kgm[6.6Nm]/6000rpm
60kmh燃費 55.0km/L
全長幅高 1715mm/780mm/970mm
面積&体積 1.338m²/1.298m³
地上&座面 140mm/715mm
車両重量 88kg
タイヤ 前:120/80R12 後:120/80R12
ブレーキ 前:ディスク 後:ディスク

肝心のポジションなんですが、見てわかるとおり誰でも足つきに不安を感じることはないでしょう。

逆に大柄な人だと窮屈に感じるのでは…と思いがちですが、身長176センチでも意外なほどにポジションに余裕というかゆとりがあるんです。

※180センチ以上の身長になると途端に窮屈になるという声も…そういったときのために純正アップハンドルがありますよ。

楽なポジションなので、ちょっとしたツーリングも楽々こなしてくれますよ。

それと、バッテリーが付いてないのが最初は不安に感じたのですが、キックの始動性が良いのでノープロブレムでした。

ただし、夜間走行や昼間のトンネルは暗く感じるので注意が必要です。

エイプに乗っているときはスモークシールドは怖かったですよ。

コンパクトなサイズですが、乗る楽しさにサイズは関係ないのかも…そんなことを感じさせるバイクでしたね。

みんなのインプレッション

「小さいのに二人乗り。小さいのですり抜けも余裕。バッテリーレスで経済性も抜群。50はよくいるけど100は滅多にいない。」

「程良い小ささ、静かさ、メンテナンスフリー、 モンキーと違い、普通の感覚で車の流れに乗れて、パワー不足による危険が少ない(パワーがあるということではない)、50~60キロで流していると楽しい、狭い道、山道、どこにでも行けそうな気がする。パワーは50と違いそれなりにあり、坂道も車についていけます。免許を持っている人は100をお勧め、楽しいです」

「軽い。かわいい。シンプル。燃費良し。メンテ楽。乗ってると妙に楽しい。インシュレーター外すと加速&トップスピードが伸びて楽しい。」

「軽い。教習で乗ったCB400SFとは比べ物にならない(あたりまえか・・・)。絶対に立ちゴケしない(これもあたりまえか・・・)。意外と力強いエンジンで下から上まで使いやすく免許を取ってからの練習に役立つ。燃費がいい。なんといっても安い!」

「 とても軽くて取り回しも余裕、立ちゴケなんてありえない。小さくてすり抜けも余裕。ドコドコと走っていると楽しい。燃費がよくて維持費が馬鹿みたいに安い。始動性がよくて気軽にちょっとその辺までいける感じがよい。お金さえあればいくらでも速くできる。」

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