スズキ・テンプターは1997年発売の空冷単気筒エンジンを搭載する400ccスポーツバイクです。
クラシカルな雰囲気を持つバイクで、トラディショナルスタイルとも呼ばれていました。
ロードスポーツモデルの単気筒バイクとしては、ヤマハのSR400がすぐに思い浮かびますが、まさに正面から対抗する形で登場しました。
どんなバイク?
SRとタメを張るバイクという位置づけですが、見てもわかりますし、跨がってみるとさらに顕著なのが姿勢です。
SRは前傾するのに対して、テンプターは直立して乗ることになります。
いわゆる殿様乗りと言ったところでしょうか。
由緒正しいというか、折り目正しいというか、視界は抜群でしたね。
トラディショナルというと英国車を思い出しますが、どちらかというとそんな雰囲気のバイクです。
始動はキックではなく、セルスターターのみなのも残念というか特徴的でしたね。
テンプターのインプレッション
ミッションは5段で、ブレーキは前後ともドラム式でした。
エンジンは同時期発売されていたサベージの空冷単気筒エンジンがベースになっています。
サベージよりもエンジン出力を向上させ、低回転からもりもりの野太いトルクを実現しています(3.0kg-m/5000rpm)。
タイヤは、フロント18インチ、リア17インチでスポークホイールで前後ともドラム式ブレーキでクラシカルな雰囲気ムンムンです。
98年にはホンダからCL400が登場し、ビッグシングル試乗は活況を迎えましたが、テンプターは2000年に生産終了。
単にテンプターの終了というだけではなく、今となってはスズキビッグシングルの終焉となってしまいました。
ちょっと気になったバイクでしたが、すでに生産が終了していて、試乗する機会もありませんでした。
現車を見たのですが、“古めかしいバイク”“まっとうなバイク”といった感想でした。
なんの特徴もないバイクだったのですが、そんなところに魅力を感じていましたね。
テンプターのスペック
テンプター(1997年モデル)
型式 | NK43A |
---|---|
全長 | 2110 |
全幅 | 730 |
全高 | 1040 |
シート高 | 780 |
乾燥重量 | 159 |
燃料タンク容量 | 12 |
タイヤサイズ | 前:100/90-18 後:130/80-17 |
ブレーキ形式 | ドラム/ドラム |
エンジン | 空冷4ストSOHC単気筒 |
排気量 | 396 |
最高出力 | 27ps/7000rpm |
最高トルク | 3.0kg・m/5000rpm |
変速機 | 5速 |
始動方式 | セル |
車名の由来は、英語のtempt(誘惑する)から来ています。
それにerを付けて「誘惑する者」という意味ですね。
それにしても、1978年3月に登場したSR400を迎撃するために、各メーカーから様々なビッグシングルが登場しましたが、ことごとく迎撃・撃墜したSR400はすごいバイクです。
性能や乗りやすさだけなら、CB400SSやテンプターなんかはSR400に買ってたんですけど、SR400ほど売れなかったんですよねえ。
すでにブランド化したいたのもあったと思います。
みんなのインプレッション
「中低速の粘りはの良さは一品。空冷単気筒だから整備は楽。中低速向きのエンジン特性で町乗りはラク。」
「あんまり見かけない所、軽い所。」
「SRのように、飽きるほど出回ってないところ。でも売れてなさすぎなのも寂しい。 H型リムは文句無しに最高です。 スリムで軽く、取り回しやすい車体。 トップギアで2~3000回転でノンビリ走ると、すごく気持ちいい。」
「スリムで扱いやすい。細かい振動が無くて手がしびれにくい。2~3千回転ぐらいで流すと心地よい振動。パタパタと耕運機のような音のため、田舎道を走っていると景色に溶け込む!んなバカな。」
「車体が細いので取り回しが軽いこと。シングルとしてはエンジンが結構上まで回ることです。」
「Hリム最高やね。取り回しもいいし、SRよりもぜんぜん走ると思ったね、マジで。あとバルブがいいためなのか、アイドリングかなり低くしてもエンジン落ちない。」
「なによりもシリンダーが1本だと言わんばかりのエンジンの存在感。中低速のレスポンスの良さとねばり、高速の伸びは飽きが来ません。(メーター読み150kオーバー)振動が少なく高速長距離ツーリングも疲れが少ない。H型リムの剛性も文句なし。ブレーキタッチも慣れてしまえばよく効いてよいフィーリングです。」
「やっぱり「ビッグ・シングル」は最高です。取り回しの楽さ、車体の軽さは天下一品です。しかも低速からのトルクの太さはGOODです。エンジンも650なので音も最高です。」