カワサキのミニバイクKSR110は唯一無二の存在

カワサキKSR110は2002年に登場しました。

2ストエンジンを搭載したKSR-1(50cc)とKSR-2(80cc)の後継車です。

ミニサイズのスーパーバイカーズ(スーパーモタード)スタイルのファンライドマシンですね。

原付クラスの車格でありながら、本格スポーツだった2ストKSRとは違って、KSR110は、ミッションに自動遠心クラッチのボトムニュートラル4段変速を採用しました。

クラッチ操作なしの発進、ギアチェンジができるようになっていたのです。

スーパーカブと同じシステムです。

どんなバイクだった?

KSR110の登場から約2年半後に始まった二輪車のAT限定免許制度では、KSR110は小型AT限定免許で運転可能なモデルとなっていました。

これも自動遠心クラッチでクラッチ操作が必要ない恩恵と言えます。

また、倒立フォークや前後ディスクブレーキ、前後12インチホイールを採用といった豪華な装備も話題でした。

2004年以降はカラーチェンジのみでモデルイヤーを重ねていき、2009年4月にファイナルカラーを発表(モデルイヤーは2008年)。

そこで、日本国内のラインナップから姿を消すことになります。

一方で、海外ではモデルチェンジを受けながら、今でも生産が続けられています。

カワサキの海外向けモデルを国内販売するブライトコーポレーションの手によって、2013年に逆輸入車として導入されたこともありました。

これは、現在でも可能なようです。

なお、カワサキ製12インチホイールモデルの系譜は、2016年登場のZ125(PRO)につながっていくことになります。

KSR110のインプレッション

カブに乗り慣れていたら、KSR110は恐れるに足らないのですが、初めて自動遠心クラッチを体験するとなると、少し苦戦するかもしれません。

また、形状というかミニマムサイズから、かつてのモンキーやゴリラを思い起こす人もいるかもしれませんが、それらよりも一回り大きいです(二回りかも)。

ですから、「小さいな…」という第一印象ではあるのですが、「小さすぎる」と思うことはないでしょう。

車格を考えるとライバル車はエイプとも言えます、方向性が違うのでこればかりは好みの世界です。

見た感じは、オフロードバイクをギュッと凝縮したような感じなのですが、街乗りはもちろんですが、通勤・通学もきっちりこなしてくれます。

ちょっとしたツーリングもばっちりでしょう。

というより、カブで日本一周をするような人もいますから、KSRでも十分すぎるくらいに可能です…。

とはいっても、致命的な弱点があって、KSR110は一人乗りであり、車載性能もゼロに近いです(見たらわかりますね…)。

ですから、ツーリングバッグなどはリュックタイプにするしかなく、必然的に宿泊を兼ねたツーリングは苦しいかもしれません。

エンジンは空冷4ストロークOHC単気筒111cc。

最高出力は8.4馬力。

低回転域から太いトルクを発生させてくれます。

優れたスロットルレスポンスを発揮してくれるのも良かったですよ。

そして、エンジンが静かです。

旧KSRに慣れていると「何これ?」みたいな感じで離れていった人も…。

吸排気の最適化とキャブレターのセッティングによって、排出ガス中の有害成分を抑えて、静粛性を高めているのですね。

これはこれで、時代に合っていると思いました。

2000年代に入って特に思ったのですが、エンジンをガンガン吹かして音にしびれるといった時代ではなくなりましたね。

何よりも自動遠心クラッチがすごいです。

N→1速→2速→3速→4速へとシフト。

ギアチェンジの楽しさをそこそこ残しつつ、クラッチ操作が不要なのでイージーなライディング操作を可能としています。

KSR110のスペック

KL110A型KSR110の諸元

画像はカワサキモータースジャパンより引用
車両型式 BC-KL110A
お値段 272,000円
排気量 単気筒111cc
最高出力 8.4PS[6.2kW]/8500rpm
最大トルク 0.83kgm[8.1Nm]/6500rpm
60kmh燃費 55.0km/L
全長幅高 1670mm/705mm/995mm
面積&体積 1.177m²/1.171m³
地上&座面 225mm/750mm
車両重量 92kg
タイヤ 前:100/90R12 後:100/90R12
ブレーキ 前:ディスク 後:ディスク

燃費は良かったですね。

カタログ値は55km/lということでしたが、街乗りでも40km/lは楽々いってました。

先述していますが、エンジンの耐久性も高く、前後ディスクブレーキや倒立型フロントフォークによって走行性能のポテンシャルはかなり高いです。

キビキビとよく走ってくれて、なによりも価格も安いのでかなりの売れ線…と思ったのですが、セールス的にはどうだったのでしょうか…。

2009年に惜しまれつつ国内仕様は生産終了になりましたが、その魂を継いでいるのでZ125…と思いたいですね。

みんなのインプレッション

「セカンドバイク&通勤使用。ちっちゃい車体はなんか面白そうだったので。2種スクーターも候補にあがってましたがスタイリングと燃費が良さそうだったので決めました。通勤使用がメインですがそこそこ走るのでショートツーリングにも使っています。自動遠心クラッチもすぐ慣れて違和感は全然ありません。乗ったことはないけどKSR-Ⅱとは別物(速さとか)と考えていいと思います。これはこれでイイって感じです。」

「一時大型バイクにも乗ってはみたが、乗る楽しさと排気量は比例しないことを痛感した。KSR110は排気量なりで万能ではないが、今まで乗った中では一番自分の好みに合っていて楽しいと感じる。なお、ガソリンはエネオスのヴィーゴ(大都市圏で販売のハイオク)がおすすめ。摩擦調整剤入りとのことで滑らかさが実感できます。」

「スタイルが良く、倒立フォークやスタビライザー付きスイングアームで足回りもバッチシ。110CCなので速くはないが、エンジンは低速があり伸びもある。クラッチレバーがなくても(自動遠心クラッチ)、シフトダウンの際にシフトペダルを踏みっぱなし(ニュートラル状態)で、アクセルをあおり シフトダウンを終えれば何の問題もない。小さなパワーを高回転でキープし、小さなタイヤでコーナーリング・・・ビックマシンにはない楽しさを思い出させてくれた。」

「小さくてほんとうにかわいい。そして楽しい。よく走る。 どこにでも侵入できる。セカンドバイクにスクーター以外を考えてる人におすすめです。 パワー、スピードにこだわらない人ならもちろんメインバイクにもおすすめ。」

「かわいくて、値段も手ごろで、良く走ります。小さいけど奥の深いバイクです。乗りやすいので初心者にもお勧めですし、友人をバイクにはめようとしている人にもお勧めです(笑)。もちろん、セカンドバイクが欲しい人にも。」



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