ホンダ・NX650は、XR系の空冷4スト単気筒エンジンを搭載したデュアルパーパスモデルです。
いろいろな呼び名があるんですが、その名の通り“オンもオフも行けますよ”というバイクです。
日本では馴染みのないバイクで欧州向けに販売されていました。
登場したのは1988年で前期型と後期型があり、2000年まで販売されていました。
逆輸入で購入することは可能だったので、見かけないことはなく、その“見かけない”というところにステータスや優越感を感じる人向けのバイクだったかも。
どんなバイク?
XR600ベースのバイクです。
欧州向けということで“アルプスローダー”なんて言葉が使われることがあります。
一見して、フロントフェンダーと一体となったフォークカバーがユニークですね。
車重は乾燥重量で驚きの152kgです。
大型バイク(欧州ではミドルクラスですが)と考えると、この車重の軽さはすごいですよ。
車高はあっても幅のないバイクだし、見た目ほど足付きも悪くなかったようです。
ホンダのラインナップの中でも“NX”という名前は馴染みがないのですが、欧州向けではNX650の他にNX125、NX150、NX200、NX250、NX350、NX400、NX500があります。
このうち、NX250は国内ではAX-1として発売されています。
また、NXR750はパリダカ優勝モデルですからね。
ペットネームとなっている“ドミネーター”は“支配者”という意味ですから、オンオフすべての道路を支配するといったネーミングなのでしょうね。
そうそう、国内ではトランザルプシリーズがあったので、わざわざNX650を逆輸入してまで購入する人は少なかったでしょう。
※トランザルプはV型ツインですからエンジンが全く違います。
そのトランザルプが復活?なんて声も最近聞こえてきていますが…。
NX650のインプレッション
乗ったことがないのでいろんな人のインプレッションをまとめてみました。
慣れの部分が大きいのですが、ビッグシングルなので最初がちょっと大変です。
ビッグシングルというと日本ではSR400が思い浮かびますが、NX650はそれ以上のビッグシングルですからね。
ビッグシングルで軽量なので乗り味が楽しめるバイクです。
弟分とも言えるAX-1(NX250)が人気車だったので、その流れからNX650に乗りたいって人もいたのかもしれません。
先述しましたが、NX650とトランザルプは似て非なるバイクなので、特にエンジンの面で同じように語ることはできないですね。
とにかくレア度の高いバイクです、生産の最終年が2003年なので、中古車を国内で見つけるのは難しいかもしれません。
NX650のスペック
型式 | Honda XR650L |
エンジン形式 | 空冷4サイクル単気筒OHC4バルブ |
排気量 | 644cc |
馬力 | 43.5ps/6000rpm |
トルク | 5.7kgm/5000rpm |
乾燥重量 | 153kg |
シート高 | 880mm |
変速機 | 5速リターン |
オン寄りかオフ寄りかを考えさせられるバイクです。
オフをたくさん楽しみたいという人にはこっちですね。
みんなのインプレッション
「1.さすが大型、発進・立ち上がりはさすがに速い。43.5PSしかないのに峠では400ccマルチをちぎる。でもなぜかしら250cc(2スト)には呆気なく負ける。
2.高速クル-ジングは超快適。小さ目のカウルなのに風防効果良好。
3.エキゾ-ストノ-トが汎用エンジンみたいな音、気分は遊園地のゴ-カ-ト
4.とにかく珍しい、未だに他の人が乗ってるのを見たことがない」「ぶんぶん回さないでも必要以上のトルクが出る。滅多に見かけない。子供に喜ばれるデザイン色使い。フレームの塗装が立派。擦れてくるとちゃんとサフェーサーが顔を出す。長旅に結構使える。この時代にセルキック併用、こりゃ希少価値!維持費がかからない。」
「街乗り、高速道路、林道、どこへ行っても役不足は感じないオールラウンド性。身長(177cm)に合った楽なポジションと1日中乗っていてもお尻が痛くならないシート。アフリカツインより40kg、トランザルプより30kgも軽い車重(乾燥重量167kg)、乗ってしまえばあまり車重は感じませんが、バイク置き場で押したり引いたりには30kgの差は大きい。めったに見ない珍しさ。特にイタリア生産になってからのモデルは自分のと同時に入荷したもう1台以外一度も見た事が無い。」
「どんなにブン回してもほとんど熱ダレしないドライサンプエンジン。オイルクーラーも付いてないのにねえ。(笑)オンロードでは軽い車重のおかげでタイトコーナー等で振り回せるところ。オフロードではその重い車重のため250のようにカッ飛ばすわけにはいかないが、フラットトルクと低重心のおかげでガレ場や上りで割と楽だったりします。」
「走行フィーリング・・カーブの立ち上がりの路面を蹴飛ばす感じが最高。 デザイン・・他に類を見ない、今だに飽きのこないスタイル。」