ホンダ・AX-1…1987年のマルチパーパス

1987年12月に発売されたホンダ・AX-1。

車体の見た目はオフロードでありながらロードバイク風味も付け加えたような雰囲気のバイクでした。

今風に言えば、ハイブリッドモデルあるいはマルチパーパスと言ったところでしょう。

どんなバイク?

特にマルチパーパスという言葉は、2000年代に入ってから使われるようになった言葉です。

ヤマハのトリッカーなど、そういったバイクが流行りましたからね。

サスの長い足長スタイルのツーリングバイクの先駆けも言えます。

エンジンは、249ccの「水冷」4スト単気筒DOHCです。

当時、オフロードバイク=空冷が当然の時代でした。

そこで水冷であること自体が、オフロードバイクにロードバイクの長所を取り入れたところが新しかったのです。

このエンジン(MD21E)は、後にXLディグリー(Degree)にも採用されています。

発売当時は、オフ?オン?やっぱりオフ車だよね…なんていうとまどいも多く聞こえたバイクです。

ホンダもそういった声を取り入れたのか、89年のマイナーチェンジでは、サスセッティングを硬めにするなどオフロードでの走破性を高めています。

94年の色変更を最後にカタログ落ちしています。

AX-1のインプレッション

AX-1は実験的なモデルでしたね。

AX-1を機にオンオフ両用のマルチパーパスバイクがいくつも誕生しました。

しかし、オンオフ両方を突き詰めるといったある意味中途半端な立ち位置は、それほど支持されなかったように思います。

といっても、一定数の売上は期待できたので、その後もマルチパーパスバイクは無くならず現在に行き着いているのです。

AX-1が登場下敷きはレーサーレプリカブームが下火になっていた時期と重なります。

そのため、ホンダも次の方向性を模索するために仕掛けたのがAX-1だったのでは?なんて考えますね。

それでも、軽量さと重心をギュッと中心に集めた安定感は街乗りにこそその真価を発揮したのでは…そんな感じがします。

細いのですり抜けも楽々でしょうし、都会のバイク便ではみんながこぞってAX-1に乗りたがっていたというのも分かる気がします。

なんといっても乾燥重量で114kgです。

実際の車重は124kgということですから、軽さが爆発しています。

見た目よりも遙かに軽いことがわかりますね。

AX-1のスペック

MD21型AX-1の諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 MD21
お値段 419,000円
排気量 単気筒249cc
最高出力 29PS[21kW]/8500rpm
最大トルク 2.6kgm[26Nm]/7500rpm
60kmh燃費 50.3km/L
全長幅高 2040mm/805mm/1115mm
面積&体積 1.642m²/1.831m³
地上&座面 245mm/810mm
車両重量 124kg
タイヤ 前:90/100R19 後:120/90R16
ブレーキ 前:ディスク 後:ディスク

オフ車にはそれほど興味がなくて、今現在こういうバイクがあったらなと思うのがAX-1です。

何年か前は、トリッカーなどのスマートなマルチパーパスがかっこいいなと思っていたのですが、そういうのもすぐに飽きて、やっぱりAX-1だなと思ってしまいます。

試乗したこともないくせに、こいつなら大丈夫という根拠のない自信は、やはり骨太な見た目でしょう。

トリッカーなどに比べるとずんぐりしているのですが、それが乗った感じの安定感になるのは間違いありません。

オフを走るだけではなく、というよりもメインは街乗りになるのなら、オフよりよりもやはりオンに力を入れたほうがいいのは間違いありません。

感覚的にはオフ車風味のマルチパーパス車という感じなのですがどうでしょうか。

みんなのインプレッション

「とにかく軽い車体が乗りやすく街中ではベスト。シート幅が狭く、サスも柔らかめの設定なので、足つきもいい。吹け上がりもよく壊れそうな気がしない元気なエンジン。スタイルもこ洒落てていい感じ。」

「乗りやすい。エンジンの吹け上が良い。ついつい回したくなる。メカニカルな音も良い。ハンドリングはON寄り。でも取り回しは軽い。よって、へたっぴでも結構なペースで走れる。 OFFも飛んだり跳ねたりしなければかなりいける。そこそこのペースで走るととても燃費良い。 丈夫で長持ち。」

「チューブレスタイヤであること。軽い車体と強力なブレーキで下りの突っ込み合戦は無敵。人気が無いので盗難の心配が全く無い。新宿でも上野でも路駐し放題♪愛着が無いので倒されても心が傷まない。」

「 低燃費。軽量。チューブレスタイヤ、通勤途中でパンクしたがすぐに修理ができ事なきを得た。ノーマルのブロックタイヤならオフも大丈夫。今は通勤専用なのでオンロードタイヤに変えてます。 2型からは足回りが硬めにセッティング変更、リアは無段階でスプリングプリロードが調整できるため私は最強にして乗ってます。経験上これなら少々のギャップやジャンプも行けます。スリムなため、ハンドルをナローアップにした今はとんでもない隙間をすり抜けられます。50スクーターもついて来れません。リアキャリアが丈夫。」

「時速100キロ位迄の加速の良さ。ノーマルでも弾けるような小気味良い排気音。トップ2000回転ぐらいからアクセルを開けた時の、ダッダッダという音と振動。シングルの味、あります。」



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