スズキ・イナズマ1200は、1998年4月に発売されました。
その前年に400ccのイナズマが発売されているのでそれの上位モデルになります。
特筆すべきは、400ccのイナズマと車格が同じなんです。
つまり、400ccのイナズマに1200ccのエンジンを搭載したということですね。
どんなバイク?
スズキ・イナズマ1200(GSX1200FS)は、括弧書きしていますが、れっきとしたスズキ伝統のGSXシリーズのバイクです。
排気量1,156ccの油冷4スト直列4気筒DOHC4バルブエンジン。
スズキ伝統の油冷ですよ。
イナズマが登場した当時、すでに大型二輪免許の教習が始まっていました。
すでに大型バイクブームが到来していたといっていいでしょう。
大型バイクが注目を集めていた時期に、トラディショナルなネイキッドスタイルとして颯爽と登場したのがイナズマだったわけです。
スズキらしい油冷エンジンの組み合わせは、イナズマ1200だけの特徴でした。
大型バイクらしく、フロントブレーキには、310mmの大径ディスクがダブルで採用されていました。
さらに、ブレンボ製の異径4ポットキャリパーが組み合わされていましたよ。
生産は、1998年と99年の2年間だけでした。
発売は2001年で終了という驚くほど短命なバイクとなりました。
といっても、油冷エンジンを搭載したバイクはイナズマからバンディットに引き継がれます。
さらにGSX1400に油冷エンジンは続きますが、2008年で一旦油冷エンジンは終了となってしまいます。
※2020年にジクサー250で復活するまで実に10年の空白期間となりました。
イナズマ1200のインプレッション
イナズマ1200は“見たことがある”程度です。
それでも知人が乗っていたので間近で見ることはできましたし、一緒に走ったこともあります。
エンジン音がいかにも“油冷”という感じで他のバイクとはまったく違っていましたね。
なので、遠くからでも「あ、イナズマだ」なんて分かったものです。
乗ったことがないのでインプレとしても、これで「以上終わり」ということになってしまうのですが…。
以下は個人的な感想です。
走りを見ていると、とにかくトルクモリモリのエンジンというイメージです。
1200にしてはこじんまりとした車格なのですが、それが却って安定感につながっているのか、どっしりとした感じでしたね。
それと、シート下のスペースが広大でした。
ZRXほどではないですが、けっこうなものを収納するには十分なスペースでしたよ。
友人はそこにカッパを入れてました。
車格がコンパクトなので、小回りが楽々という感じでしたね。
軽いので、立ちコケの不安は一切ないといっていました。
とはいっても、400ccよりは重たい200kg超ですから、それなりの重さがあったと思うのですが、リッター超えの大型バイク(ネイキッド)の中では最軽量ということもあったのでしょうね。
ネイキッド自体取り回しが楽ですから。
軽いという点では、ワインディングが速い印象がありましたよ。
欠点は、真夏になると油温が120℃になるということで、スネに強烈な熱風があたるそうです。
特に渋滞にはまったときのノロノロ運転は地獄だったそうですよ。
周囲でのイナズマ乗りは一人だけでした。
ツーリング先でも見ることはなかったですね。
逆に物珍しさからギャラリーが集まってきたとか。
さらに個人的な意見を言わせてもらうと、車体を見ても設計が古いな…殺風景棚…という印象です。
派手さはなく、というよりも地味なイメージですよね。
設計が古いエンジンということもあったのかも。
友人曰く、唯一無二で同じバイクを見たことがないと豪語していました。
イナズマってそんなに売れなかったのかな??
イナズマ1200のスペック
イナズマ1200(1998年モデル)
型式 | GV76A |
---|---|
全長 | 2140 |
全幅 | 780 |
全高 | 1100 |
シート高 | 780 |
乾燥重量 | 208 |
燃料タンク容量 | 18 |
タイヤサイズ | 前:120/70-17 後:170/60-17 |
ブレーキ形式 | ダブルディスク/ディスク |
エンジン | 水冷4ストDOHC並列4気筒 |
排気量 | 1156 |
最高出力 | 100ps/8500rpm |
最高トルク | 10kg・m/4500rpm |
変速機 | 5段 |
始動方式 | セル |
1200ccクラスのバイクでは最軽量。
大型バイクに対する認識が変わるバイクですよ。
まあ、400ccの車体に油冷1200ccエンジンを搭載しているのですから当然の軽さと言えるかもしれません。
みんなのインプレッション
「 少しも構えることなく乗れて,でも,いざとなればパワー爆発,という受け口が広く,長くつきあえそうなバイク。ジェイドと比べてもあまり変わらない足つき性。教習所のCB750より軽い。スーパーの狭い駐輪場でもわりと楽ちん。マイルドだという評判だが,それでも1200ccのパワー。50km/h以上なら何速でもOK,という感じでメチャメチャ運転が楽ちん。落ち着いた,普段着感覚のデザイン。オプションだが,センタースタンドがちゃんと装着できる。値段が安い。」
「大型のわりには軽い。Uターン楽。燃料計、ハザード有り。ブレーキ良し。加速で負けたことなし(私は体重49Kg)。街中で同じバイクを見ることはほとんど(いまだ)ない。」
「大型のなかでは、小さめな車体により足付きは、いい。僕の身長は176cmだから、まったく問題ない。アクセルを、大きく開けるとすごい加速をする。他の大型に乗ったことがないので他と比較はできない。」
「油冷エンジン独特の加速感と、振動。GSF系エンジンだから、流用がききやすい。改造しがいがある。」
「とにかく軽い。教習車のCB750よりも軽いので170cm、50kgの私には助かります。ダンナのCB1300にも置いていかれることはないし、速いですね。」