1996年に登場したゼファーχ。
ゼファー(400cc)の誕生は1989年ですが、χは空冷4気筒DOHCエンジンはそのままに、2バルブから4バルブに変更されています。
どんなバイク?
前身のゼファーが登場した当時はバブルまっただ中でレプリカの大ブームでした。
その中にあって敢えてネイキッドバイクを出したカワサキ。
それが、レプリカ以外のバイク「ネイキッド」がほしいといった需要と合致。
ゼファーは大ブームとなりました。
そして、カワサキに限らず90年代はネイキッドブームに。
そのような中で、多彩なネイキッドバイクが誕生。
エンジンも4バルブ化される中で、他社に対抗する形で出したのがゼファーχだったのです。
ゼファーの誕生は89年の400ccですが、90年に750cc、92年に1100ccのゼファーが登場しています。
96年登場のχはゼファーの中でも末弟という位置づけでもありましたね。
ゼファーχのインプレッション
89年登場の初代ゼファー400には名車Z400FXのエンジンが積まれていました。
それだけでも感涙物といっていいでしょうね。
ゼファーの登場は80年代初頭から続くレプリカブームまっただ中でのことでした。
レプリカは確かにかっこよかったのですが、バイク人口自体も多く、あちこちで見かけていたので食傷気味でしたね。
当時は、バイクへの憧れは募っていたものの仕事は忙しいし、教習所に行く時間がありませんでした。
いつの頃からかバイクに対する情熱も薄れ…そんなことはないか、バイク雑誌は良く見てましたからね。
そのような中で登場したのがゼファーでした。
かっこいい名前だな…Z400FXの後継車か…なんてバイクにも乗っていないのに知ったかぶってたものです。
そのときはそれで終わって、93年にはゼファーχの登場。
恥ずかしながらしばらくは”エックス”と読んで(呼んで)ました。
人に指摘されるよりも自分で気づいたのが不幸中の幸いでしたね。
カワサキって最速もいいけど、ネイキッドバイクがやたらかっこいいよね…なんてこのときもしたり顔で思っていたものです。
ゼファーχが登場したとき、すでにレプリカブームは終わってました。
というよりも、90年代に入ってからはレプリカに変わってネイキッドブームでしたね。
ネイキッドってバイクの基本みたいな感じで、いつの時代にも各メーカーはある程度のラインアップを揃えているので、ブームとかなんとかってあまり関係がないような気がします。
それでも、今も昔も考えてみると90年代は紛れもなくネイキッドブームだったようですよ。
その中で、ブームをけん引していたバイクの一つがゼファーであることは間違いありません。
なんと言ってもかっこいいです。
それでいて、レプリカのように尖っていないので、優しさというか和みみたいなものを感じさせてくれるバイクです。
ゼファーχには3回試乗しました。
数回でなく回数をしっかり憶えているところもすごい…。
1度は半日くらい乗ることができたので、かなり堪能できました。
空冷バイクってほんとにいいな…なんて感じましたね。
よく言われる”熱ダレ”を感じる季節ではなく、乗った時間も2,3時間くらいだったので空冷のデメリットはまったく感じることはありませんでした。
ポジションも楽で、当時乗っていたZZR400から乗り換えたいな、なんて一瞬だけ思ったものです。
空冷だけに軽く感じるバイクでした。
CB400SFと比べるとそれを強く感じましたよ。
誰かが言ってたか”RIDEX”に書いてあったのか、ゼファーはバイクって言うより”オートバイ”って言葉のほうが良く似合うってホントそう思います。
ゼファーχのスペック
ZR400C型ゼファーXの諸元 | |
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画像はカワサキモータースジャパンより引用 |
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車両型式 | ZR400C |
お値段 | 580,000円 |
備考 | 車重は概算値 [乾燥重量185kg] |
排気量 | 直列4気筒399cc |
最高出力 | 53PS[39kW]/11000rpm |
最大トルク | 3.6kgm[35Nm]/9500rpm |
60kmh燃費 | 40.0km/L |
全長幅高 | 2085mm/745mm/1100mm |
面積&体積 | 1.553m²/1.709m³ |
地上&座面 | 125mm/780mm |
車両重量 | 207kg |
タイヤ | 前:110/80R17 後:140/70R18 |
ブレーキ | 前:Wディスク 後:ディスク |
ゼファーが売れた90年代って、業界全体では不毛の時代でした。
熱病のようなバイクブームが去って、往時の10分の1しかバイクが売れない時代だったのですから。
もっとも、原付の売上が大幅に落ちたのが原因で、中・大型バイクはけっこう健闘していたのですけどね。
その中の一台がゼファーであったのは間違いないでしょう。
昨今は旧車ブームでMEGUROとかWとかZ、RSなんかが脚光を浴びています。
ゼファーは旧車ブームの中で忘れられた存在のように見えますが、RS自体がゼファーみたいな感じに勝手に思ってますけど。
いつかゼファーも復刻しないですかね(いやきっとするだろな)。
みんなのインプレッション
「まず、何と言ってもスタイルが良いところ。あと、癖がなくて扱いやすい特性、自分の思い通りにいじれるパーツの多さなど。」
「んつうても、バイクらしいスタイル最高!特に、ルミナスビンテージレッドに惚れた。カワサキが好きだから。空冷が好きだから。ゼファーという存在に惚れた。」
「カワサキ、空冷、四発、Z400FXの正当進化形である事。ごく、あたりまえのポジション。無駄のないデザイン。χ97年式になって完全に熟成されたトータルバランス。」
「ゼファーに乗ってる人は数多くいるが、火の玉カラーは断然目立つ! またK-TRICの採用で低中速域がとっても元気。街乗りでも全然気にならない。特に2速、3速の伸びが気持ちいい。さらに前後ラジアルタイヤによる抜群のグリップ。自然なライポジ。」
「もちろんスタイル!黒は火の玉に人気をとられて不人気のようですが、個人的には一番かっこいい。空冷では速い(らしい)。」