ホンダ・CB223S…エンジンはFTRだけどこっちはストリート風味

2008年に登場したCBを冠するバイクの末弟です。

シンプルなスポーツバイクで、”CB”と名の付くバイクだと血が騒ぐ人向けでした。

車名の通り、排気量は223ccで空冷単気筒エンジンはFTRやXL230、SL230と同じものです。

どんなバイク?

CB223Sが登場した2008年は、平成18年排出ガス規制によってフューエルインジェクション化が進められていた時期と重なります。

それでは、CB223Sはどうかというと、キャブ仕様のままの登場だったのです。

もちろん、それなりに対策されていて、セッティングの最適化や排気系にキャタライザー(触媒)を設けるなどで排ガス規制をクリアしたのです。

多くのバイクがFI化され、そのコストによって車両価格が高騰していた時期に、45万円以下(税抜き)という低価格も話題となりましたね。

それと、FTRの姉妹車という位置づけとなっていますが、ベースのエンジンはSL230用に開発されたものです。

同系統のエンジンではあるのですが、ちょっとした味付けはそれぞれのバイクに合ったものとなっています。

CB223Sは寄せ集めの部品で組み立てられたバイクといった印象ですが、フレーム剛性やサスペンションのセッティング、オンロード用タイヤなど、CB223S向けにしっかり仕様変更もされています。

2010年のカラーチェンジを行った際には、値下げも断行するといった、当時も今現在においても珍しい販売戦略をとっていました。

俗説では、売れ残りを防止するための販促だという声が一般的でしたが…。

そして、2016年、ほぼFTRと時を同じくして生産終了となりました。

CB223Sのインプレッション

何度も書きますが、CB223Sのベース車はFTRです。

FTRはダートトラッカーのイメージなので、ワイルド風といったらいいでしょうか。

それに、CB400SSのビンテージな外観をプラスしたのがCB223Sといった雰囲気でした。

新型車ではあるのに、キャブ車で出してきたのも衝撃でしたね。

まだまだキャブ車もいけるんだと思ってましたが、知っている限りホンダの新車でキャブ仕様はCB223Sが最後でした。

改めてCB223Sを見ると、ビンテージ風というかどこか懐かしい感じのするバイクです。

シンプルな感じも良いですね。

スズキだったらST250、カワサキだったらエストレヤがライバル車といったところでしょうか。

ちょっと気になったのが、フロントタイヤが太く見えることです。

実際、リアタイヤとはわずかな差しかありません。

どことなく”ファット”な印象を与えてしまってますね。

軽量バイクなので、比較的太いフロントタイヤだと、ハンドリングがもたつき気味になります。

これは私だけなのかもしれませんが、そのあたりを強く感じました。

もっとも試乗したときにそう思っただけで、そのときは午後から3時間くらい借りて走り回ったときですね。

セルフステアを感じるのが遅いんですよ。

そのため、バイクの挙動にまかせるというよりも、自分でしっかり舵角を切るような動作が必要になります。

慣れてしまえばなんてことはないのかもしれませんが、体の挙動に合わせてしっかり倒れてくれるバイクと比べるともたつき感は危険でもありますよね。

私見なので、人によったら違った意見になるかもしれません。

良い感じで書けませんでしたが、乗ってみると楽しいバイクですよ。

CB400SS乗りなので辛口な感じになってしまいました。

CB223Sのスペック

MC40型CB223Sの諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 JBK-MC40
お値段 467,250円
排気量 単気筒223cc
最高出力 16PS[12kW]/7000rpm
最大トルク 1.8kgm[18Nm]/5500rpm
60kmh燃費 41.0km/L
全長幅高 2100mm/780mm/1110mm
面積&体積 1.638m²/1.818m³
地上&座面 175mm/780mm
車両重量 135kg
タイヤ 前:110/90R18 後:130/80R18
ブレーキ 前:ディスク 後:ドラム

ホンダに行くといつでも試乗できたバイクです。

乗った感じはやはりFTRを彷彿とさせるものでした。

しかし、ライポジなどはCBのほうがはるかに良い印象でした。

そして、こちらのほうが軽く感じましたよ。

スピードが出る感じがしないのと、シングル独特のドンツキが異常に激しかった記憶があります。

これは、ここの車体にもよるのでなんとも言えませんが、このバイク売れるのかな??なんて思った次第です。

当時は250ccクラスってけっこう激戦区でもありましたからね。

だから、エンジンは共用で開発費をかけずに250ccクラス(ストリート系)で参入したのはいいけども…あまり売れなかったバイクではありました。

ネットで調べるしかないのですが、CB223Sの販売台数がまったくわからないのは、数字にもできないくらいの売上だったんじゃないかなって推測できますね。

購入するユーザー層としては、ビギナーがターゲットなのは間違いないでしょうね。

当時はリターンライダーは増えていた時期で、バイク免許を取得する若者も増えていた時期でもあります。

この時期くらいから、バイク業界もちょっと元気になってきたかなって印象でしたよ。

みんなのインプレッション

「装備重量135kgという軽さはとても取り回しがしやすい。また、身長174cmで両足べったりの足つきのよさで、シートに座ったままバックもできる。
走り出しても、アクセルに対するレスポンスもマイルドなのでドンツキも起こらない。ブレーキも握れば握っただけ効く感じで、やはりコントロールがしやすい。
教習車で転びまくっていたのに、このバイクでは走行中に転んだことがないです。」

「FTRと中身は同じだけど、オフ車感が抜けてCBはちょうど良い(好みによるけど)。」

「まぁ、オールドネイキッドって感じ。可もなく不可もなく。メーター回りが貧素すぎ。タコメーターが必要と感じたことないけど、せめて燃料計は欲しいな。」

「最初に乗った時は「あれ?遅い?」でした。15年ほど前に乗っていたバイクがVT250 SPADAだったこともあり、それと比較した感想です。しかしながら慣れてくると、空冷、キャブ車、単気筒のドコドコ感が妙にバイクに乗っている気にさせてくれます。」

「250ccクラスに分類されるのだが、最高出力わずか16psと非力。単気筒独特の鼓動感を楽しむエンジンとポジティブに考えるw。非力なエンジンではあるが250ccクラスではかなり軽い車重となり、乗っていて体感できるのはエンジン性能を完全に上回る車体性能なので、車重の軽さもありそういう意味での人馬一体感は高い。※パワーを持て余すという場面はない。」



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