ホンダ・ゼルビス250…VT250の血統でツアラーモデルという異端児

ゼルビスが登場したのは1991年10月です。

VT250シリーズの7代目としての誕生です。

6代目まではネイキッドモデルでゼルビスはハーフカウルを備えてたツアラーモデル…。

当時ネイキッド全盛の時代に人気モデルのVT250をツアラーにチェンジした冒険的なモデルでした。

どんなバイク?

前モデル(VT250スパーダ)よりもホイールベースが50mm長くなっています。

さらに、二次減速比やキャスター角の変更など、見た目のハーフカウル以上にツアラー寄りの設定となりました。

ネイキッドが人気の時代にダ250ccV型2気筒エンジン搭載のスポールモデルとして登場したのですが、汎用性の高さを見せることはできませんでした。

というよりも、販売的にはさっぱりだった…もっというと不人気モデルといってもいいでしょう。

翌年の92年にゼルビスは生産終了となりました。

結果を見ると、VT250の生産終了は既定路線で、最終型でツアラーモデルを出して冒険をしてみたというのが本当のところだったのかもしれません。

もっとも、ゼルビス自体はバランスのとれた良いバイクでした。

聞いた話ですが、新車販売が終わったあと、ゼルビスはバイク便として重用されたようです。

2気筒らしい市街地での扱いやすさ、カウル効果による高速走行の快適さなどが好まれてのことだったのは間違いないでしょうね。

ちなみにVT250が後のVTR250になります。

ゼルビスのインプレッション

何度も言いますがネイキッドが人気の時代のツアラーモデルです。

逆にツアラーといったカテゴリー、特に250ccバイクにツアラーを投入したかった事情もあったのではと思います。

当時の250ccツアラーといえばZZR250一択といったような状況でした。

そのため、VT250末期にツアラーモデルを出して様子見をしたという感じだったのでは。

ゼルビスについてあまり良いことを書いていませんが、スペックを見るとなかなかのバイクです。

何よりも250ccで36馬力というのはすごい値です。

車重がクラスでは重い部類に入る172kg。

この重さがツアラーとして安定感を出しているのは間違いないでしょう。

ゼルビスは2000年代に入ってツーリングで初めて実車を見ました。

ワンオーナーということで大事に乗ってましたね。

カウルも綺麗でスタイル的には古さを感じても、そのときの今風のバイクとまったく遜色ないとオーナーの人は言ってました。

実際、大型バイクが多かったツーリングにアクセルをしっかり開けて付いていってましたし、走る姿も華麗でした。

「ゼルビスよく走るなあ…」なんてみんな感心してましたよ。

バイクの良さもあったと思いますが、ライダーのテクニックもすごかったのでしょうね。

ゼルビスのスペック

MC25型ゼルビスの諸元

画像は本田技研工業より引用
車両型式 MC25
お値段 489,000円
排気量 V型2気筒249cc
最高出力 36PS[27kW]/11500rpm
最大トルク 2.6kgm[26Nm]/8500rpm
60kmh燃費 40.0km/L
全長幅高 2095mm/720mm/1160mm
面積&体積 1.508m²/1.750m³
地上&座面 155mm/770mm
車両重量 172kg
タイヤ 前:110/80R17 後:130/80R17
ブレーキ 前:ディスク 後:ディスク

販売数量も少なかったので、中古でも見たことがなく、後にツーリングで見ることができたのはラッキーでした。

不人気車というレッテルが貼られていますが、販売した時期が悪かったのは間違いないでしょう。

250ccツアラーは今でこそ人気がありますが、当時は需要がなかったということでしょう。

スペックは最高レベルでしたし、良いバイクだったのは間違いありません。

ホイールベースが長くなって曲がりにくい…という声は聞こえてきましたが、それもテクニックでなんとでもなるレベルだったようです。

みんなのインプレッション

「長時間乗っていても、体のどこも痛くならないポジション。 シート下のユーティリティBOX。大きめの合羽も入るし、ブーツカバーだって一緒に収納できる。オプションの荷台を付ければ、パソコンのディスプレイだって箱ごと運べるぞ。大型ハーフカウルで、高速走行でも体に負担がかからない。 センタースタンド標準装備。整備が楽です。」

「いまどき珍しい大柄ボディ、そしてシートが幅広でよくできているので、とても楽に乗ることができる。これもいまどき珍しい、センタースタンド付き。明るいライト、信頼できる電送系。」

「大きめの車体とハーフカウルで高速道路走行が楽ちん。ガソリンタンクが250にしては大きく、燃費がいいので一回の給油での航行距離が長い。シート下スペースや、後ろのフックなど積載性が高い。ライトが明るくて夜安心。不人気車種なので盗難にあい難い(笑)。」

「長くバイクに乗るには少しでも維持費が安い方がいいと思い、車検を機に400→250に乗り換えを決意。ポジションが楽でカウル有のオンロードバイクという条件で探すと他にZZ-Rという手もあったが、VTエンジンは信頼性抜群と聞いたのでゼルビスに決定。
ポジション楽だし、よく積める。燃費良好+大容量タンクのお陰で400Km以上無給油だから、見知らぬ土地でもどんどん奥へ進める。まさにツアラー。250では力不足かと思ったが、実用域では全然不足なし。へたくそにとっては高回転型の4発400より早く走れる。」

「V型二気筒が織り成す振動と音。あの6速抵回転でのドコドコ感はたまりません。抵回転を使ってみたくなるエンジンです。結構ねばってくれるし。後,高回転でのいっぱいいっぱいな様子には思わず共感がもてるのではないでしょうか。ただ,高回転向きでないだけか?あと、燃費も良いです。」



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