カワサキ・ZZR600…400の皮を被ったフルパワー

ZZR600は1990年から販売されました。

同時期に国内で販売されたZZR400の海外向けモデルです。

大半の部品が共通であり、外観でエンブレム以外で違いを見つけるのは困難といっていいでしょう。

※メーカーエンブレムが600はステッカー、400は立体的なものでした。また、オイルクーラーがついていること、アンダーカウルに600と入っているなどの違いもあります。

どんなバイク?

ご存知のように400ccのカテゴリーは日本特有のものです。

そのため、海外で400ccのバイクを売る必要がない(というか需要がない)ので、600ccのエンジンを載せ替えての販売となったのです。

ただし、400が先か600が先かという不毛な議論も勃発しましたね。

個人的には400ccらしからぬ剛性感を持つバイクであり、当時世界最速車のZZR1100の弟分的な存在で世界転換を図ったバイクであったと推測します。

よって世界を意識したバイクということですね。

そのため、どちらが先かというのはそれほど関係ないのかもしれません。

また、日本における二輪免許制度では、1996年まで401cc以上のバイクを運転するための「限定解除」を得ることは非常に困難でした。

当時は400cc以下の排気量が、実質上の上限排気量となっていたのです。

そういった理由から、ZZR400とZZR600のように、排気量が異なるだけの同じモデルが、国内向けと海外向けに存在する例は多かったのです。

このような免許区分の影響もあって、国内向けは250cc以下(軽二輪扱い)、海外向けはそれ以上という場合もありました(後年のニンジャ250とニンジャ300などが良い例ですね)。

なお、「ニンジャ」という名前が好まれた北米では、「ニンジャZX-6」の名前で販売されていました。

これは、ZZR1100が北米ではニンジャZX-11と呼ばれたことと同じです。

ZZR600のインプレッション

大型バイクにしては軽く、中型バイクとすればハイパワー。

そんな不思議なバイクがZZR600でしたね。

何よりもその存在に気づくのが遅く、ZZR400乗りになってしまいました。

直後に気がつくのですが、まだ普通二輪の免許しか持っていないので、次は600を…なんて思っていました。

ZZR400に乗るようになってツーリングにもよく出かけるようになると、ZZR600にも遭遇しました。

見た目はまったく変わらずで、エンジンは倍くらい違うハイパワー。

すごくうらやましかったですね。

ライトは一灯です。

これは、今の2眼つり目流行りのフロントと比べると古くさいイメージはまぬがれません。

2本出しマフラーはかっこいいんですけど、これもまた今風に言えば古いのでしょうね。

SSではなくメガスポーツでもないのですが、ツアラー寄りなので重厚感はありますね。

そのため直進安定性はZZR400と同じようにしっかりしてると思います。

乗り心地は可もなく不可もなくといったところです。

※ZZR400乗りからの目線です。

ZZR600のスペック

車体型式 ZX-600E
エンジン ZX600DE型 599 cm3
水冷4ストローク直列4気筒DOHC
内径×行程 / 圧縮比 64.0 mm × 46.6 mm / 12:1
最高出力 74 kW(100 PS)/12000 rpm
最大トルク 64 Nm(6.5 kgm)/9300 rpm
車両重量 220 kg
フレーム アルミプレスダイヤモンド
全長×全幅×全高 2,070 mm × 695 mm × 1,175 mm
ホイールベース 1,430 mm
最低地上高 120 mm
シート高 780 mm
燃料供給装置 キャブレター (KEIHIN CVKD36×4)
始動方式 セルフスターター
潤滑方式 ウェットサンプ
駆動方式 チェーンドライブ
変速機 常噛6段リターン
サスペンション 前 テレスコピック
後 ユニトラック、スイングアーム
キャスター / トレール 24.5° / 96 mm
ブレーキ 前 油圧式セミフローティングダブルディスク
後 油圧式ディスク
タイヤサイズ 前 120/60 R17 55H
後 160/60 R17 69H
最高速度 240 km/h
乗車定員 2人
燃料タンク容量 18 L

ZZR600に今も乗ってみたいかというと微妙…。

いや、乗ってみたい気持ちはあっても今風の電子機器満載のバイクに乗ってみたい気持ちが強いかも。

最近、カワサキがEVにシフトするようなニュースを見たのが影響しているかも。

現在販売されているバイクもいずれは無くなるのかと思うと、古いバイクに回帰している場合ではないな…なんて思ってしまいます。

といっても、昨今の中古バイク市場の熱気はすごいものがありますけどね。

ZZR1200にも散々乗ったし、まあいいかな。

良い思い出として。

みんなのインプレッション

「ツアラーでとても運転しやすい。400とは違う、馬力を感じる。高速運転が楽。メーターが280まである。足つきが結構良い。イタリア専用だったらしく、最初からロングフェンダーだった。(国によって違うらしい)」

「 そらぁ万能選手です。長距離短距離、街中から高速道路までどこへどう行っても文句無し。タンデムだろうと安定性に不安なし。少々コケてもスリキズだけで走行に支障の有るようなダメージを受けない形状。3速や4速でも「あれっ?まあいいか。」で発進できる。」

「さすが大型&規制なしのフルパワー、加速感は400とはひと味もふた味も違う。280㎞まであるメーターはなんとなくいい。400と大して変わらない燃費。カウルがあるので長距離の高速移動が楽。ポジションも楽。センタースタンドは便利。デザインもお気に入り。短足の僕でも足が十分に着く。」

「足つきがよく、取り回しが楽ちんでセンタースタンドが重宝する。また、フルカウルなので高速が楽で燃費が良い。前車(ZZ-R400)より排気音がよく、大型に乗っている気分にさせてくれる。」

「400に比べ発進がすごく楽になった。あと高回転域での加速感は素晴らしいの一言。このパワーを知ると、もう400には戻れない。それでいて燃費は400よりも良かったりする(平均24㎞/?)」



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