Honda ST1300 パンヨーロピアン(Pan-European)
ホンダST1300 パンヨーロピアンは縦置きV4エンジンを搭載した大排気量ツアラーバイクです。
ホンダのツアラーとしては、VFR1200Fがありますが、それと比べても長距離ライディングに適したバイクと言えるでしょう。
前身は、ST1100パンヨーロピアンですが、2002年に排気量アップして登場しました。
どんなバイク?
装備的にはツアラーに求められるものは、ほぼ標準で装備されています。
大容量で目に付くパニアケースも標準です。
さらに、電動スクリーンや3段階調節可能なシート。
そして、ガソリンタンクの容量は29リットルです。
制動関係では、ABSはもちろんですが、前後連動ブレーキD-CBSも装備しています。
全て書き切れていないのですが、ツアラーに求められるものは全て揃っているといっていいでしょう。
ツアラーとして徹底していますし、それ故に人を選ぶバイクとも言えます。
海外仕様のみで、日本ではそれほど売れないのも頷けますね。
ロングツーリング以外に使い道がありませんから。
それを言ったらゴールドウィングなども同じなのですが…。
ライバル車を見渡すと、他にヤマハのFJR1300やBMWK1600GTなどですね。
装備が装備なので、乾燥重量でも286kgあります。
全長2282mm、全幅935mm、全高1332mmはゴールドウィングほどではないですが、堂々とした車格です。
逆輸入で価格は200万超…。
街中ではなかなか見ることのできないレアなバイクですね。
ST1300のインプレッション
乗ったことがないのでインプレッションというわけでもないのですが。
ST1300にのってツーリング中のご夫婦に今治港で会ったことがあります。
見るからに重量感のあるバイクにタンデムでのツーリング。
後のシートに座る奥さんは楽ちんそうでしたが…。
「取り回しが大変じゃないですか?」
と、素直に聞いてみました。
すると、
「それも含めて楽しいバイクですよ」と言っていたのが印象的です。
もっとも、ライダーとしてもベテランで取り回しも楽々といった感じです。
あんな重いバイクを、バックでまっすぐに押すのも大変だろうな、なんて思いましたけど、それもしっかりやってました。
重いバイクは安定感もあってハンドルがぶれないので、左手でハンドル、右手はシートで後目線でしっかりと押す、という動作。
これがしっかりと的確にできると、問題はないそうです。
確かにそうですが、小回りが大変そうですよね。
そこはしっかりと足をついてヨチヨチやってて「これでOK」なんて言ってました。
結局は「バイクが人を育てる」ってことなんでしょうね。
ST1300のスペック
タイプグレード名 | ST1300 PAN EUROPEAN |
---|---|
仕向け・仕様 | 海外向けモデル |
全長 (mm) | 2270 |
全幅 (mm) | 860 |
全高 (mm) | 1390 |
ホイールベース (mm) | 1490 |
最低地上高(mm) | 135 |
シート高 (mm) | 790 |
車両重量 (kg) | 329 |
最小回転半径(m) | 2.9 |
乗車定員(名) | 2 |
原動機種類 | 4ストローク |
気筒数 | 4 |
シリンダ配列 | V型(L型) |
シリンダバンク角(°) | 90 |
冷却方式 | 水冷 |
排気量 (cc) | 1261 |
カム・バルブ駆動方式 | DOHC |
気筒あたりバルブ数 | 4 |
内径(シリンダーボア)(mm) | 78 |
行程(ピストンストローク)(mm) | 66 |
圧縮比(:1) | 10.8 |
最高出力(kW) | 93 |
最高出力回転数(rpm) | 8000 |
最大トルク(N・m) | 125 |
最大トルク回転数(rpm) | 6000 |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
燃料タンク容量 (L) | 29 |
燃料タンク・リザーブ容量 (L) | 5 |
エンジン始動方式 | セルフスターター式 |
点火装置 | フルトランジスタ式 |
点火プラグ標準搭載・型式 | CR7EH-9 |
点火プラグ必要本数・合計 | 4 |
バッテリー容量 | 12V-14Ah |
エンジンオイル容量※全容量 (L) | 4.7 |
エンジンオイル量(オイル交換時) (L) | 3.6 |
エンジンオイル量(フィルタ交換時) (L) | 3.9 |
推奨エンジンオイル(SAE粘度) | 10W-40 |
クラッチ形式 | 湿式・多板 |
変速機形式 | リターン式・5段変速 |
変速機・操作方式 | フットシフト |
1次減速比 | 1.785 |
2次減速比 | 2.833 |
変速比 | 1速 2.571/2速 1.722/3速 1.284/4速 1.041/5速 0.861 |
動力伝達方式 | シャフト |
フレーム型式 | アルミ製ツインスパー |
キャスター角 | 26°00′ |
トレール量 (mm) | 98 |
ブレーキ形式(前) | 油圧式ダブルディスク |
ブレーキ形式(後) | 油圧式ディスク |
ブレーキオイル適合規格 | DOT 4 |
懸架方式(前) | テレスコピックフォーク |
フロントフォークタイプ | 正立フォーク |
フロントフォーク径(φ) | 45 |
フロントホイールトラベル(mm) | 120 |
懸架方式(後) | スイングアーム式 |
ショックアブソーバ本数(後) | 1 |
リアホイールトラベル(mm) | 123 |
タイヤ(前) | 120/70ZR18 |
タイヤ(前)構造名 | ラジアル |
タイヤ(前)荷重指数 | 59 |
タイヤ(前)速度記号 | (W) |
タイヤ(前)タイプ | チューブレス |
タイヤ(後) | 170/60ZR17 |
タイヤ(後)構造名 | ラジアル |
タイヤ(後)荷重指数 | 72 |
タイヤ(後)速度記号 | (W) |
タイヤ(後)タイプ | チューブレス |
ホイールリム形状(前) | MT |
ホイールリム幅(前) | 3.5 |
ホイールリム形状(後) | MT |
ホイールリム幅(後) | 5.0 |
タイヤ標準指定空気圧(乗車定員時・前) | 2.90 |
タイヤ標準指定空気圧(乗車定員時・後) | 2.90 |
スピードメーター表示形式 | アナログ |
メーター表示:燃料計 | 有 |
メーター表示:エンジン回転計 | 有 |
メーター表示:時計 | 有 |
メーター表示:ツイントリップ | 有 |
車両装備:アンチロックブレーキ(ABS) | 有 |
車両装備:前後連動式ブレーキ | 有 |
車両装備:サイドボックス | 有 |
ツーリングに特化したバイクです。
怖くて試乗したこともありませんが、見ているだけでもほれぼれしていましたね。
併走したことはあるのですが、図太いトルクで坂道も楽々といった感じです。
とにかく、走りに力強さがあるんですよ。
パワーもトルクもそれほど秀でた感じではないのですが、風格があるというか、走りにも余裕があります。
ゴールドウィングかST1300どっち選ぶ?なんて聞かれたら、人生の岐路並みに迷ってしまいそうです。
みんなのインプレッション
「とにかくスタイルが良くて一目惚れ!日本で走ってるのが少ない点も魅力的。古いバイクなのに前のオーナーさんは、綺麗に丁寧に細かく扱っていてくれたおかげで、ピカピカだし、エンジンもバリバリです。こいつと走って旅するのが楽しみなんです」
「ツーリングにはもってこいのバイクだと思います。購入後コンピュータの不具合が発覚。古いSTXにはよくあるノッキングセンサー周りのエラーメッセージです。4000rpmを10秒ほど保っているとFIランプが点灯します。原因を探り倒しましたが最終的にコンピュータの不具合と言うところに行き着き、パッセージさんに頼んでドイツより輸入。費用は24万ほど掛かりましたw まあすでに日本には在庫がなくドイツに2台しか残っていないとなれば、交換する以外の道は選べませんでしたwまあこれで長く乗れると思います。」
「BMW R1200RTを購入しようと考えてました。雑誌で白PAN見た時、全身に電流が流れました。希少バイクと聞いて是が非でも欲しくなりました。赤男爵さんに捜索依頼。運の良い事に、半年で現れ即成約。手放せません…」
「あまりゆっくりとした休みが取りにくいくせに、遠くへツーリングに行くことが好き・・・なので、高速道路主体で積載性が良く、タンデムでも高速で安定していて、ロートルなので「楽」なバイクを・・・ということで辿り着いたのがこれです。その前はGL1800にも乗りましたが、意外と高速での安定性が無いのと、ブレーキが甘いので、BMWも検討しましたが、営業マンが気に入らなかったので、こちらへ(笑)」